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 11・18―19 2023岩国行動
  

 11・18

●岩国・労働者反戦交流集会

 今こそ労働者の闘いで戦争への道を打ち砕こう

 一一月一八日岩国福祉会館において「岩国・労働者反戦交流集会」が、全国各地から七〇名を超える労働者が結集して開催された。
 集会はまず、垣沼代表から「今岸田政権は、軍事力増強と増税を行おうとしている。また、ウクライナでの戦争は未だ終わらず、今はガザでイスラエルによる爆撃が行われている。これに対しても岸田政権はアメリカに追随して何ら停戦への努力を行っていない。一方、労働者市民は、全国各地でウクライナに平和をと声をあげ、全港湾は沖縄の港でアメリカの掃海艇の石垣港への入港反対などの取り組みを行った。米軍と自衛隊が一体となった軍事力強化が行われている、ここ岩国の地での労働者反戦の闘いは意義あるものである。集会成功に向けて頑張ろう」という開会の挨拶が行われた。
 続いて、沖縄の闘いと韓国で開かれた集会の様子を、全港湾の陣内さんが映像も交えて報告した。リアルな映像は、闘いの息吹を伝えてくれた。次に「米軍基地に反対する会」の大森さんが東京での闘いを報告した。「米軍横田基地に配属されたオスプレイや戦闘機は横田基地から飛び立ち、岩国基地を経由して沖縄などへ行っている。訓練飛行は年々頻度が増え、飛行差し止めを求める訴訟が地元住民から提訴されている。毎月一日には横田基地前の座り込みも行われている。今基地から排出された泡消火剤の井戸水汚染についても原因と責任を追及する闘いが行われている」という報告だった。
 ユニオン北九州からは「戦争は労働者の生活と権利を奪うものと毎月2の日の築城基地への行動などを行っている。また、外国人技能実習生に対する人権と労働者としての権利を無視した行為に対して、日常的な支援と技能実習制度の廃止に向けた取り組みを行っている」という闘いの報告があった。
 続いて「軍事増強ではなく賃上げのために予算と儲けを回せ」と日本の労働者の賃金とりわけ最低賃金をめぐる問題について、京都ユニオンの方がスライドを使って、闘いに向けた問題提起を行った。
 ケアーワーカーズユニオンからは「ミサイルよりも介護の充実を」と岸田政権がミサイルの爆買いをアメリカと約束していることに対する批判と、日本の介護労働をめぐる問題についての提起があった。「介護労働者は低賃金の中で『やりがい搾取』が行われ疲弊している。軍事費増強のために真っ先に社会保障費が削られようとしている。この状況を変えさせるために、厚労省や財務省へ交渉を行う。また、労働者の闘いに敵対するスラップ訴訟をおこなった事業者への勝利をばねに今後も闘い続けていく」と決意表明がなされた。
 続いて、全日建運輸連帯労組関西生コン支部の方から闘いの報告があった。「関生支部にかけられている当たり前の労働組合運動を犯罪にでっちあげる権力・資本が一体となった攻撃は、労働運動つぶしである。裁判闘争の勝利判決をさらに闘い取っていく。今同じような攻撃が韓国でも行われている。国際連帯の力で跳ね返していこう」という報告とともに決意が語られた。
 こうした発言をまとめる形で「私たちの生活と権利を守る闘いは、戦争反対の闘いと一体だ。労働者は他国の労働者に武器を向けてはならない」との集会基調が集会実行委員会からあった。
 最後に集会呼びかけ人の藤村さんから「今日の集会で学んだこと、感じたことを明日の岩国基地に向けた集会とデモで生かしていこう。今、必要なことは労働者の闘いで戦争への動きにストップをかけることである。これからも共に闘い、力を広げていこう」というまとめの発言があり、集会は明日からの闘いへの結集を誓いあって終わった。



●全国反基地交流会

 沖縄、九州、岩国などから報告 岸田大軍拡に抗する反基地闘争

 岩国行動の二つ目の企画として、反基地交流会が開かれた。今年は、沖縄からの報告、九州各地の自衛隊強化に関する報告、そして地元である岩国現地からの報告が行われた。
 最初に報告した沖縄・辺野古カヌー隊の金治明さんは、最新の辺野古での攻防の動画を紹介し、二〇〇四年から二〇〇五年にかけて辺野古新基地建設の第一次案を撤回させた経験から語り始めた。「そこから二〇年近い辺野古での活動の上に、民意があるのだから沖縄も岩国も負けていない。横のつながりをもっと強く大きくすれば勝てる。埋め立て承認できないとした玉城デニー知事の意志を支え、『代執行』と対決する全国の闘いを作ろう。沖縄の未来は自分たちで決めるが、沖縄だけでは勝てない。一人でも仲間を増やして闘おう」と訴えた。
 九州各地の報告の最初に、大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会の池田さんのビデオメッセージが紹介された。大分陸自分屯地には弾薬庫二棟を新設する計画が進行中だが、周囲三キロに団地、学校、病院・介護施設も多い。配備予定なのは地対艦ミサイル、敵基地攻撃のための長距離ミサイルや弾薬で、住民への説明も不十分なまま工事が強行されようとしていることに強く抗議する。陸自湯布院駐屯地にミサイル連隊の配備の予定であり、築城空自基地と連動し、大分は軍事要塞化されようとしていると訴えた。
 続いてオスプレイ配備計画に伴う新駐屯地建設が始まった佐賀の報告として、地元で闘う地権者の声を発信するYouTube「はっちゃんのオスプレイ反対日記」が上映された。
 佐賀県知事と漁協との間で交わされた「自衛隊との共用は考えない」という覚書があるのに、反対する漁民を無視して七月見切り発車で土砂搬入が強行された。地元での初めてのデモでの古賀さんの発言は私たちが見ても感動的だ。工事差し止めの仮処分申し立てが行われ、年内には本訴も予定されている。佐賀空港の軍事基地化を認めない闘いに連帯したい。
 九州からの報告の最後は、今年二度目の軍事訓練に対する抗議集会で大分日出生台演習場に反対する酪農家の発言のビデオが紹介された。「棺桶に入る時後悔したくない」と日出生台演習場を監視して闘ってきた江藤さんは、「あきらめずに監視していきたい。毎年一度の訓練が二度になり、来年は三度、四度になるかもしれない。この土地を米軍に使わせたくない。機会があれば日出生台に来てほしい」と呼びかけた。
 最後の報告は岩国からだ。まず岩国基地を毎日撮影してきた戸村さんからの報告で、空母艦載機と外来機が入れ替わり訓練する岩国基地の状況が写真を使って報告された。
 続いて、愛宕山を守る会の岡村さんが、各地の闘いの報告を聞いて、二〇〇四年の艦載機移転案の報道から総力を上げた米軍再編反対の闘い、それに続く愛宕山米軍住宅反対闘争が走馬灯のようによみがえったと前置きした。
 現在岩国基地が「中国の脅威」を口実にした日米の軍事演習・軍事展開の米四軍の拠点として強化されていることを地元の視点から報告し、まるで冷戦時代のような軍備拡張競争では人間の知恵としてはあまりに情けないと嘆いた。地元住民の闘いとして第二次岩国爆音訴訟の状況、米兵が盗んだ車両で事故を起こした「原田事件」の報告などを行い、今後も岩国に関心を持ってほしいと呼びかけた。
 これらの報告を受けて質疑が行われた。参加者から山口市内での夏祭りへの銃を抱えた自衛隊の参加問題や、上関中間貯蔵施設建設問題への岩国福田市長の発言などについて質問が出され、報告者や会場参加者との間で意見交換がなされた。
 最後に、韓国と台湾からのゲストが感想を述べた。
 台湾の方は「『戦争準備だけが戦争を抑止できる』と支配者たちは言うが、そう考えない人々が集っていて大変うれしい。日本で戦争準備が進めば、喜ぶのは台湾の極右政権だけ。『一つの中国』原則のもと対話で平和を作っていく」と述べた。
 韓国の方は「ウクライナやパレスチナで戦争が続き、また東アジアで韓米日軍事同盟が進行し核戦争さえ憂慮されるが、日本でこれに負けない運動を作ることが大切。韓・米・日・台湾の民衆の連帯が重要だ」と述べた。
 これらの発言が、反基地交流会のまとめの内容となった。


■11・19
●岩国基地フィールドワーク

 岩国行動二日目となる一一月一九日朝、恒例の岩国基地フィールドワーク(以下、FW)を行った。二三名が参加した。
 はじめに、滑走路が見渡せる、みすみクリーンセンター周辺に移動した。まず、目の前に拡がる広大な滑走路一帯が沖合移設という名の拡張工事によって整備されたことを説明した。駐機場には空母艦載機や海兵隊の航空機を確認することが出来た。
われわれの目の前で、海上自衛隊のUS―2救難飛行艇が飛び立った。救難飛行艇とは、海上での救助作業を目的とし、海上での離着水が可能な機体だ。戦場では、脱出したパイロットや、艦船の乗組員を救助することが想定される。US―2はインドへの輸出が目論まれている。岩国基地は、海上自衛隊の岩国航空基地でもある。台湾危機が喧伝される中、自衛隊の動きも注目しなければならない。
岩国基地には大型艦船が停泊できる港湾施設がある。今回は艦船の停泊は確認出来なかった。今後、タンカーが接岸できるように港湾を改修し、一万バレルの燃料タンク三基を五万バレル三基に置き換えるという計画が発表されている。
 次いで、門前町米軍住宅前に移動した。岩国基地の外には門前町と愛宕山に米軍住宅があるが、フェンス越しに内部を伺うことが出来るのは門前町の米軍住宅だ。二カ所の米軍住宅以外にも米軍関係者向けの賃貸物件があり、多くの米軍関係者が岩国の市街地に暮らしている。
最後に、愛宕山エリアにある、野球場「絆スタジアム」に移動した。沖合拡張工事で使用した土砂を採掘した跡地が愛宕山エリアだ。土砂を採掘した跡を住宅団地として整備する計画であったが、拡張工事終了後、採算がとれぬとして住宅団地整備は中止となった。開発予定地の四分の一に当たる部分に国立病院機構岩国医療センターや防災公園、消防署等が整備された。残りの四分の三が米軍再編関連施設用地として国に売却された。空母艦載機移駐に合わせて整備されたのが、スポーツコンプレックスと呼ばれる運動エリアと愛宕山米軍住宅だ。
短い時間の中で説明出来ることは限られる。「全てが米軍の思惑通りに進んでいる」いう岩国現地からの報告の背景が伝わればと思う。


●岩国国際連帯集会

 台湾、韓国の参加者と共に戦争阻止の共同行動で一致

 一一月一九日、2023岩国行動二日目の行動として、岩国国際連帯集会が岩国市福祉会館において開催された。
 はじめに、主催者あいさつをアジア共同行動日本連事務局がおこなった。一週間前に、韓国でAWC国際幹事会が開催されたことを報告。韓国、日本、台湾、インドネシア、フィリピンから参加がかちとられ、日米韓による中国包囲網に反対する、アジア民衆の共同行動が決議された。イスラエルのガザ侵攻に対する緊急声明、日本の放射能汚染水海洋排出に対する緊急声明が決議された。そして、米大使館、日本大使館に対する抗議行動を取り組んだことを報告した。そして、集会後の岩国基地に対する抗議デモでは、イスラエルのガザ侵攻、アメリカのイスラエル支援に対する糾弾の声をあげようと訴えた。
 つづいて、集会基調を司会が読み上げ、参加者の拍手で確認した。
 次に、台湾と韓国の海外ゲストの発言だ。
 台湾労働人権協会の方は、「日米による『台湾有事』の扇動を糾弾する」と題した内容で発言した。「台湾有事」の扇動に対して、「外国勢力が介入することではない」と断じた。なによりも「台湾と中国が交流と対話を通じて平和を構築する」ということが重要であると強調し、現在の日本とアメリカによる軍事力増強、戦争準備を進めることは「戦争抑止」にならず、戦争への道を突き進んでいる状況であると警鐘を鳴らした。
 AWC韓国委員会の方は、「核兵器も原発も軍事同盟もない世界を」と題した内容で発言した。盈徳郡(ヨンドク)で原子力発電所建設反対を取り組んできた経緯として、福島原発事故の影響で「核の平和利用」はあり得ないと知ったこと。「住民投票で91・7%が原発建設反対に投票し、文在寅政権時に原発建設白紙化が決まりました」と語った。さらに、福島原発の放射能汚染水海洋排出に反対することを明らかにした。そして分断状況が七〇年続いている朝鮮半島情勢については、米日韓の同盟がさらに強化されようとしていることを批判。帝国主義として、富と権力を独占しようとする日米帝国主義、それに同調し同盟国として行動する尹錫悦韓国政府に反対すると発言した。
 つづいて、AWC国際事務局の方が、宮古島の清水さんと沖縄の具志堅さんの九月台湾講演に同行したことを報告した。琉球弧で、自衛隊基地建設、ミサイル配備が進む状況の中で、具志堅さん、清水さんの講演は、台湾で非常に関心が高く、満員だったことなどが報告された。
 上関の使用済み核燃料中間貯蔵施設建設問題の緊急アピールでは、上関の自然を守る会共同代表の高島美登里さんがオンラインで報告を行った。使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画が、町民をおきざりにして、町長の独断で決められていった経緯が明らかにされた。電力会社が地方に押しつけようとする原発、中間貯蔵施設を「交付金」目当てで受け入れようとする町長を徹底批判した。白紙撤回まで闘い続けると決意を語った。
 地元岩国からの報告として、元岩国市議で愛宕山平和研究所の田村順玄さんが発言に立った。米空母レーガンの艦載機部隊が岩国基地に来ていることなど、岩国基地が強化されている現状を明らかにし、「基地との共存はないことを訴え続けていく」と発言した。
 連帯発言では、連帯労組関西生コン支部が労組に対する弾圧に屈せず闘い続ける決意を表明。若狭の原発を考える会は、老朽原発の再稼働を許さない闘いの報告を行った。AWCユースは、入管法改悪反対の取り組みの報告などを行った。
 まとめの発言をAWC日本連共同代表の瀧川順郎さんが行った。瀧川さんは、パレスチナ・ガザでのイスラエル軍による軍事侵攻、破壊と殺戮を弾劾した。その上で、イスラエルを支えるG7各国を徹底弾劾した。「世界で起ち上がる反戦の闘いに繋がる闘いを共に進めていこう」と呼びかけた。最後に岩国のスローガンを読み上げ拍手で確認し、集会を締めくくった。


●屋外集会―岩国基地デモ

 ガザ侵攻弾劾! 米軍基地に肉薄

 一一月一九日一二時三〇分、岩国基地に向けた抗議デモの前段の取り組みとして、岩国市庁舎前公園広場においてミニ集会が開催された。
 天気は快晴で、暖かい日差しのもとでの集会だ。
 はじめに地元からの発言が行われた。
岩国市議会議員で「住民投票を力にする会」代表の松田一志さんは、昨年の一二月の米兵による車の窃盗事件・交通事故について、「米軍犯罪を許さない署名を集めた。一万三千名の署名が集まり、裁判に持ち込むことができた」ことを報告。「ブラックボックスの日米地位協定をこじ開ける運動を続けていく」と発言した。
「ピースリンク広島・呉・岩国」の新田秀樹さんは、「日本が再びアジアにむけて脅威を与えようとしている。岩国基地、呉基地が強化されて出撃拠点になろうとしている。広島を出撃拠点にさせない。自衛隊基地の強化を許さない集会を取り組む。これからも声をあげていく」と発言した。
山口県労連代表の松富豊さんは、「ガザでは、一万二千人の死者が出ている。そのうち五千人が子ども。多数の民間人が死傷している」と批判。「軍拡を進める日本政府、一旦戦争になれば、ウクライナや、パレスチナのような悲惨な状況になるのは明かだ。大軍拡をやめさせ、平和な日本をつくること」を呼びかけた。
原発いらん! 山口ネットワークの三浦さんは、「上関原発問題は一九八二年から取り組んでいる」ことを明らかにし、使用済み核燃料中間貯蔵施設建設計画に対して、「プルトニウムは猛毒の核物質。周辺の市町村も反対の声を挙げている」と反原発を粘り強く取り組んでいく決意を明らかにした。
 続いて各地からの発言が行われた。首都圏からは、米軍基地に反対する実行委員会が発言。米軍横田基地、神奈川の米軍基地に対し、多くの労働者が米軍基地撤去を訴え続けいることを報告した。
関西からは、AWCユースが発言した。「毎年岩国に、二〇代から四〇代の労働者・学生が参加している。イスラエルのパレスチナ侵攻に抗議するデモを取り組んだ」ことを報告した。
 福山からは、技能実習生の問題、狭山差別裁判糾弾の闘い。パレスチナ連帯の闘いを地域で取り組んでいることを報告した。
 九州からは、ユニオン北九州の組合員が、琉球弧の自衛隊基地、戦場化阻止の闘いの取り組みを報告した。
 大分からは、築城、日出生台の軍事訓練反対の取り組みが報告された。
集会の最後に、「守ろう愛宕山」の歌を参加者全員で斉唱し、デモ行進に出発した。
 岩国市内を反戦・反基地を訴え意気高くデモ行進。岩国基地正門にさしかかると英語のシュプレヒコールを交えながら、反戦・反基地、そして、イスラエルのガザ侵攻弾劾の声をあげた。
 車町第一街区公園までのデモ行進を貫徹。集約集会において、パレスチナ侵攻が行われている最中、米軍基地抗議の反戦行動を闘い抜いた意義を確認し、シュプレヒコールで、2023岩国行動を締めくくった。

 


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