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     12月17日 千葉

    一坪共有地裁判

       「公共性」に名を借りた農地強奪の暴挙を批判
  
 

 
 
 十二月十七日千葉地裁で、一坪共有地裁判第三十回口頭弁論が開かれた。四十名が駆けつけ反対同盟とともにたたかった。
 この日は、同盟側の三人目の証人の証人調べが行われた。経済学者の鎌倉孝夫教授が、成田空港に公共性はないこと、成田国際物流複合基地構想にも公共性はないこと、全面的価格賠償方式を適用する「特段の事情」が存在しないという意見を述べた。また鎌倉教授は市東さん宅と畑に訪れ、「百年来続けてきた農業、手塩にかけた農地、周りが成田空港にがっちりと囲まれている。騒音がうるさい。市東さんは土地は生命ととらえて、農業を続けている。すごく貴重なことだ」と感想を述べた。
 鎌倉教授の弁論は以下の主旨で行なわれた。「成田空港は拡張を続けながら日本経済の拡大を図ってきた。物流拠点として、資本総体にとって利益となっている。しかし労働者市民の利便性、生活を豊かにするという意味の公共性はない。多くの人が観光等に利用するとしても公共性ではない。膨大な投資、土地買収など、本来の意味での公共性を破壊した上でのものだ。軍事、原発建設と同様に、空港に関わる諸企業に需要、利益を与えるものだ。成田空港によって生じた新たな雇用、それを公共性とも取れるが、基本的には、成田空港の開設・拡張により、人間にとっての基本、生活基盤、生活条件、環境の破壊が行われ、公共性はない」。「土地の利用方法は、利益追求の資本主義的利用もあればそれ以外の利用もいくらでもある。生活を破壊する事業を拡大させないという一坪共有地や、農地としての利用もある。不当な土地利用であるかのような言い方はおかしい」。
 「なぜ空港周辺に一坪共有地運動を起こしたか。それは成田空港という生活破壊、農業破壊する事業の拡大に反対するためだ。環境維持、生活破壊阻止、平和的生存権は、大変重要な目的だ」。
 「資本の利益と人間の利益が対立している。人間の利益のために必要なので共有した。
 それを合理的理由なく、共有者が売ることを拒否しているにも関わらず買収しようとするのは、市場としても合わない。強制ということにしかならない」。
 「三里塚、成田において農業を行うことは人間中心の公共性である。土地=実体的根拠を保全する、空港に抵抗する運動の方に公共性がある。有機農法を続け、おいしいものを利用者とともに分け合って生活する、これ以上の公共性はない。空港建設を食い止めることで本来の公共性を維持する。失ってはならない根拠です」。
 以上、鎌倉教授の弁論は成田空港の「公共性」そのものの欺まん性を鋭く明解に暴き出すものであった。これに対する原告・県からの反対尋問はゼロだった。
 反対同盟顧問弁護団は、次回、企業庁の担当者を証人として呼ぶことを粘り強く主張した。県は渋っていたが、鎌倉教授の明解な証言により、鹿子木裁判長も必要性を感じたようだ。千葉地裁は、実際の担当者の証人調べを行わなければならない。
 裁判に先立ち千葉市街において、農地取り上げ反対最高裁五万人署名活動を行った。百筆余の署名をあつめ、目標とした年内一万筆を越えた。一六年農地死守の裁判闘争、現地闘争を反対同盟とともに闘おう。


 

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