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     10・26  京都

   「天皇制の廃絶」テーマにJCLフォーラム開く

     7・17闘争当事者が講演

       

 
 一〇月二六日、京都で「JCLフォーラム」と題した講演・討論会が開かれた。最初に主催者を代表して関西地方委員会の同志が開会のあいさつを行なった。同志は「今日のテーマは天皇制の廃絶です。天皇制総翼賛体制とでもいうべき事態が進行するなか、天皇制の現状をどうみていくか、これとどのように闘っていくのかについて問題提起をし意見交換していきたい」と発言。会場に集まった約二〇人の参加者から自己紹介を受けたあと、パワーポイントを使って「敗戦から現在に至る天皇制」とのタイトルで天皇制の変遷過程をふり返るレクチャーが行われた。戦前の天皇制の基本性格やそれが果たした階級的・犯罪的役割が批判・暴露されるとともに、現在の象徴天皇制に引きつがれる内容が天皇制との闘争の映像の紹介を交えて、簡潔・明瞭に提起された。
 続いてこの日のメインプログラムとして、一九七五年の沖縄での7・17ひめゆり・白銀闘争(皇太子沖縄上陸糾弾闘争)を闘った当事者である仲間から「ひめゆり・白銀闘争の意義と継承すべきもの」と題した講演が行われた。彼は「思い知ったか皇太子! 沖縄戦の怒りを」との表題のレジュメを使って、七五年皇太子沖縄訪問当時の内外情勢の特徴とこの闘争の自己評価について詳述した。
 彼は、この闘争が「沖縄戦を聖戦化し、天皇の戦争責任を回避・清算し、ふたたび沖縄人民をアジア侵略反革命の先兵にせんとする皇太子の沖縄上陸・摩文仁ヶ丘参拝に対する決死・糾弾の闘い」であったとしたうえで、「抑圧民族としての『本土』人民の歴史的・今日的腐敗」という自己の立場を反省的に踏まえて、沖縄人民(沖解同)とともに決起したことを継承すべき最も大きな意義として強調した。
 そして「神としての天皇」・国体を護持しようとする天皇制・天皇制イデオロギー攻撃との闘争はアナクロニズムではなく今日の重要な戦略的課題であるとした。さらに現在の徴用工問題、慰安婦問題についても触れつつ、日本の戦争責任、侵略・植民地支配の歴史を対象化することが日本人民にとっては重要であると熱弁を振るった。
 この講演につづいて労働運動の活動家が発言に立った。「浸透する象徴天皇制といかにたたかうのか?」と題したレジュメでの提起が行なわれた。発言のなかでは、災害時などを利用して「ふわっとした有難さ」を演出して支持を広げる現在の天皇制に対して、「歴史を知る」こと、「神話の解体」「唯物論の世界にひきずり下ろす」こと、「反差別論の大衆的再建」などが必要で、われわれの側に「民衆に伝える方法の研究」が要求されると発言をしめくくった。天皇制の影響下から労働者をいかに取り戻していくのかという問題意識にもとづいた提起であった。
 この二つの提起を受けて質疑・応答が行われた。参加者からの多くの質問や発言が相次いだ。7・17当時の沖縄社会の状況についての質問・意見や、闘争時の壕内での生活の様子を尋ねる質問などのほか、天皇の下での平等を求めるような被差別者側からの声にわれわれはどう対応すべきかなどの質問・意見。戦犯としての天皇批判が徹底して行われず天皇が裁かれなかったことが戦後民主主義の最大の欺瞞性の根底にあり、また天皇制が差別を再生産する根拠ともなっている。労働者階級の主体形成にとって天皇制批判の持つ意味は非常に大きいのではないかなどの意見が、発言者を囲んで出された。諸発言の最後に、7・17闘争の当事者から、「自分のやったことには最後まで責任を持って生きていく」との決意が表明された。
 こうして、三時間にわたる「フォーラム」は終了し、参加者は今後の反天皇闘争の前進を誓い合った。



 

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