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     6月28日 千葉

    請求異議裁判

  
強制執行はどこから見ても違法
      市東さん、萩原さんが証言

   
     

   
 三里塚芝山連合空港反対同盟の同盟員・市東孝雄さんの農地の強制執行をめぐる請求異議裁判(第七回)が六月二八日、千葉地方裁判所・民事第五部(高瀬順久裁判長)で開かれた。この日は市東さんの本人尋問と反対同盟員・萩原富夫さんの証人尋問が行われる重要な裁判であった。
 裁判に先立ち、反対同盟は千葉中央公園で前段集会を開催した。「強制執行を許さず農地を守る。そうした熱い闘いを裁判のなかでやっていこう」という反対同盟・太郎良陽一さんのあいさつで始まった集会は、千葉県警による妨害をものともせずに貫徹された。
 自らもこの日の証人尋問に立つ萩原富夫さんは、「市東さんにかけられた強制執行攻撃は大木よねさんに対する強制収用攻撃を上回る大規模なものだ。農地を耕し、育て、有機農法を続けていることは農民の誇りだ。それを強制執行で取り上げることなど絶対に許されない。原発、基地、ダム建設などとたたかう人々と連帯し、農地を守る闘いを通して、人を人と思わない政治を変えていく」と熱くその決意を表明した。
 反対同盟からの発言を受け、動労千葉、三里塚関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、さらに沖縄から駆けつけた市東さんの農地を守る沖縄の会からの発言が続いた。
 共産同(統一委員会)の代表は、千葉地裁による早期結審を許さず、不当な農地の強制執行攻撃と闘う決意を表明し、あわせて八月にもくろまれる辺野古での土砂投入など新たな段階に突入する沖縄人民の闘いへの連帯と安倍政権打倒を呼びかけた。
 その後、シュプレヒコールで集会をまとめ、参加者は千葉地裁に向けたデモ行進に出発した。
 午後二時から始まった裁判ではまず萩原富夫さんへの証人尋問が行われた。
 萩原さんは「産直の会」の共同生産者として、また天神峰に隣接する東峰地区の住民として、市東さんに対する強制執行攻撃の不当性と非道性を証言した。そのなかで萩原さんは、市東さんの全農地の70%を奪い去ろうという攻撃が、営農を破壊し、産直を破壊し、生産者と消費者の関係性をも破壊するものであり、それが抵抗する者へのみせしめとして行われていると批判した。また、B滑走路の供用開始を前後する時期から東峰・天神峰にかけられてきた攻撃のひとつひとつを具体的に証言した。
 証言の最後に、萩原さんは裁判長に対して、「農民から無理やり農地を取り上げるようなことは絶対に許されない。それを認めることは犯罪であり、泥棒に手を貸すことだ。そんなことは許されない。今後も闘い続ける」と熱烈に述べた。
 続いて市東さんの本人尋問が行われた。その証言のなかで市東さんは自らの生い立ちを語り、空港会社が奪い取ろうとしている農地が祖父市太郎さんの代から一〇〇年にわたって耕されてきたことを証言し、「私は農業をやりたいだけだ」、そして有機農法によってつくられている「うそをつかない、安全・安心で旬の野菜を消費者の皆さんに届けることが私の農民として誇りだ」と堂々と語った。
 農地の明け渡しを迫る空港会社について市東さんは、「お金を積むから出ていけというのは農民を愚弄するやり方であり、認めるわけにはいかない」、「何かあれば口実をつくって空港を拡げるやり方は許せない」、「親が亡くなり、子どもが帰って来て、一〇〇年耕してきた土地を継ぐことのどこが悪いのか」と厳しく指弾した。
 最後に市東さんは、「強制執行はどこから見ても違法だ。絶対に許可してほしくない。自分が関係する裁判に関しては、三権分立などどこにもなかった。裁判長は正義を貫いてほしい。それができなければ司法の自殺行為だ」と裁判長に強く要請した。
 二人の証言を受け、反対同盟弁護団はさらに専門家証人の採用を裁判長に強く迫った。しかし、裁判長はその場では明確な回答を避け、結論は進行協議に持ち越された。
 農地の強制執行を許すのか否かの攻防はいよいよ緊迫した局面を迎えている。市東さん、反対同盟と共に、農地強奪を阻止する闘いへと立ち上がろう。


 

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