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   マルクス革命的労働者党論を基礎にして
                   21世紀の党建設に勝利しよう

     
             労働者党の成立と革命的労働者党の建設
                           上杉信行





 現代のプロレタリア党を建設するという課題は、資本主義、帝国主義の危機が一層深まる二十一世紀の初頭の現在、労働者階級の解放にとって、極めて重要な、決定的とも言える比重をもったものとして現れている。現代の共産主義者はこの党の建設の課題に正面から向かい、一歩、二歩と着実な前進を遂げていかなければならない。この党建設を進めることが、実は労働者階級が解放を勝ち取る基盤と可能性を広げていくことに直結するのである。われわれはブントとして、自らの歴史的なたたかい、活動の総体を受け、この労働者階級の自己解放の党の建設を主体的に担っていく決意である。マルクスの革命的労働者党論はその際の、思想、理論の基礎をわれわれ共産主義者に与えている。
 前回『戦旗』第一三六九号において、「労働者党の成立の基盤」について見てきたが、今回はこの労働者党の成立と革命的労働者党の建設という組織論の核心的な課題、別の言い方をすれば、労働者党の成立に踏まえて革命的労働者党を建設していくという課題について見ていく。
 いうまでもなく共産主義者や革命家にとって、実際重要なことはプロレタリア革命の実現―ブルジョア権力の打倒を勝ち取ることである。そのために革命的労働者党、またプロレタリア革命の組織を作っていくことである。党―革命組織を一つの拠点にして、プロレタリアの解放―プロレタリアの権力の樹立を実現し、プロレタリア社会を構築していくこと、階級の解放―階級形成、権力闘争に勝利していくことなのである。マルクスもこの点に踏まえ、あくまでもプロレタリア革命という目的を達成するための労働者党の建設、その活動の角度から、自らの組織論を展開しているのである。『共産党宣言』の「プロレタリアと共産主義者」の箇所では、いわゆる革命的労働者党の基礎的な規定を明らかにしている。


  ●一章 労働者党の成立と革命的労働者党の形成

 革命的労働者党の成立、形成、建設という場合、この党は階級の活動、その一部としての政党(労働者党)の形成という基盤において、初めて、実現されるという提起である。この点はマルクス組織論の第一の核心点であるといっても良いだろう。マルクスは、革命的労働者党論―共産主義者論を展開するに際して、労働者階級の活動、運動、その一つとしての労働者党建設という点を常に重要視していた。プロレタリアの全般的な自己解放運動の基盤こそが党の建設の礎であるととらえたのである。
 マルクスはこの点に関して『共産党宣言』において、まず最初に革命的労働者党(共産主義者)の性格を、「共産主義者は他の労働者政党に対立する特殊な政党ではない」「彼らは、特殊な原則をうちたてて、プロレタリア運動をその型にはめこうもうとするものではない」と規定している。プロレタリアと共産主義者の関係・連関の問題設定の場面においてこの規定は展開されている。マルクスは革命的労働者党(共産主義者)とは、他の労働者党(の建設)と切断された、無関係な、基盤の異質な政党、敵対や区別性を専らとする政党などではなく、あくまでも他の労働者党の成立、存在と同一の基盤にあり、少なくとも本質的には敵対的でない、協力的な存在として、敢えていえば、それらの、全体の政党建設運動の一部にあると規定しているのである。なぜマルクスがこのような革命的労働者党(共産主義者)論を展開したのか。それは、革命的労働者党は本来的に階級の自己解放運動によって生み出される、階級闘争の現実性によって生み出されることを第一義の性格として明確にするべきとしたからである。実際、マルクスの時代においても、空想的社会主義者の残党が小セクトをなし、閉鎖的集団への囲い込み運動を専らとし、プロレタリアの運動に敵対していたし、ブランキ主義者は階級の運動とは無関係に秘密の集団を作り、運動を引き回していた。マルクスはこの階級の運動への敵対を強める一種の「党づくり」に対して、これを厳しく批判したのであった。マルクスは、プロレタリアの現実の解放運動から切断された「党づくり」、外れた「組織づくり」なるものは、本質的にプロレタリア運動とは無縁であること、またプロレタリアの政党建設とは無縁であること、それは、プロレタリアにとってただの反動的疎外体にすぎないことを明確にした。党建設上に不断に表れる克服するべき傾向として明示したということだ。独特の思想や体系を編み出し「組織」なるものを作ったとしても、それは、労働者階級の自己解放の党ではない。宗派的な、あるいは様々な、例えばブランキズム的な腐敗である。とくに党建設という課題から見た場合、マルクスは宗派主義者やブランキ主義者が単に階級の運動、階級の形成への敵対者という事柄だけではなく、むしろ労働者階級の活動の一部である政党建設―労働者党建設への敵対者であることを重要視した。
 マルクスの政党論、労働者党論とは以下のような内容である(この点は前号参照)。
 階級の解放運動とは、労働者階級が自らを階級へと形成し支配階級になっていくということを一方で措定しつつ、他方で、同時に自らを政党へと組織化していくという内容をもつこと。労働者階級の活動、労働者階級の革命的団結と再団結のなかにこの政党の建設はあるということ。労働者階級は本来的にも現実的にも自らを政党へと結集させていくこと、労働者党を作り出す存在であることを原理的に明らかにした(もちろんブルジョア社会における現実的利害の代表として、労働者階級の様々な要求を掲げて成立していく)。労働者階級の解放運動、革命運動とは、本来的に、政党建設をはらんで展開されていくこと、党とは労働者階級の生み出す様々な団結の一形態に他ならない。こういった労働者党論である。そして、マルクスは、この階級の活動論の前提にたって、革命的労働者党はこの労働者党の成立、建設と同一の基盤において、その(革命的)部分として、成立、建設することができるとしたのである。それ故、マルクスにとって、もし、階級の活動や労働者党の建設の基盤から断絶するならば、それは「他の労働者党に対立する特殊な政党」「特殊な原則を打ち立てて、その型にはめ込もうとする」「組織」となり、本来的なプロレタリア党などではないと明示するものとなる。歪んだ、腐敗した党、政治集団、傾向とのたたかいが、党建設をめぐって鋭く問われることを明らかにし、こうした党建設の基盤から脱落する宗派やブランキ主義者の在り方を、労働者階級の自己解放の党が打ち破り、克服していく重要性を明らかにしたと理解できる。現代の共産主義者は労働者階級の政党建設への立ち上がりに敵対する諸傾向を打破していくことが重要であるのだ。このマルクスの組織論の基礎、核心点をしっかりと踏まえて活動していかなければならない。
 もちろん革命的労働者党は実践的に、現実の労働者階級の解放運動の先頭に立ち運動の「確固とした推進部分」であり、また「理論的に他の労働者政党より優れている存在」なのであって、実践的、意識的により資本主義の批判を徹底し、新たな共産主義の時代を作り出していく基本構想を持っている。またプロレタリアの実践的活動を積極的に評価して新たな社会の内容を提示していくことができる。そのためのプロレタリアの団結形成を豊かに発展させていくことができる。しかしこのことをもって、プロレタリアの運動、活動によって党が生み出されてくることを否定し、「意識性」や「主体性」、階級組織や他の労働者党からの分離が党の本来的性格であると規定されるならばそれは誤りである。そこには階級の活動、運動、また階級闘争に対する小ブルジョア的な偏見があるといわなければならない。この観点はスターリン主義者、宗派の集団、ブランキ主義者たちも「枕言葉」では否定しないにしても、彼らにおいては、この観点は基本的な組織論の体系からは排除されている。
 マルクスの時代にあっても、ブルジョア権力と癒着―融合するプロレタリアの一派が存在したし、とくに帝国主義の時代においては社会排外主義派が帝国主義と一体化してプロレタリア派に敵対した。戦後においてはIMF・JCなど反共労働運動グループや日本における旧民社党のようなブルジョアジーの先兵的な政党も存在する。今日の革命的労働者党が、こうした資本や帝国主義と完全に一体化し、プロレタリアに敵対する政党に対して、徹底的にたたかうのは当然であり、これらと分裂するのは不可避である。問題は階級の運動の中から不断に生み出される労働者党、政党、これは日本のみではなく全世界で流動し、新しく興っている、このような諸政党、諸政治グループを評価して、同一の基盤において、協力し革命的労働者党を継続して建設していくことが重要だということにある。この第一の規定は革命的労働者党(共産主義者)の他の労働者党に対する態度に最も良く表れる。


  ●二章 革命的労働者党の成立、その基本性格

 革命的労働者党は他の労働者党とは区別される。マルクスは『党宣言』で共産主義者が他の労働者諸政党と区別される点として、次の諸点を挙げている。すなわち、プロレタリアの運動において国籍に左右されない利益を強調すること、ブルジョアジーとプロレタリアートの闘争にあって、様々な発展段階において(これを踏まえて)運動全体の利益を代表すること。そしてさらに、実践的には他の労働者政党のうち、もっとも確固たるたえず推進していく部分であること、理論的にプロレタリア運動の条件、進路、一般的結果を理解する点で、プロレタリアートは他の大衆にまさっていること。さらにマルクスは、共産主義者は労働者階級の直接当面する目的と利益の達成のためにたたかうが、現在の運動のなかにあって、同時に運動の未来を代表すると規定している。
 革命的労働者党の第二の規定はこの党がプロレタリア解放の目的意識性をもち、プロレタリア革命の勝利のために労働者階級を指導していく存在であるという点である。またこの任務の内容は、共産主義者の不断の目的意識的活動によって作り出されていくということだ。マルクスは、まず、革命的労働者党の存在意義は、他の労働者党に比較して、プロレタリア運動の実践的推進部分であることを挙げる。これらの諸任務の積極的、意識的推進、そして実践の内容を目的意識的に作り出していくところにあるとしている。この点で他の労働者党とは異なるということだ。マルクスは、まず、最初に、共産主義者の実践的活動を重視し、ここから革命的労働者党の意義を明らかにする。確かに、党の見解(思想、理論、綱領)がすぐれていること、他の党と異なることは重要な点であるが、ここ一般に存在意義があるのではない。階級の現実のたたかい、運動の形成と発展にこそ共産主義者―革命的労働者党の意義があることを提起したのだ。
 そして、マルクスは、理論的には他の労働者政党よりまさっているとして次の点を挙げている。理論的にプロレタリア運動の性格を見据えた、唯物史観―資本主義批判ープロレタリア措定―共産主義―党建設の理論、プロレタリア革命の歴史的必然を明確にする理論の提起である。資本主義を解明し、現実のプロレタリアの運動の性格、プロレタリアの革命の主体としての性格を明確にし、プロレタリアを主体とした共産主義社会建設の構想を明示していくことである。また、さらに、プロレタリアートの国際的な団結と結合の意義を積極的に主張し、プロレタリアートの階級形成にあって運動の全体の利益を擁護して、現実の利益を勝ち取ろうとするが、未来を見据えたプロレタリア相互の革命的団結形成を進めるのである。共産主義者(集団)の理論的で自覚的な活動によってその内実は形成される。この点は他の労働者党とは大きく異なる。なによりもマルクスは、革命的労働者党とは資本主義体制の転覆までのプロレタリア運動の徹底的な推進勢力として活動し、国際主義や全体の利益や未来の利益を擁護して活動する勢力であることを積極的に主張する。
 重要なことは革命的労働者党の立場と活動、また内容の創造という点から見た場合、革命的労働者党は思想―綱領的立場を獲得し、実践的に活動すること(路線の実現)、またこういった諸内容を作り出していく在り方において、他の労働者政党と決定的に異なるのである。もちろんマルクスの提起した、プロレタリア国際主義の意義、社会排外主義とのたたかいの意義や現実的なプロレタリアの断固としたたたかう中核部分として活動することの意義、権力弾圧を打ち破り永続的に運動を発展させる意義、あるいはプロレタリアを主体としたプロレタリア革命の理論的根拠を明らかにする意義、階級的団結と再団結を目指す意義などを詳しく確認することは重要である。しかし、これらの点はすでに多く語られてきているのでここでは省く。
 革命的労働者党と労働者諸党は、マルクスによれば確かに、階級の運動や活動によって生み出される同一の基盤にあるものの、労働者党はブルジョア社会の内部での現実の階級利害に根ざした政党として形成されており、この点ではブルジョアジーの利益を代表してブルジョア政党が形成され、同じように小ブルジョアや封建的党、農民党、被抑圧民族の党などと同一の基盤にある。もちろん労働者党や被抑圧民族の党、農民の党など被抑圧階級層の利害はブルジョアの利害とは異なり、擁護され貫かれるべきである。ただ問題はブルジョア的社会体制を打破して新しい共産主義社会を構築していこうとする時、未来の利益に基づいた、労働者党の革命的部分の結集は不可欠なのである。革命的労働者党はこの資本制体制そのものを突破する立場やたたかい方において成立している。マルクスは「他の労働者政党」は、直接の当面の利益のために、プロレタリアの国際的団結、発展段階に合わせた運動の全体的利益、未来の利益、階級の革命的団結を充分に実現することができないことを指摘したのである。もちろん労働者党とはいっても現実的には様ざまな政党がある。ブルジョア政府と一体化した、排外主義主義的な政党から国際主義やプロレタリアの団結形成を重視する政党まで。また、当然、マルクスは労働者党が直接の利益のために活動することを積極的に評価しているのである。
 マルクスは『党宣言』で「革命的労働者党(共産主義者)の当面の目的は他のあらゆるプロレタリア政党の目的と同一である。すなわちプロレタリアの階級への形成、ブルジョアジーの支配の転覆、プロレタリアートによる政治権力の獲得である」として、他の労働者党の存在を描いている。すなわち他の労働者党はプロレタリアの階級形成とブルジョアとのたたかい、プロレタリア政府の樹立を目指す点において同じである、として積極的に評価しているのである。もちろんこの時代、この段階でプロレタリア権力の獲得の中身は明確ではなかった。プロレタリアの政党が多数を占める政府形成などとも理解されており、必ずしも資本主義体制の廃止や共産主義を実現するものとは確定していなかった。しかも帝国主義の時代以降、プロレタリアの政権の獲得、政府参加などというものが、ブルジョアジーの支配の転覆、体制の廃止というものから切断されて、資本主義擁護―体制防衛を目指す、労働者からでた政党が拡大した。マルクスがここで問題にしているのは労働者党は当面の直接の利益を中心に活動や内容を作るために、不断にブルジョア階級とのたたかいで不徹底化し、民族的利害や階層的利害、直接の利害に制約され、体制を変革していく政党としての力が不十分になってしまうということだ。しかも労働者党は確かに階級の活動の中から生まれたものではあっても、それは政党として結集しているわけであって、様々な綱領や路線を持っており継続的な潮流をなしている。一般的な階級の運動体とは異なるのである。そこでは何らかの労働者階級のみではない全社会構成員による社会建設の構想を持っている。すなわち政党存在であるということだ。それ故にこそ社会建設をめぐって一層ブルジョア階級に接近し、融合していく犯罪的な政党すらできる。もちろん革命的部分、左派的部分も成立する。
 マルクスは様々な労働者政党のなかで革命的労働者党が成立することを示したが、その際、確認するべき事項として、プロレタリアの自己解放の完遂のためには共産主義者(革命的労働者党)の成立、建設が絶対的に不可欠であり、必要なことをあくまで、強く、指摘したのだ。組織論の核心部分である。確かにマルクスは共産主義者の活動内容を他の労働者党の活動内容と異なるものとして、諸項目にわたって提起している。しかしマルクスにとって重要なことは、種々の任務、活動の意義を確認するのにとどまらない、このトータルな内容を実現するところの共産主義者、革命的労働者党の積極的で意識的、自覚的な活動が極めて重要であることの指摘である。共産主義者―革命的労働者党建設に向かう革命的部分が実践的に階級のただなかで運動を牽引し、理論的に資本主義体制の打倒と共産主義社会の実現の可能性と必然性を明らかにすること。現代世界の変容を分析し、プロレタリアの革命の全体性を明示していくこと。この目的意識性と共産主義的自覚が必要なのである。この意識性や自覚はブルジョア支配に対して有効に対抗するプロレタリアの活動の決定的な一部をなす。共産主義者のこの活動によって初めて革命的労働者党は成立、建設される。
 党建設は、もちろん、共産主義者個人の修養や自覚を自己目的化したり、理想化するものでは有り得ない。また他の労働者党をことさらに攻撃することによっては生み出されない。基本的には政党の綱領の積極的な創造、路線の点検と豊富化、組織へ結集することを根拠にする団結の形成によって作り上げていくことができる。


  ●三章 革命的的労働者党の組織体としての建設

 マルクスは革命的労働者党の規定に関して、党宣言では前項の二点を明らかにしているが、より積極的に当時の階級闘争におけるマルクスの活動やこの党の建設に関する教訓から第三の規定として次の点を積極的に加えていく必要があるだろう。すなわち、革命的労働者党の成立、建設における組織体としての形成という核心点である。
 これは『共産党宣言』がいわゆる主に共産主義者の見解を全世界に向かって発信したものだという性格による。マルクスは「共産主義者同盟への中央委員会の呼び掛け」の回状において、プロレタリア党の民主主義的小ブルジョアの政党組織への引き込み攻撃に反対して、プロレタリアートの独立の地位の全体を確保するために労働者党の独自の建設を主張したが、その際「労働者党の独立の秘密組織と公然の組織を作り上げる」ことを訴えている。またマルクスは義人同盟から共産主義者同盟への組織の改組やその後の中央委員会を中心とする再建活動、そして革命的共産主義者世界協会の設立などに積極的に関わっており、そこでは革命的労働者党の建設のために、革命組織の建設、再建に努めている。
 ここでは「綱領」と「規約」を確定しまた更新、改定しているのである。もちろんマルクスとここでの党建設の過程においては、綱領の内容をめぐる討論は重要ではあったが、他方では、実際上の組織の性格、運営、内部規律と革命的団結形成をめぐる「組織」の建設領域が極めて重要な課題となっている。一般的には義人同盟から共産主義者同盟への改組においては「陰謀的、秘密結社的」性格から開明的な「民主的、選挙制、解任制」への転換、「死刑」の適用から「除名」への転換、「個人の品格、修養」への依存から「組織活動と運営の組織員」への重視への転換などが指摘されている。もちろんここでは大きな転換があった。そして、その後の共産主義者同盟での活動、またその崩壊以降の再建の活動において変遷はあったにしろ、一貫して組織体として建設するという点は追求されている。確かにマルクスの革命的労働者党の建設の活動は組織の分裂や離合集散の連続といってよい程の厳しい現実過程をとっており十分に成功したとはいえないのであるが、しかしながら「中央集権制や民主主義」「規律や団結」「党員の義務と権利」など革命的労働者党の組織体として形成と確立のための核心部分を明らかにしており、この意味、努力は大きな地平を切り開いたといえる(なお、義人同盟では三八年規約において指導部の選挙制、解任制が導入され、四三年規約では「死刑」の規定が外されている。しかし権威主義、謀議的性格を色濃くもっていた。追放者同盟から共産主義者同盟への過渡的性格をもっていたと評価される)。
 実際に革命的労働者党の組織体としての側面を重視して、党を建設したのはレーニンであった。『なにをなすべきか』の四章以下の「革命家の組織」の展開や『一歩、二歩』における「党員の資格」についての展開である。レーニンは組織論としてみた場合、組織の中央集権制の堅持とできるだけの公開性(民主制、選挙制)の一体的創造と同志的信頼関係の形成について、また党への所属に関する規定(組織会議への所属と組織活動)などの基本的部分を提起した。この基本的な組織論、組織思想は現代の党の建設に十分に活かせると評価できるものだ。もちろんレーニンの時代、しかもロシアの階級闘争の情勢においては、労働者党―革命党の活動はツアーリ・政治警察の弾圧、圧殺の対象であり、それ故に「非合法、秘密結社」としての性格を強めたものであった。今日の階級闘争や階級情勢とは大きく異なるし、これらの規定が教条的に当てはまるものではない。だがしかしプロレタリアートの自己解放運動の前進のために、革命的労働者党の組織の結束、団結を強め、また理論的、実践的に活動を貫いていくために、組織体としての建設に徹底的に努力したことは、今日のわれわれ共産主義者が継続するべき重要な仕事なのだ。レーニンが党組織と階級組織の区別、分離を強調するのは一般的な「階級意識」や「理論の優位性」の確認などからきているわけではない。あくまでも組織体としての一体的確立、その活動の実現の角度から強調されるのだ。革命的労働者党論の規定にこの組織体としての建設という点がある。


  結語

 マルクスの積極的な革命的労働者党の核心点は、1、プロレタリア階級の解放運動の一形態である労働者党の建設の基盤に成立すること、2、プロレタリア革命―共産主義社会の建設を明らかにして実践的に確固としてプロレタリア運動の推進部分として意識的、積極的に活動する政党であること、3、あくまで組織体として建設していくこと、これらの諸点を踏まえて作りあげていくことである。これらのマルクスの提起に踏まえてトータルな党建設―組織建設をすすめていこう。綱領―戦術―組織の意識的体系を構築し、現代のプロレタリア革命の勝利を目指してたたかいぬこう 。



 

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