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     12月16日 大阪

    日米安保と南北分断体制を考える講演集会
    

 
 二〇一八年一二月一六日午後、大阪府の吹田市民会館において、「東アジアの平和を創る~日米安保と南北分断体制を考える~12・16講演集会」が約九○人の結集で開催された。主催は、同集会実行委員会でアジア共同行動日本連とアジア共同行動・京都もその参加・賛同団体であった。この集会は、9条改憲阻止共同行動をベースとして春・秋の二回大阪で開催されてきた集会のひとつであった。
 集会は港合同の樋口曜さんの司会で開会され、メインゲストである文京沫(ムンギョンス)さん(立命館大学特任教授)の講演が約一時間三〇分にわたって行われた。文京沫さんは、東アジアの戦後の冷戦体制の形成とそのもとでの韓国の状況について歴史的にふり返りつつ、「ろうそく革命」と文在寅(ムンジェイン)政権の登場、朝鮮南北首脳会談・朝米首脳会談による朝鮮半島・東アジア情勢の転換をていねいに説明した。その講演では、「ろうそく革命」の特徴・意義を「脱中心の革命・運動主体の多様性」、現職大統領の退陣と政権交代を導いたという意味で「完成した革命」として提起された。そして、文在寅新政権の課題として、「ろうそく革命」の継承・完遂、具体的には積弊清算・疎通による統合の恢復、経済再建、平和と繁栄の朝鮮半島などを提起した。文京沫さんは最後に、南北関係・朝米関係の課題、新時代の北東アジアと日本、脱冷戦と植民地主義克服の課題について簡単に提起して講演をしめくくった。
 質疑応答に続いて、連帯労組関生支部の武谷新吾さんから、この間の関生支部へのすさまじい弾圧を粉砕しようという熱烈なアピールが行われた。続いて、アジア共同行動・京都の山本純さんがアピールを行った。山本さんは、AWC結成の前史となる一九八〇年代後半のフィリピン連帯運動の開始、一九九二年の日米軍事同盟と自衛隊の海外派兵に反対する一○月国際会議の開催とAWCの発足、その現在の国際的な構成国・地域について紹介し、アジアにおける国際反帝統一戦線の形成を展望して発展してきたことを述べた。そして、この経験を踏まえつつ、東アジアの平和という集会のテーマをめぐって三点を提起した。
 その第一は、戦争の危機の中にあった東アジア情勢は大きく変化してきたが、それはまだまだ不安定なものであること。その最大の原因は、米・トランプ政権が共和国に対して一方的な核廃棄・弾道ミサイル廃棄を迫ってきたことにあり、これと対決する東アジアにおける国際的な反帝共同闘争を強化していかねばならないこと。第二は、安倍政権は東アジアの平和への阻害物となってきたが、それは安倍政権が東アジア情勢の変化を理解できていないなどというものではないこと。日米同盟の再編のもとで、朝鮮半島から沖縄、台湾、フィリピン、インドネシアに至る「第一列島線」の防衛が主要に自衛隊の任務となるなかで、現在の辺野古新基地建設の強行、憲法改悪、関生支部への大弾圧などがおしすすめられているのであり、このような日本帝国主義との対決に向かわねばならないこと。第三は、韓国―文在寅政権の評価について。文在寅政権は、「ろうそく革命」の要求を一部反映して成立し、朝鮮半島南北の和解と東アジアの平和に向けた積極的な動きを示してきたが、この政権の階級的性格は韓国資本主義の発展をめざす資本家階級の権力であること。新自由主義政策を継承し、脱原発の公約を放棄して原発輸出を推進し、星州(ソンジュ)へのTHAAD配備を強行してきた。私たちは、文在寅政権と対抗して基層民衆の解放をめざす現場の闘いにこそ連帯していかなければならないと訴えた。
 集会は最後に、反戦・反貧困・反差別共同行動in京都の代表である仲尾宏さんが集会のまとめを提起して終了した。


 

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