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■10・28 東京 鑑定人尋問実現・再審勝利にむけて決意 狭山市民集会開催 二審東京高裁寺尾差別判決から四八年を前に、一〇月二八日午後、日比谷野外音楽堂において「東京高裁は一一人の鑑定人尋問とインク鑑定の実施を! 狭山事件の再審を求める市民集会」が、全国から部落解放同盟、労働組合や労働者・市民が参加し開催された。 開会あいさつを部落解放同盟中央本部の西島委員長が、「いよいよ狭山も最大の正念場を迎えた。八月二五日に裁判所に対して一一名の鑑定人尋問の請求を行った。なんとしても高裁に申請を認めさせなければならない。緊急署名活動は一カ月たらずで、一〇万筆を超える署名が集まった。労働組合、宗教団体からの団体署名も一〇二四団体集まった。ただちにこの署名を裁判所に提出したい。当初の目標通り、年内に二〇万署名を確保して大きな世論を裁判所に届けたい。なんとしてでも事実調べを実現しよう」と訴えた。 各政党あいさつの後、石川一雄さん、早智子さん夫妻がアピールを行った。 石川さんは「いまから四八年前の寺尾不当判決の日を思うとやるせない気持ちであります。時たま、千葉刑務所にいるときの夢を見ます。もし仮に、わたしが犯人にされなかったならどうであったろうということをベッドの中で考えることもあります。五九年前の石川一雄ではありません。今はいろんな事を思い、支援者の方のおかげで、このように元気で闘っています。今日も、全国各地から集まっていただき、本当にありがたく思います。今日も例年のように歌を二首詠んできました」と話した。 「抛棄(ほうき)せず 慰藉(いしゃ)に吾は後押しされ 科学が暴いて 驚天動地」の一首を詠んで、色紙二枚を会場に掲げた。 「生死賭し 堅固豪傑 三次に臨み 司法の正義が 裁いて再審」。 「多くの署名が集まったことに感謝します。昨日も一昨日も現地調査に大勢の人が来ました。勝利するまで、私は倒れません。是非ともこの第三次再審で終結するようがんばりましょう」と訴えた。 早智子さんは「狭山の闘いは大きく動こうとしています。これまでのみなさんの闘いが、狭山を動かしています。事実調べは再審開始に向けた第一歩です。なんとしても事実調べを行わせることが、最重要な課題です。事実調べを求める新しい署名運動が開始されています。今日高裁に提出する署名は一〇万筆を超えています。本当に嬉しく思いました。この二年あまりは、新型コロナの影響で、殆どの集会が中止や延期になる中で、各地で創意工夫された狭山の闘いが取り組まれてきました。狭山のスタンディングや情宣の模様が各地からメールや手紙で寄せられ、とても励まされました。最近は、毎日のようにハガキが寄せられています。マスコミも取り上げるようになっています。みなさんの闘いが、狭山に風を吹かせています。それでも、これからが闘いです。なんとしても裁判所に鑑定人尋問を行わせる。来年こそは、事実調べを実施させ、再審を開始させよう」と訴え、参加者は日比谷野音を揺るがす万雷の拍手で決意を打ち固めた。 続いて、狭山弁護団事務局長中北弁護士からの報告では「一一人の鑑定人は、読み書き能力、筆跡の一致、指紋、足跡、血液型、スコップの問題、目撃証言、音声証言、発見万年筆が被害者の物か否か、殺害方法の自白は信用できるのかどうか、こうした論点について鑑定書を作成した鑑定人の尋問、そして事実調べを行う。有罪判決となった証拠の根拠が、明確に崩れることを鑑定人尋問で明らかにしていく」と、三者協議での弁護団の闘いが明らかにされた。 基調提案を片岡副委員長が「①鑑定人尋問の実施について、石川さん有罪の根拠とされてきた万年筆が警察による証拠捏造を明らかにする万年筆のインク分析を、裁判所による鑑定実験を実施するように請求している。鑑定人の尋問だけでなく、裁判所が鑑定実験をすることによって有罪の証拠とした万年筆が証拠たり得ないことを立証していく。②一〇月二六日までに集まった鑑定人尋問を求める緊急署名が一〇万三〇二一筆集まり、目標を達成した。年末までに更に一〇万人の緊急署名とネット署名及びネット広告に広げて、全国の多くの人に狭山事件の再審、石川さん無罪を訴えていこう」と提起した。 連帯アピールと集会アピールが読み上げられ拍手で確認。最後に集会参加者の狭山再審勝利に向けた決意のもと、団結ガンバローで集会を終了し、東京高裁大野裁判長に事実取調請求書の内容を受諾させるべく高裁包囲デモを貫徹した。 |
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