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     10月9日 三里塚

    現地全国集会に720結集

  
     農地死守、第三滑走路粉砕打ち出す
     

 

 十月九日、「最高裁による強制収用を許すな! 第三滑走路粉砕! 安倍政権打倒! 10・9三里塚全国総決起集会」が三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で開催された。
 朝から雨が降る天気だったが、全国から七百二十人の労働者人民が結集した。集会場は、反対同盟萩原さんの所有する「清水の畑」だ。朝からの雨で畑はぬかるんでいたが、畑の一角をブルーシートでおおい、集会がかちとられた。

 二期阻止全国共闘、前段独自集会かちとる

 「市東さんの農地を守り抜くぞ」「第三滑走路計画粉砕」「安倍政権を打倒するぞ」。午前十一時過ぎ、統一委員会、二期阻止全国共闘による前段独自集会が開始された。
 はじめに日本反帝戦線の同志から基調が提起された。そして、日本反帝戦線三里塚現闘団、関西、首都圏労共闘、学生、統一委員会行動隊それぞれからたたかいの報告と決意表明がなされた。そして、独自集会の最後に、全体でシュプレヒコールをあげて本集会にのぞんだ。

 基調報告、「体をはって農地を守る」

 雨がやんできた正午すぎ、本集会が司会の伊藤信晴さんのあいさつで開始された。
 つづいて、療養中の北原鉱治事務局長から寄せられたメッセージが代読された。「さきごろ、第三滑走路計画や、B滑走路の千メートル延長、そして夜間の飛行時間をさらに延長する計画が国や空港会社から出された。とんでもない話です。いったい、政府や、空港会社はこの五十年を反省しているのか。五十年前と同じ過ちを繰り返そうというのか。これはいまある空港を二倍に拡大しようとするものです。こんな途方もないことを許していいのか」と北原事務局長は国と空港会社による第三滑走路計画を徹底弾劾した。そして「さらに市東さんの農地を守り抜くたたかいも正念場です。反対同盟は五十年間空港絶対反対でたたかってきました。この五十年のたたかいの地平で市東さんの農地を守り抜こう」と結んだ。この力強いメッセージを集会参加者全員の万雷の拍手で確認した。
 つぎに、反対同盟事務局からの基調報告を萩原富夫さんが読み上げた。基調報告では、第一に、このかんのたたかいが市東さんの農地死守の決戦として勝利してきたことを明らかにした。一つは農地法裁判である。昨年八月十日の上告以来一年二カ月が経過し、最高裁の判決が切迫している。三度の署名提出行動と9・7最高裁デモをたたかった。提出した署名数は総計二万五百三十九筆にのぼり、上告棄却を許さない大きな力になっている。二つに、7・3三里塚五十周年東京集会が六百三十名の結集で大成功した。
 三つは、第三滑走路建設とのたたかい。九月二十七日、国と空港会社、千葉県、地元九市町による「四者協議会」が開かれ、芝山町の菱田・大里地区などに三千五百メートルの滑走路と旅客ターミナル、貨物施設などを建設し、新たな空港敷地を千ヘクタールも拡大するというとんでもない計画を発表した。この規模は空港をもう一つ造るに等しいもの。これによって少なくとも約二百戸が移転、新たに約二千世帯が騒音下に入ると言われている。空港にとっても、住民にとっても、最大の問題は発着時間の三時間拡大。つまり夜間飛行制限を午前一時から五時に縮小するというもの。これは単なる制限の緩和ではなく、実質的に二十四時間空港化に他ならない。
 反対同盟は、構想が明らかになった三年前から毎月、周辺地域で全戸ビラまきの宣伝活動を続け、第三滑走路をはじめ空港機能強化策に反対してきた。
 第二に、安倍政権とのたたかいである。
 安倍政権は七月の参院選後、ただちに沖縄・高江に機動隊五百名を派遣し、反対する住民・市民を暴力的に排除し米軍ヘリパッド建設を強行している。辺野古違法確認訴訟では九月十六日、あの多見谷裁判長が国側の主張を代弁し、国側勝訴の判決を出した。
 反原発運動に対しては、経産省前テントの強制撤去が強行された。
 福島では、子供たちの甲状腺癌ないし疑いが百七十五人にのぼり、百三十六人が甲状腺摘出手術を受けているという深刻な事態にもかかわらず、被曝の影響を隠すために県は検査の縮小・打ち切りへと動いている。
 国会では、TPP承認案・関連法案が審議されようとしている。問題はコメなどの農産物だけではない。医療や公共事業などにも影響が及ぶ。TPP批准を阻止しよう。南スーダンPKOでの自衛隊の武力行使に反対し、戦争法を廃止させよう。あらゆる場面で国策を強制してくる安倍政権を何としても打倒しよう。
 第三に、空港反対闘争の意義について。成田空港建設とは、農業破壊と引き換えに資本が生き延びようとする経済至上主義の国策であり、軍事転用をにらむ戦争準備でもあります。それとは逆に、私たちの有機農業は生きた土を作ることから始まり、あらゆる命と共生する農業です。その土と農地を破壊する開発や原発、軍事基地建設、戦争とは相いれません。農民には体をはって農地を守る理由があるのです。
 三里塚はこれからも農地を守り第三滑走路粉砕・軍事空港阻止を貫きます。「農地は命」を合い言葉に市東さんの署名を訴え、新たな出会いと支援・共闘を求めて幅広く運動を進めて行きます、と萩原さんは呼びかけた。そして、10・17耕作権裁判・千葉地裁包囲デモ、1・9新年旗開き、3・26全国総決起集会の闘争日程が明らかにされ、基調報告は全体の拍手で確認された。
 連帯あいさつでは、動労千葉、関西実行委、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部が発言した。

 市東さん「ここに残り闘い続けます」

 市東孝雄さんが壇上にあがり、決意を明らかにした。市東さんは、「最高裁五万人署名、三回目の提出をこのあいだ行いました。本当にありがとうございました。最高裁判決はいつ出るかわからないという風に言われています。しかし、わたしは、どんな判決が出ようとも、ここに残りたたかい続けます。その時には、ここにいる皆さんも一緒になってたたかっていただきたい。それをお願いしたいと思います」と「農地死守」のたたかう決意を明らかにした。そして次のように発言を続けた。第三滑走路問題ということが打ち出されています。空港拡張によって雇用も増えるし、町全体がうるおうと宣伝しているのは空港利権に群がっている政治家やブローカー、あとは商工会です。そういう連中はその利権に群がるために集まっている。そこには地域住民の生活、騒音被害のことなど一切ありません。
 これからもわたしたちは地域住民に色んな意味で、空港会社が話さないようなことを、こういうことがあるんだということを知らしめ、たたかっていきたいと思います。自分の生き方を貫くということで、みなさんとともにたたかっていきます。
 労働組合、そして市民運動、そして何よりも国策とたたかう沖縄、福島、そして三里塚。一つのたたかいとして、これからもたたかい続けますと力強く発言した。
 反対同盟顧問弁護団からは、葉山弁護士、一ノ瀬弁護士、遠藤弁護士が登壇し発言。
 つづいて、市東さんの農地取り上げに反対する会、全国農民会議が発言し、福島からの訴えがおこなわれた。
 沖縄からの訴えでは、市東さんの農地を守る沖縄の会の金城実さんと金治明さんが登壇。金城さんが沖縄のたたかいと三里塚のたたかいを結んでたたかおうとを訴えた。
 経産省前テントからは、メッセージが届いており、代読された。
 カンパアピールを婦人行動隊の木内敦子さんが行い、司会を宮本麻子さんに交代し、集会の後半に移った。
 住民・市民団体の発言がおこなわれた。
 共闘団体の発言で、壇上に立った統一委員会の同志は、①市東さんの農地を守り抜く。第三滑走路と二十四時間空港化に対するたたかいの決意を表明し、また②11・6新宿デモ、Xバンドレーダーに対する京丹後闘争、高江・辺野古の基地建設阻止の攻防、十二月岩国闘争への決起と今秋期闘争の方針を明らかにした。
 集会の最後に、集会宣言の読み上げと、スローガン採択を太郎良さんがおこない、団結ガンバローで集会はしめくくられた。
 いよいよデモ行進だ。
 デモは集会場から、東峰地区に入り、市東さん宅前を通って、小見川県道を横断し、南台の畑までのコースだ。二期阻止全国共闘と統一委員会の部隊は、「市東さんの農地強奪阻止」「第三滑走路・二十四時間空港化阻止」を訴えデモ行進を貫徹した。

 

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