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     11・25-26 山口

    2017岩国行動が成功



 
 
 
■入国拒否弾圧うちやぶり岩国国際連帯集会が成功

 岩国国際連帯集会は、十一月二十五日十四時から岩国市福祉会館に約百三十名の全国の仲間と岩国市民が集まり行われた。司会を受け持ったAWC九州の仲間は、前日も艦載機九機が岩国基地に飛来し移駐が本格化していることを弾劾し、さらにAWC韓国委員会メンバーの入国拒否を報告し、抗議の意思を共有して開会を宣言した。
 集会では最初にAWC日本連共同代表の鴨居さんが基調報告を行い、一昨年来の障害者差別発言とのたたかいについても差別を許さないという立場から報告した。つづいてフィリピン民衆組織BAYAN日本委員会と米国のANSWER連合からの国際連帯メッセージをAWC関西青年部の仲間が代読した。
 岩国米軍基地の地元からの報告としては、まず田村順玄さんからの報告を受けた。岩国基地関連の米軍・自衛隊機事故が相次ぐ一方で、米軍にとって使い勝手のよい岩国基地が完成した。愛宕山には複合スポーツ施設を建設して市民を黙らせようとしている。基地の外に住む米軍が多数おり、映画館のない岩国に思いやり予算で米軍のためのシネコンを作れと言う話まで出るなど、米軍再編完了によって岩国が味わされている日常が語られた。最後に戦後米軍統治下での瀬長亀次郎氏のたたかいを例に挙げ「まだまだたたかいが足りない。七十三歳になったが、今後とも日常的に積み上げてたたかっていく」と決意が述べられた。
 続いて広島県西部からの報告に立った伊達さんは広島被爆者であった祖父や両親、叔母の経験を通じて反戦や反基地のたたかいに参加するようになった経緯について述べ、また廿日市の自宅上空を通過する岩国所属戦闘機やオスプレイの写真を中心にして、岩国基地から飛び立った戦闘機がエリア567で訓練をしたり朝鮮半島へと飛来していることを具体的に明らかにした。韓国からの報告に代えてAWC国際事務局からAWC韓国委員会の入国拒否の経緯が報告された。十年以上前の逮捕歴を口実にした弾圧によって、今回の岩国行動で日本政府の弾圧が一段階エスカレートしたと糾弾し、二十八日にソウルの日本大使館前で抗議記者会見をするというAWC韓国委員会メンバーの入管施設内から送られた連帯メッセージが読みあげられ全体の拍手で共有した。
 休憩をはさんで、岩国出身の音楽家である「りあ☆うしゅま」さんの歌とともに岩国市民や山口の仲間もリズム楽器を持って「守ろう愛宕山」を合唱し、緊張をほぐして後半のプログラムに移った。後半は集会に結集した各地からの連帯発言を受ける。最初に厚木基地の地元神奈川および岩国とともに朝鮮半島出撃基地となっている佐世保から届いた連帯メッセージが青年労働者によって代読された。また岩国基地強化によって訓練が一・三倍に増加している浜松から寄せられた集会資料も紹介された。
 各地からの発言の最初は沖縄辺野古カヌー隊を担う仲間からだ。辺野古では実際の工事は進んでおらず、今後も文化財保護や土砂採掘や河川付け替えをめぐりたたかい、勝つための力を作ると報告。続いて京丹後の「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」からは、「いらんちゃフェスタ」が六百五十名で大成功したこと、米軍基地に隣接する自衛隊基地まで大拡張されていることなどが報告された。さらに東京・横田から「米軍基地に反対する実行委員会」が、オスプレイ配備に向けたたたかいを準備する過程で延期報道があったが飛来は続いており、自衛隊との共同訓練が進んでいる、米軍基地はアジアから出ていけと訴えた。連帯メッセージの最後は反原発運動をたたかう「若狭の原発を考える会」から。原発立地でも反原発の声が大多数であり、それでも原発を推進するのは、大資本に奉仕する政府の戦争できる国作りの一環である。金儲けのみを求めて崩壊する日本資本主義社会そのものを変革するためのたたかいとして「原発全廃運動」を進め、反基地と反原発の強固な連帯が必要と訴えた。さらに岩国米軍基地の写真を撮影してから会場に駆け付けた岩国市民からの報告。翌二十六日の「連名方式によるミニ集会とデモ」で艦載機移駐後のたたかいの次の一歩をともに作り出そうという山口からの呼びかけを受けた。最後に日本連共同代表の瀧川さんから「多忙な中、全国と地元からの結集に感謝する。実質的な米日韓合同軍事演習が連続するなか米軍事故が多発している。岩国・広島西部・神奈川・佐世保・沖縄・京丹後・横田の反基地闘争と反原発運動との結合もできた。入国拒否問題を見ても、敵は国際連帯を恐れている」とまとめの挨拶が行われた。最後に集会は参加者全員のシュプレヒコールで締めくくられた。


 
■元気になれる闘いを!
 2017岩国労働者反戦交流集会開催


 十一月二十五日十七時三十分より岩国市福祉会館三階小ホールにて、国際連帯集会に引き続き2017岩国労働者反戦交流集会が開催された。実行委員会代表の垣沼陽輔さん(全日建近畿地本)のあいさつ、映像上映、基調提案に続き、①少数派に甘んじず多数派をめざすたたかい②各地での戦争国家化とのたたかい③たたかいをどう組合員に伝えていくかというテーマでシンポジウムが開催された。
 九単組、のべ二十一人の仲間たちの発言が次々に続いた。たたかう労働組合の貴重な経験交流の場所として、各地での反戦・反基地のたたかいの報告や、争議当該からの力強い報告があり、またたたかいの教訓の共有など幅広い意見が出された。会社とのたたかいでは職場に根差した取り組みが重要であること、また反戦・反基地闘争では現地闘争が重要であると同時にそれは組合員と組織の成長につながっていることが示された。また全社会的な総がかり運動の建設が必要なことも確認された。反戦のたたかいの根拠として平和的生存権を掲げようとの訴えもあった。労働組合のたたかいを社会に目立たせること、もっとIT技術を活用しようとの声も上がった。相談者の多くが精神的に疲弊しうつ病の発症に至っている中で、メンタルヘルス対応ができる労働運動をつくっていこうとの呼びかけがあり、実際に受け皿を作っているという報告もあった。シンポジウムの終了後、当該の所属する北九州ユニオンよりあらかぶ裁判(原発・廃炉労働による労災裁判)への支援呼びかけが行われた。
 最前線の活動家の高齢化への危機感が示され、どう世代交代を実現していくかという課題がある中で、今回の集会では執行部ではない組合員や若い世代の元気な発言が目立ったことは明るい材料だ。沖縄のたたかいでは闘争の後に必ずゆんたくをやり、明日も頑張れる場所をつくる、われわれの運動もそのように進めていこうという意見も出たが、今回の集会自体がまさにそのようなものとして取り組まれた。元気の出る集会の余韻を残し、労働者実は夜の交流会でも大いにたたかいの英気を養ったのは言うまでもない。


 
■反基地交流会
 岩国、広島、沖縄、京丹後、横田から参加


 十一月二十五日十八時三十分から反基地交流会が岩国市福祉会館において行われた。
 この交流会は、2017岩国行動の一環として取り組まれた交流会だ。地元岩国住民の「愛宕山を守る会」、沖縄の辺野古新基地建設反対闘争、京丹後市の米軍Xバンドレーダー基地撤去をかかげる「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」、東京の横田基地反対に取り組む「米軍基地に反対する実行委員会」、そして、反原発の「若狭の原発を考える会」が意見交換をしながら交流していく形式でおこなわた。交流会には九州、広島、京都、東京など各地から広範な人々も参加した。
 はじめに、岩国の「愛宕山を守る会」から、愛宕山再開発が当初の予定と違い艦載機移駐、米軍住宅建設という岩国基地強化になったことに対して「普通の住民が怒って愛宕山を守る会を結成した」ことを説明。毎月一のつく日に、座り込みに取り組んでいると語った。
 国は地元住民を分断するために「補助金」という手段で、「アメとムチ」の政策をもちいて、岩国市に財政的圧力をかけてきた。保育園料や学校給食の無償化などバラマキがおこなわれ、多くの市民がアメの政策に押し流されている現状が語られた。一方で、米軍による事件・事故が跡を絶たないことも明らかにし、「子や孫の世代に基地を引き継がせないためにという信念をもってたたかっている」ことを語った。
 そして、沖縄、京丹後、さらに若狭の原発を考える会からも、地元住民を分断する手段として国が金のバラマキをおこなっていることが明らかにされた。
 米軍基地に反対する実行委員会は、沖縄の基地問題の解決は、沖縄だけではなく、「本土」の側のたたかいにかかっている。単に自分たちのところに基地がなければいいのではない。全ての基地を撤去すること、反戦反基地を追及し続けることが重要であるという発言がなされた。
 交流会は、一時間半あまりという短い時間であったが、終始なごやかな雰囲気のなかで進められ、参加者から質問や意見表明がなされた。朝鮮民主主義人民共和国に対するアメリカ・トランプ政権と安倍政権による戦争重圧が強まる中で、米軍基地、自衛隊基地が強化され、軍事演習も頻繁に強行されている。戦争に加担するのではなく、反戦反基地を貫くこと、沖縄、岩国、京丹後、神奈川、横田と全国の住民が結合すること。そして韓国、アジア諸国・地域の労働者人民と連帯することをあらためて確認することができた交流会だった。


 
■岩国基地・愛宕山フィールドワーク
 二手に分かれ、基地、米軍住宅などを見学


 二十六日、早朝から岩国フィールドワークが行われた。今回は、米軍住宅や野球場が完成した「愛宕山コース」と空母艦載機の本格移駐が始まった「基地コース」の二コースに分かれて行われた。早朝にもかかわらず各コースには、それぞれ三十名を超える参加者が集まった。
 「愛宕山コース」では、「キズナスタジアム」前から「アタゴヒルズ」までを岩国住民の案内で回った。
 キズナスタジアムは八千名収容・高校野球公式試合が可能な野球場で、すでに地域の野球チームが試合をしていた。日本政府が六十億円を注ぎ込んで建設して米軍に提供し、それを地元住民が条例に基づき「使用料を払って使わせてもらう」というものだ。スタジアム横には広々としたバーベキュー場。地域の高校生がランニング中だ。道路を隔てた向かい側は、国立の岩国医療センターや特別養護老人ホーム。この地域は本来「より住みよい街を」といううたい文句で県と市が住民から買い取った土地なのだ。福田市長は「基地との共存」「基地を活かした地域振興」というが、愛宕山地域には短大を含めて学校も多く、この地域が米軍関係者と住民や学生が避けようもなく接する場所になることは間違いない。
 徒歩でキズナスタジアムの周辺に作られた陸上競技場やピクニック施設などスポーツエリアの諸施設を見ながら歩く。米軍住宅エリアでは、基地正門と変わりない厳重な警備のフェンスの中に「アタゴヒルズ」という米軍将校用住宅が完成していた。そこから基地に出勤するための新しい橋がかかっている。反対側を振り向けば、住民たちが使用している古い橋が見え、こちらは十分の一の建設費という。この日の愛宕山は、国と米軍の詐欺劇によって岩国市の真ん中に新しい米軍基地が出来たことを実感するとともに今後のたたかいを誓う場所となった。
 「基地コース」には、岩国行動に初めて参加される方が大半を占めた。折しも、空母艦載機の本格移駐が前日より開始され、F35Bをはじめとして多数駐機する空母艦載機を遠目にもはっきりと確認することができた。地元新聞社も移駐直後ということもあり、われわれのフィールドワークについて熱心に取材を行ってきた。
 はじめての参加者は、沖縄の米軍基地のことは知っていても自分たちの住むすぐ近くにこんなにも巨大な基地があり、それが東アジア一の航空基地になることに驚くとともにこうした基地がわれわれの税金を使って作られていることに憤りを露わにしていた。
 その後、滑走路北側を離れ、基地内に建設された巨大病院を確認し、愛宕山地区へと移動した。愛宕山地区では、野球場や米軍住宅の入口の様子、さらには百合ヶ丘団地入口からの完成した米軍住宅の様子を確認することができた。一棟八千万円という米軍住宅の建設費用に参加者からは怒りの声が多く聞かれた。最後に団地内にはためく「愛宕山に米軍住宅はいらない」という多数の旗を確認し、この日のフィールドワークを終えた。


 
■ミニ集会・デモ
 39団体79人の呼びかけ 岩国基地前で抗議の声あげる


 十一月二十六日、十一時から岩国市庁舎前の公園において「NO!艦載機移駐、NO!『基地との共存』、いらない!米軍岩国基地、岩国市民と全国を繋ぐ怒りと希望の行動」と題したミニ集会・デモが取り組まれた。地元岩国市の「愛宕山を守る会」「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」をはじめ山口、広島、九州、首都圏、関西、沖縄の三十九団体、七十九人の個人の呼びかけによる行動だ。
 岩国市庁舎前の広場には、約百八十名が結集した。AWC日本連や、さまざまな団体の旗やのぼりが林立し、反戦・反基地・平和を訴える色とりどりの風せんも用意された。
 はじめに、地元岩国住民の愛宕山を守る会から、アメリカ・トランプ政権とと安倍政権による朝鮮民主主義人民共和国に対する戦争重圧に対して、「日本の平和と人権を守る目的にかなっていない」。「これからの平和は戦争ではなく、話し合いで平和を築いていく」と反戦反基地の確信が発言された。そして岩国市議の田村順玄さんが、岩国基地反対、平和のアピールをおこなった。
 つづいて、首都圏、関西、山口・広島、九州、沖縄、国際など各地域ブロックごとに労組、市民団体、人士が次々と反戦反基地、反核、反原発、平和、国際連帯のメッセージを意気高く発言した。
 途中、りあ☆うしゅまさんを中心に音楽隊による演奏がおこなわれ、「守ろう!愛宕山」を集会参加者も含めた合唱がおこなわれた。
 集会の最後に、AWC山口の代表が集会アピールを読み上げた。「私たちは『基地との共存』や『艦載機の移駐』に反対し、戦争の加担者にも被害者にもならない道を選択します。より多くの人々や、他の地域の人々と手をたずさえ、戦争の動きを止める行動を岩国からおこしましょう」と力強い訴えに、参加者全員が万雷の拍手をもって確認した。
 いよいよデモ行進だ。「NO!艦載機移駐、NO!『基地との共存』、いらない!米軍岩国基地」と書かれた横断幕を先頭に、音楽隊の演奏を交えながらデモ行進が市役所前広場から出発する。岩国市の商店街を通り、「艦載機移駐反対!」「岩国基地はいらない!」とシュプレヒコールで訴える。岩国基地の正面ゲート前に差しかかると、デモ隊列はしばら立ち止まって抗議のシュプレヒコールをおこなった。岩国住民を含めた全国の反基地団体、広範な労働者市民の結集によって、ミニ集会・デモは貫徹された。


 

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