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■8・6 広島
 被爆76年 広島青空式典
 日韓同時行動として成功!

 核兵器禁止条約が発効した本年、広島市は被爆者団体や弁護士団体が反対する中、「広島市平和推進基本条例」を成立させた。八月六日の広島には「八月六日は慰霊の日静かに祈ろう」「厳粛かつ静謐な平和記念式典を」というゼッケンを付け、幟を立てた「静かな八月六日を願う広島市民の会」という団体が現れ、反戦・平和を訴える団体を取り囲んでいる。日本第一党の桜井誠も十数人で現れた。新型コロナウイルスのため警官ばかりが目立っていた昨年とは様相が違う騒々しさだ。
 九時すぎ、仲間が少しずつ集まる。「8・6広島青空式典」の横断幕を設置し、テーブルに遺影を飾り、「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」を置く。「戦争と被ばくを許さない写真展」も設置。「黒い雨」のパネルには高裁勝訴判決が決定したことを追加した。外国人の姿も昨年よりは多い。
 一〇時三〇分、8・6広島青空式典は始まった。まず亡くなられた原爆被爆者に思いを馳せ、黙祷した。被爆二世の会からの基調報告では、八月六日広島、九日長崎現地に集まることの意義、「広島市平和推進基本条例」の制定への抗議、国家補償に基づく被爆者・被爆二世(三世)の援護について、日本政府が核兵器禁止条約を批准しないことへの批判、原発再稼働阻止、新設阻止について訴え、最後に日韓同時行動としてこの「青空式典」を実現していることが報告された。
 次に初めての試みとして、韓国の日本大使館の前で同時行動をされているAWC韓国委員会との電話を通じてのメッセージ交換が行われた。ソウルの日本大使館側が新型コロナ対策として二人以上で建物の前にいてはいけないと妨害をしてきたが、韓国の仲間は同時行動を貫徹した。日本側からも原爆ドーム前からメッセージを送った。続いて全国被爆二世団体連絡協議会のメッセージを司会が読み上げた。
 個人・各団体の発言では、まず大阪の被爆二世が「表現の不自由展」を様々な妨害をはねのけ実現したことを報告した。続いて、ギターを片手に飛び入り参加された方が「私の母は被爆者です。あのころ大人達はみな戦争に反対だった。しかし、隣組や特高が怖く、反対の声をあげられなかった。そうしたら原爆が落ちた。だからお前にはどんな状況でも道路に出て反対の声をあげてほしいといわれた」と話し、元米兵のネルソンさんの歌を歌った。他にも山口の被爆二世やAWC日本連、関西の労働者、AWC福岡、連帯労組・やまぐち、やまぐち障害者解放センター、憲法を活かす市民の会・やまぐちの発言があった。
 最後にやまぐち障害者解放センターが閉会の挨拶を行い、関西の労働者による迫力あるリードでシュプレヒコールを行った。通行人も一緒に拳をあげていた。
 集会後、広島市が主催する平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)で菅首相が挨拶文の一部を読み飛ばしたことを知った。事務方ののり付けが原因のようなことを言っているが、要は事前に挨拶文に眼を通していないということだ。菅首相からしたら広島の平和式典での挨拶はその程度のものなのかと悲しくなる。
 しかも広島・長崎の挨拶文は、核兵器禁止条約について一言も触れていない。長崎の挨拶文では、「黒い雨」についてだけでなく「非人道性」という言葉すら消えている。そもそも、どちらの挨拶文にもどこの国が原爆を落としたのかもなく、在外被爆者への言及もない。菅首相は記者会見で核兵器禁止条約に「署名する考えはない」と明言し、締約国会議へのオブザーバー参加についても難色を示している。
 この首相の挨拶を守るために、「静かな八月六日を願う広島市民の会」たちは「広島市平和推進基本条例」をつくらせた。広島市は、反戦・平和を訴える団体に対し、拡声器から一〇メートル地点の音量を八五デシベル以下にするよう求めている。八月六日に反戦・反核・反原発・被爆者解放の声を上げることを封殺する「広島市平和推進基本条例」は撤回すべきだ。
 私たちは原爆を投下したのが米軍であること、被爆したのは日本人だけでなく、強制連行など様々な事情で日本に住まざるを得なかった朝鮮半島出身者などの外国人がいたことを知っている。二〇一三年から始まった日韓同時行動でそのことを日韓の民衆に知らせ、核の傘や安保条約ではなく民衆の連帯で平和を実現するために声をあげ、行動し続けることを誓った。今後もともに闘おう!
 (被爆二世の会 会員)




 


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