共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

     7月28日 山口

   上関原発-自然の権利・公有水面埋め立て訴訟
     
     裁判官が直接訪問し現地進行協議行われる


 

 七月二十八日、上関自然の権利訴訟と祝島漁業者が求めた田ノ浦(山口県上関町)の公有水面埋め立て免許取り消し訴訟の現地進行協議が行われた。裁判官が直接祝島と田ノ浦に降りたつのだ。祝島では災害時の避難が容易でない島内の状況を確認し、島民の話を聞いてもらい、中国電力が上関原発建設を目論む田ノ浦では海と陸から自然の豊かさを知ってもらう予定だ。
 この日、私たちはまず朝十時に上関町総合文化センターに集まり、「上関の貴重な自然について」という京都大学加藤真先生の講演を聞いた。加藤先生は、いかに上関の自然が貴重であるかを語られた。特に田ノ浦や祝島に残る自然とそこに暮らす人々の営みを守ることの大切さを学んだ。講演の後、参加者は車に分乗し、田ノ浦の自然観察会に向かった。田ノ浦に続く道は細く、車は離合できない。車を停める場所も限られるので、ピストンで参加者を連れて行く。途中からは車は入れないので、山の中を歩いて田ノ浦の浜に向かった。天候も良く気持ちが良い。田ノ浦の浜では、タイドプール(潮溜まり)のある岩の多い所、真ん中の砂浜、ダイノコシという礫の多い岩場の三ヶ所に別れて自然観察を始めた。潮が満ちてきており、思ったようにタイドプールはできなかったが、稚貝やカメノテ、カニ、たくさんの藻と出会った。海の水は澄んでおり、海の中がよく見えて綺麗だ。参加者の中には、泳ぐ人もいた。ダイノコシの岩場では、加藤先生がミミズハゼを探している。ほんの一時間位の間に、茶色い七~八センチのミミズハゼが見つかり、もう少しで裁判官にも見てもらえる所だったのに、すばしっこい魚ゆえ、逃げられてしまった。
 午後一時過ぎ、海から裁判官が乗った船が近寄って来た。浜辺では、「ようこそ田ノ浦へ! 生き物たちの声に耳を傾けてください」という横断幕が掲げられた。そして、タイドプールのある岩場ではヤシマイシン近似種やカサシャミセンの大きな写真を、ダイノコシの岩場ではアカテガニやミミズハゼやナメクジウオの大きな写真を掲げ、ここにいるよとアピールした。
 午後三時過ぎ、今度は陸路より裁判官がやってきた。裁判官は原発建設を目論む中国電力の敷地を通って田ノ浦の浜に降りた。そして、ダイノコシの岩場近くまで来て上関の自然を守る会の高島代表や加藤先生の話しをしっかりと聞いていた。田ノ浦の浜から四キロメートル先にある祝島を裁判官も見ただろう。何も感じていないはずがない。
 現地進行協議が終わった後、弁護士より報告を受けた。祝島での島民の歓迎も含めて現地進行協議は成功裏に進められた事が報告された。高島代表も、大きな手応えを感じたと報告された。最後に記念写真を撮ってこの日の行動を終えた。
 八月三日、村岡山口県知事は突然、中国電力の七度目の補足説明に応じて田ノ浦の公有水面埋め立て免許延長の許可を下し、その期限をあろうことか二〇一九年七月六日までとした。私たちは、断じてこれを許さない!
 今も、祝島の漁師は田ノ浦の海で漁をしている。カンムリウミスズメやスギモク、スナメリなど多くの希少生物が原発予定地とその周りで暮らしている。断固として、この豊かな奇跡の海~上関を守り抜こう!


 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.