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     2・11 山口

   思想と信教の自由を守る
      山口県民集会開く
   

 二月一一日、山口県教育会館において、第五四回思想と信教の自由を守る山口県民集会「政治には夢と愛が必要だ~NHK選挙取材歴三一年から見えたもの~」が開催された。
 今回の講師は大阪日日新聞編集局長、記者、元NHK記者の相澤冬樹さん。「〝紀元節〟に安倍政権・改憲・報道の使命を考える」という演題で講演された。
 相澤さんは森友学園への国有地売却問題の取材、報道に関わった記者であり、文藝春秋社より『安倍官邸VSNHK~森友事件をスクープした私が辞めた理由』を刊行している。例年の集会での講演に比してかなり刺激的な内容となった。
 講演冒頭、自分は右翼、と紹介することから話を始めた。前半は、警察や与党政治家との関係づくりや、籠池氏への取材等、具体的なエピソードを通して、取材を重ねて、情報を検証し、事実を明らかにしていく「記者という仕事」(記者としてのプライド)について語られた。
 中盤では自公政権の強さに関しては、自民党・公明党の組織の強さ(どぶ板選挙を闘える後援会の組織力)を強調。近年では「『変化』への期待」を与党側が独占し、野党は批判ばかりで「変化」への期待を集められていないことを挙げた。民主党政権の教訓として、浮動票を固定票につなげられなかったことを指摘。野党共闘についても共闘することで各党の基礎票を割り込む、必要なのは選挙区の立候補者調整だといった厳しい指摘が続いた。一方で、森友学園への国有地売却の隠蔽を強く批判した。(筆者補足:政治に必要な「夢と愛」について。「変化への期待」が「夢」に当たる。安倍政権に欠けているのは「愛」。安倍政権の見せる「夢」の先には民衆にとって厳しい現実が待っている。)
 後半、憲法改正に関しては、護憲から積極的改憲論に移行しようと提起。守るべきは「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三原則であり、改憲して「三原則は変えてはならない」という規定を作ろう、自衛隊明記反対ではなく、国の交戦権を認めないことをより明確にする中身での改憲を主張しようという提起であった。
 集会宣言では、民主主義の根幹である知る権利を守り、育てるために、政権とマスコミ報道を絶えず監視することを訴えた。報道に対して受け身になるだけでなく、積極的にマスメディアにアクセスし、「知ってよかった報道」には「いいね」のアクセスをすることを呼び掛けた。
 集会後は、山口市内の中心商店街を通るデモ行進を行った。集会参加一五〇名強に比してデモ隊は三〇名弱であったが、リズミカルに行われるシュプレヒコールが商店街のアーケードに響き渡る力強いデモとなった。
 集会会場は満員で百五十部用意した資料が足りないという盛況ぶりであった。遠方からの参加者もあり、森友学園報道で鳴らした講師の経歴に興味を持った人が多かったのではと思われる。講演内容に関しては「野党共闘」批判や「積極的改憲論」の提起等、これまでの同集会講演とは九〇度近く違ったものであり、かなり挑戦的な企画となった。主催者と講師の意見の相違が緊張感を生み、「知る権利」と「報道」という集会テーマにふさわしく、参加者にリテラシーを求める内容の集会となった。


 

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