共産主義者同盟(統一委員会)







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 ■12・18 千葉
 

 市東さんの南台農地を守ろう!

 耕作権裁判闘争&千葉地裁デモ




千葉地裁デモ

 一二月一八日午後、耕作権裁判に先立って、三里塚芝山連合空港反対同盟呼びかけの集会と千葉地裁包囲デモが取り組まれた。
 正午過ぎから、千葉市中央公園で集会が持たれた。
 はじめに、反対同盟事務局の萩原富夫さんが、この日の闘いの基調提起を行った。その趣旨は第一に、岸田政権の大軍拡攻撃の中で、成田空港の軍事利用が現実の問題となってきていることだ。沖縄の軍事要塞化の現状にも触れつつ、今後も軍事空港反対をかかげて三里塚は闘うという決意を明らかにした。第二に、耕作権裁判の現段階だ。前回から人証調べに入ったが、証人採用されていた旧成田空港公団職員の法理哲二が、正当な理由なく出廷を拒否したことだ。そして裏で出廷拒否を仕組んだであろう現空港会社を徹底弾劾した。第三に、空港機能強化工事が開始されているが、地元の住民にとっては、空港から出る大量の排水により川の氾濫を引き起こし、さらには飛行制限時間の短縮による騒音被害を拡大する迷惑施設だと批判した。そして地域住民と共にこれからも空港に反対していく決意を明らかにした。
 その後、動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が、それぞれの取り組みの報告と、この日の闘いの決意を語った。
 最後に「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「南台の畑を守り抜くぞ!」「耕作権裁判闘争に勝利するぞ!」と全体のシュプレヒコールで気勢を上げたのち、千葉地裁へ向けてデモを行った。
 デモ終了後、参加者は傍聴闘争のため千葉地裁に向かった。

耕作権裁判

 一二月一八日、千葉地方裁判所で耕作権裁判の口頭弁論が開かれた。
 一三時四五分、被告である反対同盟弁護団が申請した証人、吉田邦彦・北海道大学法学研究科特任教授が証言し、原告である空港会社の主張を批判した。
 日本居住福祉学会に所属する吉田教授は、昨日まで滞在したブラジルの水俣病問題の調査から切り出し、現場主義に基づいたこれまでの研究内容――阪神淡路大震災と新潟大地震の被災地(住居支援)、ウトロ(居住差別)、野宿者、諫早湾の漁業権など――を紹介した。続いて、空港会社が市東さんの南台の土地を強奪しようとする策動を徹底的に批判した。その要点は二つだ。一つは、一九七〇年に農林省(農林水産省の前身)が、農地法を土地収用法の代替物にすることを禁ずる通達を出しており、したがって、市東さんの農地を強奪する法的根拠として農地法を使った草野裁判長の不当判決はこの通達に反するものであるから法的に無効だ、ということだ。もう一つは、賃借権の時効取得論によるもので、空港会社が今強奪を狙っている南台の畑は――A・B・C・Dと便宜上分類され、それぞれの歴史経緯も異なって複雑だが――総体として、市東さんが地代を払い続けて耕作しており、所有権の変更などがあった後も地主からの異議がないので、短くて一〇年、長くても二〇年が経過した過去の時点で、全ての畑において時効取得が成立し、市東さんの正当で合法的な所有物だ、というものだ。
 その上で同教授は、ブラジルやペルーの土地利用の事例を上げながら、①時効取得の論理からして市東さんの権利は守られるべきで、空港会社の立ち退きの主張は無理筋だ、②農地法によって農地が荒らされ、農作物が踏みにじられるのはとんでもないことだと証言した。
 市東さんも証人への質問で、「農家は、返した土地でも、草を取り、耕すことがある。空港会社が市東さんには所有権がないと主張している畑についても、自分が耕すことについて地主の藤崎は何も言わなかった。だからそのまま工作を続けた。これは農家にとってはよくあることだ」と述べた。
 その後、空港会社側弁護人二人が反論としての質問を試みたが、「つまらないことしか言えず」「だらしなかった」(報告集会での市東さんの発言)。法律家としての水準が証人と雲泥であることを自己暴露する始末だった。
 裁判は来年も続く。これからも、「空港会社にぎゃふんと言わせるような闘い」(同上)をして行こう。沢山の傍聴を最後に訴える。

 


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