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■11・1 東京 つぎは狭山だ! 東京高裁は事実調べ・再審開始を! 狭山事件の再審を求める市民集会 一一月一日、日比谷野外音楽堂において「袴田さん再審無罪勝利! つぎは狭山だ! 東京高裁は事実調べ・再審開始を! 狭山事件の再審を求める市民集会」が同集会実行委員会の主催で開催された。 部落大衆をはじめ、労働者・市民が続々と結集してくる。会場は熱気で充満した。 一三時、司会の挨拶に続き、開会あいさつに西島藤彦部落解放同盟中央本部委員長が立った。西島さんは、「袴田さんは再審無罪を勝ちとりました。いよいよ次は狭山です」と発言。有罪の物的証拠とされている万年筆が、被害者の使っていた万年筆ではないことが、弁護側鑑定で明らかになっている。万年筆のインク鑑定など新証拠をもとに東京高裁による事実調べ・鑑定人尋問の実施を実現し、再審を実現しよう訴えた。あわせて、袴田さんの再審が開始されるまでに一〇年かかってしまったことを厳しく批判し、再審法改正を実現すべきことも訴えた。 各政党の国会議員の挨拶が行われた。 つづいて、石川一雄さん、早智子さん夫妻が登壇すると、会場から歓声と拍手が沸き起こった。石川一雄さは、「今日は、来るときに、二回、三回転んでしまいました。それだけ足は弱ってきていますが、上半身はしっかりしています。えん罪が晴れるまでは、私は自分の信念は曲げずに闘っていきます」と不屈の決意を語った。そして、袴田巌さんの無罪判決について「いわちゃんの判決を聞き、涙してしまいました」。警察の捏造に言及した「判決はなによりも私たちを勇気づけてくれました」と、心からの喜びと狭山再審に向けた確信と決意を語り、無罪を勝ち取るためにさらなる支援を訴えた。 早智子さんは、徳島新聞、毎日新聞、埼玉新聞と、最近はマスコミが狭山事件を大きく取り扱ってきていると語り、狭山再審に向けた大きな世論をつくりあげていくことを呼びかけた。 狭山再審弁護団として竹下事務局長が発言した。三者協議の現状として、今後二、三カ月が重要な時期となっている。万年筆のインク鑑定など新証拠について、鑑定人尋問、裁判所による鑑定の実施の判断が重要になっている。再審開始に向けて奮闘していく決意を明らかにした。 基調提案を片岡明幸解放同盟副委員長が行った。①全国統一行動を九月二六日から今日まで約一カ月、集会、デモ、情宣と各地で取り組んできた。この闘いをさらに来春へ向けて継続していく。②再審法改正をかちとる。③万年筆のインク鑑定など裁判所による新証拠の鑑定人尋問、鑑定の実施を勝ち取る。④狭山再審を広く訴え世論形成をしていくことなど四点にわたって基調提案し、参加者全員の拍手で確認された。 連帯アピールでは、袴田裁判を闘ってきた袴田巌さんの姉の秀子さんが登壇。「事件から五八年後に再審無罪が確定しました。皆さんの応援で、無罪を勝ち取ることができました」と歓びの報告を行った。そして、「巌だけではなく、えん罪で苦しんでいる人は多いと思います。再審法を変え、えん罪を晴らす。今度は石川さんの番です。石川さんのご支援をよろしく」と力強い連帯発言を行った。 狭山事件の再審を求める市民の会事務局長の鎌田慧さんが市民の会アピールを行った。鎌田さんは「袴田さんの無罪判決に、検察庁は全く反省の弁も無い」と前近代的な検察の組織体制を徹底批判した。そして「袴田事件の再審無罪は、上げ潮です。次は狭山。無実でえん罪だ」と狭山再審無罪へ向けた決意を明らかにした。 「石川さんの見えない手錠をはずすまで、全力で取り組もう」という集会アピールを拍手で確認した。閉会挨拶を部落解放同盟中央本部書記長の赤井隆史さんが行い、最後に団結ガンバローで集会が締めくくられた。 そして霞が関を一周するデモ行進で、狭山再審を訴え、明日からの再審開始に向けた地域・職場・街頭でのさまざまな運動を展開する決意をうち固めて闘争を終えた。 |
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