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■8・25 京都 祝園弾薬庫問題を考える 夏の大学習会・パレード 550名の大結集 京都府南部(精華町、京田辺市)にある陸上自衛隊祝園分屯地では、今年度、一〇二億円の予算を付けてミサイル弾薬庫八棟を増設するなどの大増強計画が進められている。防衛省は、海上自衛隊との協同運用計画も明らかにしており、トマホークなどの長距離ミサイル保管用の増設計画であることは明らかだ。これは、岸田政権が打ち出した「敵基地攻撃能力」の保持、「継戦能力」の向上の具体化にほかならない。 一方で防衛省は地元住民に対しては説明会すら行っていない。「(現在の)貯蔵能力以上は弾薬を貯蔵しない。増加する場合は事前に町側と協議する」という防衛庁(当時)と精華町との「確認書」を無視して計画を強行しようとしている。 祝園分屯地は京都市や奈良県、大阪府ともきわめて近い場所にあり、今年三月に地元や周辺の住民が中心となって「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク(ほうそのネット)」が結成された。 八月二五日、精華町内でほうそのネットが主催して「祝園弾薬庫問題を考える 夏の大学習会」が開催され、約五五〇人が近畿各地から参加した。 学習会では、元航空自衛官・軍事評論家の小西誠さんが「元自衛官が見る日本の安全保障」と題して講演した。小西さんは、「弾薬庫は最大の攻撃目標になるにもかかわらず、大分(敷戸)などでは開かれた住民説明会もここでは開かれていない。防衛省は住民の反対運動を恐れている」、「安保三文書の目的は『台湾有事』を含む対中国戦争のための本格的ミサイル戦争の発動態勢にある」「その重点は長射程ミサイルの開発・配備と量産化、沖縄・南西諸島に投入する陸自兵力の大増強、戦争を遂行するための継戦能力・抗堪化など」と指摘したうえで「日本政府は『台湾有事』を煽るのではなく、平和外交を行え」「沖縄・うるま市では自衛隊の訓練場整備計画を撤回させた。住民が闘えば勝利できる。今ならまだ戦争は止められる」と講演を結んだ。 次にほうそのネット運営委員会から、現在の課題の一つである署名活動についての報告があった。防衛省は先に見た確認書について一方的に「契約的意味合いを持つものではない」と勝手に決め、住民説明会すら開催しようとしていない。こうした住民無視の姿勢に対し、不安と怒りが沸き起こっている。少なくとも説明会を開催させることが必要だという署名は、集会当日時点で五〇〇〇筆を超えている。引き続き署名活動を展開し、一万筆をめざそうというものだった。 続いて、各地での取り組みなどが報告され、大学習会は終了した。 その後、精華町役場前から駅周辺を歩く「ピースパレード」が行われ、弾薬庫増設の危険性や、説明会開催の必要性をアピールした。 ほうそのネットが主催する「大学習会」は五月に続いて二回目となる。参加者は二倍近くに増え、さらにパレード(デモ)も行われるなど、運動は着実に広がり、前進している。 自・公-岸田政権の進める大軍拡路線を阻止する闘いを、全国の反基地闘争と連帯してすすめていこう。 |
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