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     8・6 広島

    被爆72年、青空式典と写真展を盛大に開催

      五回目の日韓共同行動が大成功
          

   
 被爆七十二年目の八月六日、広島の平和公園は早朝より太陽が照りつけ、蝉のけたたましい鳴き声と共に多くの平和を願う人々が世界中から集っている。八時十五分、原爆ドームの周りはそれまでの喧噪と打って変わり、原爆死没者に黙祷を捧げる人の姿で覆われた。地面の下に今も眠っている原爆死没者に思いを馳せ、私たちは戦争反対・核廃絶・被爆者解放を誓った。
 八時三十分、「戦争と被ばくを許さない写真展」の準備に取りかかった。写真パネルには、英語・韓国語・中国語の訳を付けている。原爆被害の写真だけではなく、被爆二世運動や岩国・沖縄の軍事基地、原発問題についても展示した。合わせて、核兵器廃絶を求めるヒバクシャ国際署名も集めた。いつものように冷茶も準備した。七十二年前の原爆の灼熱地獄とは比べものにもならないが、今年の八月六日は例年に無く暑い。ひっきりなしに冷茶を飲みに多くの人々が立ち寄った。
 午前十時三十分、8・6広島青空式典の開始だ。被爆三世の司会のもと、原爆や原発事故、戦争の被害者に対して黙祷を捧げる。次に、全国被爆二世団体連絡協議会、岡山「被爆2世・3世の会」、AWC韓国委員会、フィリピン新民族主義者同盟日本支部からのメッセージを紹介する。被爆二世の会からの基調報告では被爆者の訴えに応えず日本政府が国連の核兵器禁止条約に参加も賛同もしていないことを糾弾した。そして、米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移駐開始を許さないと批判した。また被爆二世が援護を求め今年二月に集団訴訟を起こしたことが被爆二世運動の希望となっていることを訴えた。その後、飛び入りで沖縄から来た方と辺野古に毎月通っている関西の女性が力強く「座り込め」等の歌を歌った。続いて、あじあんさんが優しく原爆の歌を歌った。各団体アピールでは、韓国の労働党を初め、日本の労働組合やAWC、障害者、原発避難者などが発言した。韓国から来た三人の若者は「平和とは静かな穏やかな言葉では決して無く、人々が自分たち自身の物語を語り、権利を要求して声を出すことによってつかみ取るものだ。人の命こそ最も尊い。私たちは、この命を脅かす原発や核兵器に反対し、核戦争につながるサードミサイルの配備にも反対している」と話された。次に、被爆二世三人が発言した。大阪、京都、神奈川で被爆二世運動や反戦・反基地・反原発運動に取り組んでいることが分かった。広島・長崎以外で被爆二世が集まることは難しい。しかし、運動をしている人の中に少なからず被爆二世がいる。「私は被爆二世です」と表明することで、運動現場から「実は私も被爆二世です」と声を上げてもらい繋がって行ければと思う。最後にAWC関西青年部のリードでシュプレヒコールを挙げた。
 式典終了後、資料館や平和公園を散策したり、写真展の見守りをしたりした。
 夕方より、岩国で韓国・労働党とAWC山口の交流を行った。いろいろ話したがその中で韓国の参加者より、「韓国の人が原爆投下により日本の侵略から解放されたという。その考えは韓国の独立運動をなきものにする。日本の侵略から解放したのは独立運動だと伝えていきたい」というようなことを言われたのが印象に残っている。平和は誰かから与えられるものではなく自らが勝ち取っていくものなのだと改めて思った。
(被爆二世の会 会員より)

 

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