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     6月2-3日   京都

   米軍Xバンドレーダー基地撤去!

    韓国・沖縄ゲスト招き交流集会・デモ
   
     

   
 ●6・2連帯交流集会

 六月二日一五時から京都市内の東山いきいき市民活動センター集会室において、「米軍Xバンドレーダー基地撤去! 東アジアの平和を! 6・2連帯交流集会」が会場を埋め尽くす参加で開催された。この集会には、翌日の京丹後総決起集会のゲストである韓国のサード配備反対金泉市民対策委員会のお二人と、沖縄平和運動センター議長の山城博治さんが参加した。連帯交流集会は、米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会の主催による国際シンポジウムとして開催された。
 司会の開会挨拶のあと、韓国のサード配備反対闘争と沖縄の辺野古新基地建設阻止闘争の映像が上映され、シンポジウムの基調が提起された。基調提起を受けて、まず京都連絡会共同代表の大湾宗則さんが発題を行った。大湾さんは、米軍Xバンドレーダー基地撤去の闘いに焦点をあてつつ、基地からの騒音や米軍人・軍属の交通事故、さらにでたらめな二期工事着工など、基地被害に対する闘いを通して基地との緊張関係を現地でつくりだし、地元の住民が主権者として立ち上がることの重要性を指摘した。同時に、被害者としての闘いだけでは、基地被害を抑止する力にはなっても基地の撤去は実現できないこと、米軍基地が東アジアの軍事的緊張と戦争の危機を高めていくことを批判し、国際連帯をもって基地と対決していくことの重要性を提起した。つづいて、山城博治さんから辺野古新基地建設阻止闘争の報告が行われた。山城さんは、名護市長選挙の敗北、七月ごろからの土砂投入という厳しい状況に触れつつ、辺野古の海上・ゲート前での阻止闘争を闘い抜き、秋の知事選挙に勝利し、辺野古新基地建設を阻止するという決意を表明した。最後に金泉市民対策委員会の仲間から、パワーポイントを使って、金泉のサード配備阻止闘争の報告が行われた。
 この三人の発言をうけて、大湾さんがコーディネーターを担当する形で発題者間の討論が行われた。それぞれの反基地闘争の直面する課題、克服すべき現状を共有し、それぞれの経験を学んでいくという真剣な討議が短時間ではあったが組織された。シンポジウムは、翌日の京丹後総決起集会への結集を確認して終了した。

 ●6・3京丹後現地で総決起集会

 六月三日の「米軍Xバンドレーダー基地撤去! 東アジアの平和を! 6・3京丹後総決起集会」は、近畿連絡会の主催で一三時から京丹後市の久僧公民館において約二五〇人の結集で開催された。集会は、連帯労組近畿地本書記長の西山直洋さんの司会の挨拶から開始され、近畿連絡会代表世話人の大湾宗則さんが主催者挨拶を行った。大湾さんは、「日米同盟においてはもう二〇年前から日本とその周辺地域の防衛は自衛隊が担い、米軍はその支援をするという基本方向、すなわち東アジア(第一列島線)の防衛は自衛隊の任務とするということが確認されてきた。それ以降の辺野古新基地建設と南西諸島への自衛隊配備、安保関連法の制定と自衛隊海外派兵、憲法改悪はその方向を具体化させたものである。京丹後の米軍基地もそのもとにある。基地は単独で存在するものではない。このような日米同盟と対決し、それぞれの反基地闘争の結合と交流、東アジア民衆の連帯を強化することによって、東アジアの平和を実現しよう。韓国の民衆は朴槿恵政権を打倒し、東アジア情勢の転換を切りひらいた。沖縄を含む日韓民衆の連帯を強化しよう」と訴えた。
 続いて協賛団体である米軍基地建設を憂う宇川有志の会から三野代表が挨拶を行い、同じ憂う会の事務局長である永井友昭さんが現地報告を行った。永井さんは米軍基地建設の二期工事着工からの問題を怒りを込めて次のように弾劾した。「防衛省は二期工事の着工日を事前に伝え、ていねいに説明をすると約束していたが、着工日を明らかにしないままに二期工事をなし崩し的に開始した。そして、工事に着手するとすぐに基地の敷地の外の里道まで掘削されていることが判明した。明らかな違法行為であり、米軍は謝罪せざるをえなかった。また、二期工事は月曜から金曜に行い、土日祝日は行わないという事前の防衛省の約束をふみにじり、二度にわたって土曜日に工事が実施された。さらに五月一五日には、ドクターヘリが飛行するときにはXバンドレーダーの電波を停波するという約束であったにもかかわらず、米軍は停波を行わず、病院への搬送が一七分にわたって遅れるという人命に関わる事態が明らかになった。このような事態はこれまでに二回あったという。防衛省には当事者能力がなく、米軍は好き放題にふるまっている。ここに日米地位協定の現実がある。防衛省・米軍を徹底して追及し、基地撤去にむけて闘おう」と訴えた。
 次に沖縄から参加した山城博治さんが発言を行った。山城さんは「ここに来る過程で北陸各地を回ってきたが、若狭や新潟では原発が林立していた。日本版海兵隊の基地となる長崎県佐世保市の相浦駐屯地もまた、玄海原発に近い。原発の近くに基地を設置することは、危険きわまりないことだ。また、沖縄の米軍基地には米軍機・自衛隊機が集中し、自衛隊の配備と米軍基地の共同使用が一気に進行している。南北首脳会談によって東アジアの平和への流れができてきたなかにもかかわらず、安倍政権は戦争の準備を進めてきた。安倍政権と対決し、このような動きを阻止する。そして、七月にも予定される辺野古への土砂投入と対決し、皆さんの闘いに連帯していく」と決意を述べた。
 次に韓国から参加した仲間は、次のように金泉でのサード配備阻止闘争の報告を行った。「サードの配備は、中国を主要な対象とした米国のミサイル防衛システムに韓国が組み込まれるということだ。防衛と称しているが、それはミサイル先制攻撃システムに他ならない。韓国では、李明博の保守政権ですらそれを拒否してきたが、朴槿恵政権が突然受け入れを表明した。朴槿恵政権が打倒されたときには、これでサード配備は中止されると喜んだが、米軍は機動隊に守られて二基のサード発射台の配備を強行した。そして、残る四基の発射台の追加配備に同意していなかった文在寅政権もまた、北によるICBMの発射直後に追加配備に同意し、配備が強行された。しかし、住民の闘いは決して屈しないで継続している。サード配備決定から開始された毎日のローソク集会は、今日で六四三回目となる。また、ガソリンを含めてサード関連の軍需品の搬入に対しては住民が検問を行い、阻止し続けている。これらの闘いを通して住民の意識も変わり、意識の覚醒が進んだ。アメリカは友邦ではないこと、アメリカは平和を守るのではなく戦争を煽っていること、多くの住民がそう確信するようになってきた。南北首脳会談の成功は、サード配備を撤回させていくための新たな条件としていかねばならない。沖縄にも京都にも韓国にもどこにも米軍基地はいらない。連帯して闘おう」。
 カンパ要請をはさんで、次に近畿連絡会各府県からのアピールが行われた。京都からは京都連絡会の駒井高之さん、大阪からはしないさせない戦争協力関西ネットの中北龍太郎さん、滋賀からは戦争をさせない一〇〇〇人委員会・しがの稲村守さん、兵庫からは憲法を生かす会・ひょうごネットの中村伸夫さん、奈良からは憲法を生かす奈良県民の会の植林成光さんが各地の闘いの報告と決意表明を行った。集会は最後に、アジェンダ・プロジェクトの奥田友美さんが集会決議案を提起し、拍手で採択して終了した。
 集会終了後、参加者は久僧海水浴場の駐車場まで移動して隊列を編成し、基地に向けたデモに出発した。デモ隊は田植えも終わり、新緑が輝くばかりの海岸線の集落のなかを通り、元気よくシュプレヒコールをあげて基地へと向かっていく。集落のあちこちで住民がデモ隊に注目し、手を振ってくれる住民もいる。集会開始時には一一台の街宣カーを動員し、道路を占拠して口汚く集会を罵倒していた右翼排外主義者どもは機動隊に規制され、早々と退散していた。デモ隊は、基地ゲート前を通過するときにはシュプレヒコールをもって基地に抗議し、袖志の集落までのデモを貫徹した。この京丹後総決起集会は、四月一〇日の二期工事の本格着工以来、米軍と防衛省が次々と引きおこす事件を弾劾し、米軍基地の撤去を呼びかけるとともに、東アジア情勢の歴史的な転換が始まるなかで東アジアの平和に向かう闘いとして組織された。沖縄や韓国の闘いとの連帯が強化され、近畿連絡会五府県の共闘も強化された。その意義はきわめて大きなものであった。


 

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