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     12月10・11日 山口

   2016岩国行動大成功

    
岩国基地大強化許さず各地の反戦反基地運動と繋がる
     

  
 ■岩国☆希望の祭

 発言、映像、演武のコラボで
 岩国の闘いへの思いあふれる



 今年三度目となる「岩国☆希望の祭―風人の祭―」は、「よさこいにっぽん夢幻」の華々しいパフォーマンスで幕を開けた。
 「岩国・日本・世界の平和のために」小さな子どもから二十代の若者までが一体となった魅せる演武で、会場は大いに盛り上がった。続いて岩国☆希望の祭実行委員会より、「岩国で起きていること」と題した映像アピール。強化される岩国基地の現状が可愛いイラストともに分かりやすくまとめられ、「愛宕山から見る風景が大きく変わっても、私たちはあきらめない。いつか基地をなくして、人が暮らし憩う平和な街と山を、ここに取り戻すために。米軍基地のない平和な世の中を望む全世界の人々とともに、岩国から平和の希望を発信していこう」と呼びかけた。
 続いてシンガーソングロイヤーのキャッチフレーズで活動をしているアーティストが登壇し、朴訥な人柄の伝わるMCと、「岩国に新基地を作ると言うピエロのような政治家」と時勢を批判する反戦歌で、会場を盛り上げた。続いて沖縄からの訴えでは、カヌー隊のメンバーが駆けつけ、沖縄の現状を報告。全国からの応援が重要であると力強く話し、「いつでもカヌーを教えます」と結んだ。更に愛宕山を守る会が登壇し、「来年艦載機・ステルスが来る。爆音・事件・事故が不安。思いの持っていき場がない。しかし各地の熱い闘争に負けられないと思う。沖縄・関西の力を借りながら頑張りたい」とアピールし、「守ろう愛宕山」を唱和した。
 休憩をはさんで韓国から労働党スポークスパーソンが、現在韓国で起こっていることを「市民革命」であると話し、本質的な問題は財閥と結びついた政治体制であり、社会を根底から変えるたたかいが必要であると話した。
 更に滞日フィリピン人団体のミグランテ・ジャパンも「子どもたちの未来のためにも基地をなくそう」とアピールした。最後は、実行委員長をつとめる南ぬ風人まーちゃんうーぽー率いるまーちゃんバンドと風人ブドゥリ太鼓が登壇。会場と一体となって踊り歌う「パパイヤ」では会場が大いに盛り上がり、数々の楽曲を平和な世界への願いを込めて力強く歌い上げた。



 ■国際連帯集会

 基地抱える各地と海外からの報告を受け
 集会宣言を採択



 十七時から岩国国際連帯集会が、アジア共同行動日本連と16岩国・労働者反戦交流集会実の共催で開催された。司会者は、反動の時代の中で年一回岩国に集まり思いを重ねてたたかいの進路を見出そうと呼びかけて開会を宣言した。集会冒頭、日本連共同代表が十一回目となる岩国集会の趣旨を、アジアからの米軍基地総撤収、さらに米軍と共に侵略軍隊として海外派兵される自衛隊とのたたかいとして提起した。あわせて昨年岩国集会での精神障害者差別発言についての総括的提起と安倍政権下で一層強められる精神障害者排除とたたかうことの呼びかけが行われ拍手で確認された。
 これらの主催者側提起を受けて、基地を抱える各地からの報告に入る。まず岩国現地から田村順玄市議が岩国基地強化の現状を報告。関係自治体がF35B海外初配備「容認」に合意した直後に米国でのF35B重大事故の報告が入り一転受け入れ「留保」となった経緯、十二月七日に岩国基地所属のFA18ホーネットが訓練エリアの高知沖に墜落するなど相次ぐ事故、また二〇一七年米軍再編完成をスムーズに行うため岩国市予算に匹敵する基地関連予算がつぎ込まれ、米軍が「テロ対策」と称して岩国市人口の十分の一を占める米軍関係者の住所の登録を拒否し愛宕山の自然破壊を強行していることが生々しく報告され、今後も岩国基地反対のたたかいを参加者と共有していくと締め括られた。
 次に沖縄ヘリ基地反対協の安次富共同代表が報告に立ち、今年二十年になる辺野古、そして高江のたたかいが報告された。前の参議院選挙で現職大臣を落選させた翌日から全国の機動隊を動員して高江オスプレイパッド建設が強行されたことは琉球処分と同じだ、大阪府警機動隊による差別発言、山城議長の長期拘束、与那国・石垣・宮古への自衛隊配備―基地建設、北部訓練場返還は新たな訓練区域と引き換えであり、沖縄のたたかいの帰趨はヤマトの人々のそれぞれの地元のたたかいにかかっていると訴えた。
 京丹後からは米軍基地建設を憂う宇川有志の会の永井事務局長が、経ヶ岬基地が拡張され隣接する自衛隊基地も大きく拡張され、米軍関係者の交通事故も増え続けていること。また福知山での米軍属の実弾射撃訓練問題などについて報告した。
 さらに原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議の檜鼻さんの報告、全国一般東京労組の大森さんからはアジアから米軍基地を撤去せよ! という要求への共感が表明され、一七年度からオスプレイ配備となる横田基地反対運動の報告が行われた。
 集会後半は海外からの報告だ。韓国労働党のメンバーが連日ロウソク集会でたたかうサード配備反対闘争を生き生きと報告して日本各地の反基地運動から学ぶと決意表明した。AWC韓国委員会からは、朴槿恵退陣市民抗争で現在百万人を超える規模の民衆が街頭に出てたたかっており、このたたかいは単に政権退陣に留まらず資本主義―財閥と政界の癒着を自覚し、「広場民主主義」を通じて社会の根底的変革へ向かうだろうと報告して私たちのたたかいを激励した。
 つづいてミグランテ日本支部は「国際連帯万歳! 団結した民衆は決して負けない!」というシュプレヒコールで始まる報告で、フィリピンでの米軍基地撤去闘争の経験を紹介し、我々のたたかいには正義があり広範なたたかいを作れば日本でも必ず勝利できると主張。同時に米軍を呼び戻した訪問軍協定や防衛協力強化協定、日本との防衛安保協定が現在の重要な闘争対象であると強調して帝国主義との共同の反撃を組織しようと訴えた。
 最後に参加者全員で集会宣言を採択し岩国国際連帯集会を締めくくった。



 ■現地見学

 東アジア最大の米海兵隊基地への変貌に驚きと怒りの声



 十二月十一日、早朝より岩国基地と米軍住宅建設のすすむ愛宕山地区での現地見学会が行われた。現地見学には初参加者を含む三十人以上が参加した。はじめに、基地の機能強化がすすむ基地北側の滑走路フェンスぎわでの説明が行われた。岩国基地ではすでに厚木基地からの空母艦載機移駐のための各軍事施設はほぼ完成しており、いまは米軍人とその家族が生活するコミュニティー地区の建設が急ピッチで進められている。
 この日は、快晴に恵まれ戦闘機用のシェルターや格納庫、コミュニティー地区ですすむ住宅などの建設状況がはっきりと確認することができた。これら施設のすべてが日本の予算で建設がすすめられ、すでに五千億円以上の費用がこの岩国に投入されており、東アジアで最大の米海兵隊基地へと変貌しつつあることに対する驚きと怒りの声が参加者からつぎつぎ発せられた。
 基地での見学をあとにして続いて米軍住宅建設がすすむ愛宕山へと向かった。この日は、毎月一のつく日に行われている「愛宕山見守りのつどい」が開催される日だ。つどい開催を前に愛宕山住民の方からこの地区ですすむ米軍住宅建設についての説明を聞くことができた。折しも岩国基地所属のFA18戦闘機が七日に高知沖で墜落し、パイロットが死亡すという事故が起きていた。
 説明会では冒頭、このような事故が起きたことに対する憤りと空母艦載機が移駐することにより今まで以上に、こうした危険がますます増え住民の生活と命を脅かしていくことに怒りとともに来年一月から行われようとしているF35B配備にむけて徹底してたたかっていく決意が表明された。
 愛宕山地区では、一棟一億円といわれる上級将校などのための住宅が姿を現しはじめていた。説明会を終えた参加者は、つづく「見守りのつどい」へと合流し、岩国住民との交流と空母艦載機移駐阻止にむけた決意をかため、この日の現地見学会を終えた。



 ■岩国・労働者反戦交流集会

 大転換の時代をどう闘うか
 労働者・労働組合が交流



 二〇一六年十二月十一日朝、岩国・労働者反戦交流集会(以下、労働者集会と略)が岩国福祉会館で行われた。二年ぶりの労働者集会の開催である。
 二〇一六年は、労働者実結成十年の節目である。また、二〇一七年米軍再編完成をめぐる攻防の激化、戦争法の成立・施行、南スーダンでの駆け付け警護開始、緊急事態条項が日程にのぼるなど、大きな時代的転換が進んできた。この時代をどうたたかうか、テーマを明確にして準備された集会であった。前日には懇親会をおこない、全国から結集した労働者・労働組合が交流した。
 労働者集会は、垣沼代表(おおさかユニオンネットワーク)の集会テーマの提起から始まった。ヘリ基地反対協の安次富浩さんが、沖縄からの力強いアピールを行った。安倍政権が何を強行しようとも、そこから次のたたかいが始まると。映像化した基調に続き、各地区から、反戦反基地の取り組みや沖縄・岩国連帯のたたかいの報告が行われた。首都圏からは、東京全労協を軸に横田実行委を形成し、各地域のたたかいをどうつないでいくか、という活動を積み重ねてきたことが報告された。関西からは、全港湾大阪支部、全日建連帯労組が、昨年の戦争法をめぐって時限ストでもってたたかったことが報告された。ケアワーカーズユニオンが、福祉切り捨て・弱者切り捨てとたたかう総がかり行動を引き起こしてきたことを報告。また高江ヘリパッド反対闘争や京都Xバンドレーダー米軍基地反対を担ってきた労働者の報告も行われた。九州からは、北九州ユニオンや福岡一般労組が、争議分会とともに参加した。ナショナルセンターを超えたたたかいを切り拓いている九州からは、共同を深め、労働運動の再編を推進しようという力強い呼びかけが発せられた。
 報告の後、会場意見が次から次へと提起された。大阪全労協からは、戦争動員が始まる時代に、反基地闘争を担う行動に労働組合の集会が持たれた意味の大きさが提起された。北九州ユニオンからは、戦争反対と経済闘争を結び付け、多数派になろう、平和と暮らしのための総がかりを!と発言。連帯労組やまぐちからは、十年間のたたかいの結果、総がかり行動での取り組みなどが生まれていると成果を提起。全港湾からは、沖縄への機動隊派遣を止める住民監査請求の報告、また、同じような目的を持つ部分の集団的動きを作り出そうと提起された。
 これらをまとめ、京都の洛南労組連代表が、労働者集会スタート時の愛宕山住民との「牛野谷の誓い」に立ち、二〇一七年岩国基地大強化に対し、ともにたたかっていこうと締めくくった。



 ■12・11「見守りの集い」

 戦闘機墜落弾劾の声相次ぐ
 岩国行動参加者も連帯発言



 十二月十一日の「愛宕山開発跡地見守りの集い」にも、岩国行動の参加者も参加した。
 当日愛宕神社では、早朝より新年を迎える準備として氏子さんたちが集まり、しめ縄作りに取り組んでいた。地元産のわらを使い、丁寧に手作りして、こうして代々守り抜いてきたのが鎮守の神様である愛宕神社だ。
 七日に岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘攻撃機が高知沖に墜落、乗組員の死亡という重大事故が起きた直後ということもあり、地元テレビ局の取材も来ていた。頻繁に岩国市の上空を飛ぶ岩国基地の主力戦闘機が、原因不明で墜落し、原因不明のまま飛行再開するという事態に対し、住民からは米兵も含む命をないがしろにする暴挙だと次々と弾劾の声が上がった。
 続いて、神奈川や京都のゲストなど集会参加者からも連帯を訴えた。特に沖縄の安次富さんは、「私が岩国に座り込みをしてはどうかと提案した張本人です」と以前より岩国と連帯しながら沖縄でのたたかいを進めてきたことを訴えた。
 韓国ゲストは、在韓米軍と在日米軍、特に岩国基地とは密接な関係があるからこそ、共にたたかおうと訴えた。事実、米韓合同演習が行われる際には、岩国からも韓国へ向けて飛行し、岩国は一体の拠点として位置づけられている。
 集いではAWC日本連や岩国労働者実、AWC山口からもカンパを渡したり、毎度恒例のおやつタイムでお腹いっぱいになったりと和やかな雰囲気の中でも、たたかう鋭気を養った。最後に参加者全員で『守ろう愛宕山』を歌い、集いを終えた。



 ■デモ行進

 岩国基地大強化反対!
 市街地通り岩国基地に抗議



 十二月十一日午後、2016岩国行動の締めくくりとして、米軍岩国基地に向けたデモ行進が取り組まれた。
 午前中から労働者反戦交流集会や岩国基地フィールドワーク~愛宕山見守りの集いに参加していた人々が、それぞれの行動を終え、続々とデモ出発地点の岩国市福祉会館前に結集してきた。
 午後一時より、横断幕を先頭に各地のAWC旗や労働組合旗などを林立させ、百三十名のデモ隊は、岩国市街地を抜け米軍岩国基地へと向かうデモに出発した。
 デモ参加者は「岩国基地大強化反対!」「米軍住宅絶対反対!」「米軍は出て行け! ここから手を引け!」「F35Bの配備反対!」などのシュプレヒコールを挙げていった。沿道では多くの岩国市民が注目していた。
 デモ隊が米軍岩国基地正門前に差しかかると、山口県警が列をなして基地を防衛する体制に入った。デモ隊はひときわ大きな声で「岩国基地はいらないぞ!」などのシュプレヒコールを基地に対して叩きつけていった。
 デモ解散地点では、沖縄・辺野古新基地建設阻止をたたかい続ける人士の発言や、アジア共同行動日本連絡会議共同代表から、二日間の行動のまとめの発言がなされた。
 最後に全体でシュプレヒコールを唱和し、本年の岩国行動を締めくくった。



 

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