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   3・12 佐賀

   玄海原発「許可取り消し」と

   「運転差し止め」棄却判決に抗議

 


 佐賀地方裁判所は、三月一二日玄海原発三・四号機の国への「設置許可取り消し」と九州電力への「運転差し止め」をもとめた訴訟で、いずれも棄却する不当判決を出した。地裁前に集まった原告や支援者・運動団体は、福島原発事故を何ら反省しないどころか、事故後作成された原子力規制委員会の「安全基準」すら守らない原発の運転を認めた不当判決に抗議する怒りの声をあげた。
 原告弁護団は、①原発で想定される最大規模の地震の揺れ「基準値振動」の過小評価、②火山巨大噴火の可能性、③配管検査体制の不備、④重大事故対策の不備があるとして、玄海原発の運転差し止めを求めてきた。
 基準値振動の評価について、原子力規制委員会の「地震動審査ガイド」には想定される最大値振動(基準値振動、耐震設計の揺れ)の策定にあたって経験式の数値は平均値を上回る地震規模を想定して「経験式が有するばらつき」を考慮する必要があると定めている。また昨年一二月大阪地裁は関西電力大飯原発の設置許可を取り消した判決で、「ばらつきを考慮して地震規模を上乗せして計算する必要があった」として基準値振動の過小評価そのものを問題視した。ところが佐賀地裁判決では審査ガイドの「ばらつきを考慮する」という一文は、「検討用地震の選定」や「経験式の適用範囲を確認する際の留意点を記載したもの」にすぎないとし、九州電力の基準値振動の評価は妥当としたのだ。
 さらに判決は火山巨大噴火の可能性について、原子力規制庁の「基本的な考え方について」は発生頻度が著しく小さい「リスクは無視できるものとして社会通念上容認される水準であると判断できる」とし、さらに「運用期間中に破局的噴火が発生する可能性があることを具体的かつ合理的に指摘する専門的知見があると認めるに足りる証拠はない」として原子力規制委員会の判断は不合理でないと認定した。
 これらは国や九州電力の主張を受け入れ、原発の危険性や住民の安全性を無視したものだ。想定を上回る地震がおこれば、原発の放射性物質が大量に放出されるような重大事故につながる。また巨大噴火の予測は困難というのが火山学者の常識だ。かつて阿蘇カルデラが破局的噴火したときの火砕流跡は玄海の近くにもある。「発生頻度が小さいリスクは社会通念上無視できる」と切り捨てる判断を許すことはできない。



 


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