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     5月24日 千葉

   第六回請求異議裁判闘争
   
     
      二証人、強制執行の不当性を証言


   
 五月二四日、反対同盟・市東孝雄さんの成田市天神峰の農地の強制執行をめぐる第六回請求異議裁判が千葉地裁民事第五部(高瀬順久裁判長)で開かれた。
 裁判に先立って三里塚芝山連合空港反対同盟は千葉市中央公園で前段集会を開催した。
 反対同盟事務局から萩原富夫さんが発言に立ち、市東さんの農地の取り上げを絶対に許さない決意をあらためて明らかにした。萩原さんは、「なぜ私たちが空港の犠牲にならなければならないのか。住民を無視した成田空港の建設・拡張は、辺野古や原発とまったく同じ問題だ。生活破壊・農業破壊を許さず、金ですべてが解決するというような政治と怒りをもってたたかう」とアピールした。
 参加団体からの発言のなかで、沖縄から駆けつけた市東さんの農地を守る沖縄の会の金治明さんは、辺野古新基地建設をめぐる緊迫した現地状況を報告し、「海の三里塚」として連日のたたかいを担っていることを報告した。そして、「辺野古も三里塚も負けられないたたかいであり、必ず勝利しよう」と呼びかけた。
 最後に司会を担った反対同盟事務局の太郎良陽一さんが、「傍聴闘争は重要な局面に入った。強制執行を許さない裁判闘争をたたかおう。そしてもし国と空港会社が強制執行に踏み出してくるならば、それを体を張って受けて立つ。反対同盟が築いてきた基本路線を今一度われわれの闘いの中にはっきりと位置づけ、実力闘争でたたかおう。それが大木よねさんのたたかいを引き継ぐことだ」と熱烈に訴えた。
 「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「強制執行を阻止するぞ!」などのシュプレヒコールをあげた後、反対同盟と支援者たちは千葉地裁を包囲するデモ行進に出発した。
 請求異議裁判はいよいよ重要な局面に入ってきている。この日の裁判の中心は小泉英政さんと加瀬勉さんに対する証人尋問であった。
 小泉英政さんは大木よねさんの養子となり、よねさんの死後もその正義と尊厳の回復のために尽力してきた。
 成田空港会社の前身である空港公団はかつて、「あらゆる意味において二度と強制的手段はとらない」と社会的に確約した。また、大木よねさんへの強制代執行を謝罪した。にもかかわらず、いま市東さんの農地を強制的に取り上げようとしている。これについて小泉さんは、「とらないと言ったらとらない、ということだ。約束は守られねばならない。そうでなければ何の反省なのか」と鋭く指摘した。
 小泉さんはまた、空港問題が五〇年以上続いている原因は、「権力を笠に着て農民をないがしろにし、戦前のように力で空港を造ろうとしてきたからだ」と述べた。そして、最後まで抵抗した大木よねさんを見せしめとしたように、「市東さんを見せしめにするために強制執行を行おうとしているのではないか」と指摘した。
 加瀬勉さんはその証言の冒頭より、「成田空港は国家犯罪の積み重ねによって、あらゆる違法を隠ぺいして造られた」と問題の本質を端的にえぐり出した。
 一九七一年九月の大木よねさんの宅地に対する強制代執行を間近で目撃した加瀬さんは、よねさんに対する機動隊の暴行・暴虐ぶり、その過酷さを臨場感をもって語った。それは現場にいた者にしかなし得ない迫力をもつものであった。
 加瀬さんはまた、日本農業の危機的な状況のなかで、市東さんが農業を続けていこうとしていることがどれほど貴重なことか、と指摘した。そして、裁判長に対して「これまで三里塚には司法の正義はなかった。あればこんなことにはなっていない。ぜひ、市東さんの農業への愛着を守ってほしい」と要望した。
 その後、裁判官の交代にともなう更新意見陳述が行われ、反対同盟弁護団が強制執行の不当性・違法性をあらためて訴えた。弁護団はまた、裁判長が拒み続けている専門家証人の尋問を強く要請した。
 裁判後の報告集会で、市東さんは「自分の現実と過去の問題のつながりをあらためて認識した。六月二八日の証人尋問では、今回以上に感動を与えられるようにがんばりたい」と語った。弁護団からの発言に続き、反対同盟事務局からは、5・27天神峰カフェ、6・28次回請求異議審、7・8樫の木まつりなど当面する取り組みへの結集が呼びかけられた。
 市東さんの農地の強奪を阻止するためのたたかいはいよいよ正念場を迎えている。反対同盟の呼びかけに応え、現地への結集を強め、共に強制執行阻止の決戦をたたかおう。



 

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