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     9月3日 千葉

   三里塚・耕作権裁判

   反対同盟・支援が千葉市内デモ


       
 九月三日午前、第三八回耕作権裁判闘争に先立ち、千葉市葭川公園において、集会・デモが取り組まれた。
 九時過ぎより反対同盟・太郎良陽一さんの司会で集会は開始された。
 はじめに反対同盟事務局の萩原富夫さんが発言し、「本日の耕作権裁判は、請求異議裁判と一体の非常に重要な裁判だ。内田裁判長は、さっさとこの裁判を打ち切り市東さんの農地を取り上げる判決を出そうとしているが、この間の私たちの粘り強い闘いによってこれを押し返してきている。安倍政権の下で憲法改悪など戦争に向かう動きが進んでいる。私たちは成田軍事空港反対をかかげてこれからも闘いぬく。また三里塚は、沖縄辺野古の新基地建設反対闘争や、原発再稼働反対闘争、福島の闘いなどと一体の闘いだ。本日の裁判闘争を戦闘的に闘おう」と語った。
 つづいて、動労千葉や関西実行委員会、市東さんの農地取り上げに反対する会などが次つぎと連帯の発言を行った。
 反対同盟・伊藤信晴さんは、「本日の耕作権裁判闘争を突破口に、九月二七日の請求異議裁判最終弁論、そして10・14三里塚全国総決起集会を闘いぬき、市東さんの農地を絶対に守り抜いていこう。反対同盟はこの闘いの先頭に立つことを決意表明する」と語った。
 最後に司会の太郎良さんが「これより千葉地裁に向けたデモを行う。千葉地裁内田裁判長の早期結審策動を許さず、断固として裁判闘争を闘おう」と、集会を締めくくった。
 その後、反対同盟・支援は、「市東さんの農地強奪を許さないぞ!」「千葉地裁の早期結審を許さないぞ!」「市東さんとともに闘うぞ!」などのシュプレヒコールを唱和しつつ、千葉地裁に向けたデモを行った。
 デモ終了後、行動参加者は耕作権裁判の傍聴闘争に向けて、千葉地裁へと向かっていった。


 ■弁護団、更新意見陳述

 報告集会で市東さん「秋に向けて正念場、力を合わせよう」

 九月三日、千葉地裁六〇一号法廷(内田博久裁判長)にて耕作権裁判が行われた。左陪席裁判官の交代のため、反対同盟弁護団による更新意見陳述が行われた。
 弁護団からは、まず成田空港会社は市東さんが耕作する南台四〇、四一の耕作地を取得したとしているが、実際は売買契約が行われたとされる八八年当時は二期工事予定地周辺には家屋五戸が残存しており、工事そのものの見通しが立っていなかったことに加え、転用目的での取得というのは全くのデタラメで、一五年以上も転用しないまま地代まで詐取していたことから、これは農地法の規制対象となる違法な農地の取得であり、売買契約は無効であると述べた。またそのことから成田空港会社は土地の明け渡しを求める資格はないと主張した。次に、小作地の売買契約が小作権者つまり市東東市さんの同意がないものとして行われたことが、農地法五条違反であること、さらに耕作地の位置特定を示す「同意書」だけでなく、「確認書」までもが偽造されていたことを主張した。当時の空港公団は市東東市さんの筆跡、印鑑までも偽造して関連書類を作成していたのである。
 弁護団は過去に旧地主の藤崎政吉氏から聴取を行っている。「あーだ、こーだ言って作った図ですよ」と本人が言っている通り、藤崎氏本人は土地の位置特定をはっきりとは分かっておらず、それを元に当時の公団職員が実測地ではなく、測量で作成したものが、空港会社側が耕作地の位置特定として裁判所に提出している「測量図」となっているのだ。市東さんの耕作地の位置特定が明らかに間違っているのである。
 その中で、売買契約を行ったとする交渉記録文書を全て開示すれば、具体的に耕作地の位置特定が明らかになってくるわけだが、空港会社側は最高裁決定の「文書提出命令」を頑なに拒否し続け、一部黒塗り文書として提出してきたのである。空港会社側としては「今後も用地交渉をしなければならない関係者についての記載や利害関係を有する者、用地交渉の手法等の記載があることから、当該部分を開示すると、関係者らとの信頼関係を損ね、今後の用地交渉に影響する恐れがある等、相手方の利益を害するので開示できない」と述べているが、では現状において具体的にどのような用地交渉に影響するのか、誰の利益を害するというのだろうか。この用地交渉の文書は三〇年以上も前のものであり、現時点において開示したとしても何の影響もないのが実態である。逆に、空港会社が主張する耕作地の位置特定が間違っていることを自己暴露してしまうことを恐れて、このような見苦しい言い訳をしているのである。
 最後に弁護団は、第一期工事における大木よねさん宅に対する見せしめの強制代執行について、当時の空港公団はシンポ、円卓会議で「謝罪」と「反省」を明らかにし、「今後は強制的な手段は取らない」として社会的な公約を宣言したが、今まさに、市東さんに対してその「強制的な手段」で農地を強奪しようとしていることは訴権の濫用であると述べた。大木よねさんに対する強制代執行の非人間性は「人間が自分の力で生きていく実感」を奪い去ったのである。またそれを繰り返すというのか。本件訴訟における成田空港会社の請求は直ちに却下されるべきであると述べ、傍聴席は大きな拍手で応えた。
 裁判後の報告集会で、市東さんは「これから秋に向けて正念場になります。みなさんと力を合わせてやってきいたいと思います」と述べた。次回は一一月一九日、次々回は二月一八日。
 請求異議裁判は九月二七日に結審を迎える。年内判決を狙う高瀬順久裁判長そして裁判所を包囲し、早期結審不当判決策動を粉砕しよう。連続した闘いとして10・14全国総決起集会に全党総力で立ち上がろう。空港会社、裁判所が一体となった市東さん農地強奪、強制執行攻撃に対して、反対同盟を先頭に「農地死守」「実力闘争」で身体を張って市東さんの土地を守り闘い抜こう。そして全国から人の石垣をつくり、この攻撃を跳ね返そう。


 

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