共産主義者同盟(統一委員会)






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   ■7月参院選の結果とプロレタリア派の任務

        
改憲・戦争国家化へと突き進む安倍右翼反動政権
       




 ●一章 参院選の結果必然化する安倍政権の総攻撃と対決せよ

 七月二十四日の参議院選挙において、自民党が圧勝し公明党と合計で、過半数を獲得した。昨年十二月の衆議院選挙の過半数獲得とあわせて自民党は政権与党としての基盤を強固に確立した。確かにこの選挙結果は「経済の再生―景気回復」への「国民」諸階級、諸階層の期待の表れではあったが、しかし、今日のグローバル資本主義の進展と帝国主義、資本主義大国の相互の抗争の激化という世界的情勢にあっては、人民の願望とは裏腹に、自民党政権が「この選挙結果」を踏み台にして、反労働者的、反人民的な政策、また反アジア人民的政策を展開する結果に帰結していくことは明らかだ。日本帝国主義、日本資本主義の防衛と延命のための強硬な拳を打ち下ろす必然性が一段と高まったといえるのである。
 現在、世界資本主義の危機にともなって、全世界で「国の統治」―「政治権力」をめぐる諸階級、諸階層の争いが、労働者階級人民を重要な担い手として激化している。階級情勢の激動が全世界で始まっている。二十一世紀に入り、世界資本主義のグローバリゼーションの画歴史的な進行は、帝国主義と多国籍資本に自らの延命の環を、新自由主義を基軸政策として採用することに踏み切らせた。日本では小泉政権が労働力の流動化―労働者保護の解体を中心に公共部門の民営化、医療や農業の市場化、金融・保険の自由化をすすめ、また高額所得者の減税―累進課税制度の解体をすすめた。この結果「貧困と格差」が蔓延する社会が現出した。
 〇九年の総選挙では新自由主義政策に反発する人民、諸階層の投票行動によって自民党から民主党への政権交代が実現したわけであるが、明らかに、この政権交代は民主党が掲げる、新自由主義への対抗の「マニュフェスト」への国民、諸階級、層へ期待の表明であったということができる。しかし鳩山―小沢政権の崩壊に続く菅、野田政権の裏切り的変質は、人民大衆、諸階級、層の政治への失望を深刻化させた。
 今回、安倍政権はこの民主党の裏切りを最大限に利用しつつ、大ブルジョア、多国籍資本、金融資本(機関)、国家官僚、米軍と天皇を支配の中軸とする、総じて「上層」を中心とする「社会の再建」「社会の安定」「秩序の回復」を掲げ、選挙に勝利したのであった。もちろん、その中身は、強者―金持ちに依存することを本質とする公明党などの宗教勢力を取り込みつつ一方では、小ブルジョア、自営業者、農民に対しては一定の保護政策を継続するかの如く主張し、かれらを取り込んで票を拡大したのである。とくに、政党を持たないこれらの自営業者、農民などの層の票は、前回の民主党から今回の自民党に移ったのである。
 もちろん安倍政権は、たんに「強い経済や政治の安定」のみを主張したのではない。第一義的に「釣魚諸島」(日本名・尖閣列島)や「独島」(日本名・竹島)問題を最大限利用して、民族排外主義を煽り、選挙の勝利の基盤を作った。安倍は国の利益(国益)を掲げ、対中国敵視、対韓国敵視の排外主義を全面的にあおり、「維新の会」や「幸福の科学」「在特会」などの右翼政党、極右・ファシスト集団を徘徊させて、また腐り果てたブルジョア・マスコミを動員して、中国人、韓国・朝鮮人への敵意をあおり、日本の国民的統合を進めたのである。この日本の支配階級の伝統的な統治の手法が、大きく選挙結果に影響したのは間違いない。議会内抵抗野党はことごとくこの排外主義攻撃に屈服し、ブルジョア・マスコミは政権の手先となって排外主義を煽り立てた。この排外主義の基盤によって既成の議会内の小ブルジョア政党、グループ、労働者政党、左翼は後退を余儀なくされた、といって過言でない。
 しかし右翼反動の自民党安倍政権がいかに衆参両院において圧倒的議席を並べても、それは決して正義ではないことはもちろん、磐石でもないことは明らかだ。それはなによりもブルジョア的議会制、ブルジョア的代議制なるものが決して労働者階級、人民、国民諸階層の要求を反映したものではないことが、この間の人民の経験で自覚されつつあることに端的に示される。民主党のでたらめな変質や、自民党の侵略主義、排外主義に満ちた攻撃、あるいは「貧困と格差」の徹底的な正当化の政治、強権政治の展開。これらの結果、労働者階級人民は議席の多寡によって決定される政権に従う必要はないこと、かれら上層の支配集団には何等の支配の正当性のないことを経験的に学びつつある。議会選挙―代議員制が、労働者人民、諸階層の切実な要求や「自由で公正な社会」の実現といった要求とはまったくかけ離れた、「人民の運動」を圧殺する装置にすぎないことを経験的に掴んだ。低投票率の結果や沖縄糸数慶子氏の当選、日本共産党の議席増、東京の山本太郎氏の当選などがこの表れだ。民族排外主義、中国、韓国―朝鮮への敵視、懲罰を是とする社会、民族排外主義の蔓延する社会では真の労働者人民の要求や解放の展望を切り拓いていくことは極めて困難である。ブルジョア議会選挙において、民族対立、侵略主義を煽り立てる伝統的な手法に頼る、大ブルジョア政党、小ブルジョア政党、民間反革命勢力と対抗する、人民の解放運動の基盤形成による既成秩序の動揺よって、初めて、選挙の結果の革新性が獲得できる。この自覚こそ情勢を決定付ける重要なポイントなのである。さらに政府の能力主義や自己責任論による分断に対抗し、生活破壊、生命の危険に対抗する運動を正当化する社会的な力の形成によって、議会選挙は積極性を持ちうることが明らかとなってきたのである。

 ●2章 選挙の直接の結果について、その諸特徴

 直接の特徴は以下の通りである。
 今回の投票率は52・61%であった。実に二人に一人が棄権したのである。しかも前回の選挙より5・31ポイント下がった。民主党の裏切りに対する絶望、しらけが大きな要因ではあるが、六年前の「政権交代」への国民的熱意が失望に転化する過程で、多くの人民が議会選挙、国会選挙そのものの欺瞞性に気付き始めた結果でもあった。それゆえ、今回の棄権には人民の選挙ボイコットの要素も大きいのである。そもそも議会とはブルジョア的秩序を担う政党、政治勢力を数年に一回決めるものに過ぎない。労働者人民、諸階層が直接の要求を掲げて社会を作り、また「新たな公的社会」を建設していく、コミューン・ソビエト的選挙とはまったく異なる。人民の要求を踏みにじる装置としての役割を議会が強めていくならば、人民の議会―政府への反感、反発は必然的に強まっていく。もちろん議会内抵抗野党の後退がたたかいの前進を意味しないことは明らかであって、プロレタリア党は議会の一角を占める存在であるべきことは否定するべきではない。
 死票があまりにも多いブルジョア代議制の欠陥が露骨に現れた。自民党の獲得票は比例区で34・68%しかなく、選挙区は42・74%であった。しかし議席割合は53・72%を占めたのである。つまり四割前後の票で過半数の議席を獲得できたのだ。もちろん野党の多党化や対抗野党の軸の不在、一人区における自民党の圧勝によって、この結果がもたらされた。社民党(一人当選)や「生活」「みどりの風」「大地」などは一定の票数を獲得したが、比例部分が少ないが故の敗北となった。この様に衆議院の小選挙区制、参議院の一人区温存制度の結果、大政党、政権政党に圧倒的に有利な結果をもたらすのである。しかしこれは議会の統治の正当性を著しく低下させるものである。少数野党は議会制選挙に軸を持つ場合であっても、この選挙制度の欠落を明らかにして、大衆運動を基礎に勢力の拡大を目指す以外に方法はないのである。
 医師会、農協、中小土建業者の組合、特定郵便局長会、あるいは電力総連などの利益団体、利益集団の力が相対的に浮上し、旧来の自民党の支配構造に似た利権と権益にまみれた政治が復活したことである。もちろん小泉政権以前の自民党時代の構造とは異なってこれらの団体、業界自体が解体的に再編される状況にある。それでも、政権党にくっついて「甘い汁」にありつこうとするのである。しかしこういった状況は政治の腐敗を強めるだけであって、何らの将来展望をもつものではない。
 選挙結果と既成政党、政府権力の推移を確認するならば、まず、自民党が今回議席六十五で合計百十五となり参院二百四十二の過半数に迫り、公明二十を足せば安定議席を獲得したことになる。民主党は改選四十四から当選十七に激減した。排外主義右翼の「維新」と新自由主義集団「みんな」は基本的には伸び悩んだ。公明党は安倍政権の補完勢力としての立場を露骨に出して犯罪的性格を強めた。排外主義と新自由主義の基盤を安倍右翼反動政権が取り込んだ要素も大きい。
 議会内抵抗勢力の危機が一段と進んだ。社民党は一人当選したものの山城博治氏は惜敗し、解党の危機を迎えたと言って過言でない。また「生活」「みどり」「大地」は議席ゼロにとどまった。みどりは山形で惜敗だったし、生活も比例区では当選ラインに近かった。選挙制度如何によっては当選者を出せる勢力ではある。しかしこの様な小ブルジョア、市民運動集団、草の根保守の反政府勢力にあっては、議会政党として生き延びていこうとすることは不可能に近い。反新自由主義、反侵略主義を掲げるのであるならば、その階級、層に見合った大衆運動、反政府直接行動を強めていくべきであるだろう。
 この様な右傾化の政治状況のなかでも、いわゆる革新派、人民の抵抗運動勢力は一定の結果を残した。なによりも沖縄の一人区で沖縄社会大衆党の糸数氏が革新統一候補として当選したことである。また東京選挙区では反原発の活動家、山本太郎氏が当選した。沖縄の基地撤去運動、原発反対運動の展開が両氏を押し上げたことは確実である。また共産党が民主党の裏切りに対しての批判票を吸収したことは間違いない。共産党は比例区四、選挙区四の合計八を獲得した。これは少ない成果ではあるがこの間の人民の支配階級の攻撃に対する抵抗運動の表れである。

 ●三章 選挙結果の意味するところ、強権政治の展開と情勢の流動化

 読み込み済みの「限定的支持」ではあったとしても、自民党が圧倒的議席を獲得した。この「議会の多数派」という「統治の正当性」を掲げて、安倍反動政権は労働者人民、諸階級に対する総攻撃を開始し、人民に襲いかかってくることは必然である。底の浅い評論では「安倍への支持」は、限定的で浮動的だなどと分析している。確かにその要素はあるとしても、安倍政権は一切をかなぐり捨てて、資本家、金持ち、戦争屋、巨大資本と国家官僚、御用学者と御用マスコミ、あるいは天皇制、日米軍の護持のために、諸反動政策を展開してくる。沖縄、岩国、神奈川米軍基地強化、三里塚空港建設、原発推進、再稼働攻撃、集団的自衛権行使への法の解釈替えなど、さらに、中国、韓国への侵略策動、労働者の基本部分の非正規雇用労働者への転換の大攻撃、TPP推進による医療・介護、農業、金融、消費者保護の廃止など、消費税増税―大衆収奪の強化、総じて侵略と戦争の政治、格差と貧困の前提とする国内支配体制作りを総力を挙げて進めてくる。労働者階級人民は一切の幻想を捨てなければならない。
 議会内抵抗政党、抵抗勢力の無力化が一段と進む可能性が高まった。民主党では「生活防衛」綱領は反古にされつつあり、この党は野党第一党から転げ落ちつつある。自民党への対抗の野党は、右翼の「維新」連中と新自由主義の「みんな」になる可能性が出てきている。文字通りのブルジョア政党の争いが始まる。民主党は「連合」を最大の支持基盤としつつその中身は原発推進の電力総連が比例で最大の得票を獲得したように、ますますブルジョア的に変質していく。しかし、ブルジョア政党の安定は実現することはない。
 議会への幻想が人民の内部から崩壊している。この傾向はコミューン、ソビエト運動の開始に連動していく。投票率が低下し特定の業界、利益団体、宗教団体がはびこっていく危機的な議会の現状である。例えば国民の六割から七割が原発に反対しているにも拘らず、電力資本、電力労組が原発を推進していく。安倍は総資本ためにこの原発の活用を目指している。労働者人民諸階層の要望はことごとく踏みにじられていく。議会、またこれを通した政府の形成に対して、もはや人民の要求は議会外での行動によるしかないことが人民に明らかになってきた。
 労働者階級人民の要求、運動は以前にも増して激化してきている。階級情勢の流動化が本格的に開始された。多国籍資本、新自由主義派、日米同盟派の強固な結束による侵略政策と貧困層を生み出す政策、人民への総攻撃は強固な抵抗にあっている。沖縄、三里塚、労働運動、非正規、派遣への置き換え攻撃、被抑圧人民の抵抗運動、反原発、反TPP、反消費税増税運動など人民の総抵抗運動が拡大しつつある。階級対立が激化し階級の激突をめぐる情勢が成熟してきている。
 以上のことを階級的利害から見たとき次のことが言えるだろう。
 a)TPPの締結によってもたらされるもの。
 TPPは日本の戦後の階級支配の様式を根本から変える重大な攻撃だ。それはアメリカ型の階級支配システムを日本に導入し、一部の「上層集団」、支配集団が富を独占し、一般の労働者人民には格差と貧困を強制し、資本と支配層への隷属が強制される社会である。「貧困大陸アメリカ」の書などでも明らかなように、人種差別社会の上に、一握りの集団が利益を独占することが法的に保護された社会がアメリカなのである。自由競争の名の下に圧倒的な労働者人民は公的保護のないままに資本家の餌食になっている。
 現在安倍が目指す社会は、一握りの支配集団が富を独占し、そのほかの労働者人民、諸階層には「格差と貧困」を押しつけるものである。帝国主義間の対立、資本主義国家間の対立は必然的に侵略戦争政策と貧困の強制を激化させていく。民族排外主義と新自由主義は支配階級の延命の政策であり、イデオロギーに他ならない。戦前の日本の階級支配様式である、寄生地主制の下における小作農と無権利の労働者人民を前提化する社会を別の形で復活させるがごとき、非正規労働者と派遣労働者、全くの低所得の農民、自営業者を階級、層として再生産し、構造的に大資本や大金持ちが搾取を欲しいままにして、優遇され再生産されていく社会を目指しているわけだ。
 しかし今回の選挙では確かに医師会、農協、郵政特定局長、土建業界などが、一定の割合で自民党支持に回ったが、これらの層は新自由主義の政策実行の結果、圧倒的部分がことごとくすり潰されていくのである。一部では市場原理にのって生き延びる可能性を追求する動きもあるが、ほとんどは失敗に帰し、壊滅させられていくのは明らかだ。農産物の自由化による農業の壊滅がある。日本農業の三分の一にも達する三兆円から五兆円の生産力の解体が確実視されている。北海道の酪農などはすべてが壊滅することは、米国とのFTAに踏み切った韓国の前例を見るまでもなく確実なのである。また国民皆保険制度、介護保険制度の解体、食料ほかの安全規制の廃止、金融―保険のアメリカ基準への改悪など戦後の社会政策のすべてが破壊の対象になっている。とくに戦後の労働者人民保護の労働法体系が解雇の自由、派遣労働の全体化を基軸に解体が目論まれている。
 ここでは重要なことは、小ブルジョア、多くの人民が階級的に解体再編されることであり、圧倒的部分は貧困化、低所得化を強いられることだ。それゆえに混合診療の推進や農業の工業化など、一部は新自由主義にからめとられたとしても、多くの部分は破壊と生活危機に直面し、抵抗運動を強める以外に道はない。人民諸階層の抵抗の基盤がかってない勢いで成熟するのである。この点で安倍政権への反乱の可能性は、たたかいの核の形成いかんによって大きくなるのである。
 b)消費税の値上げ、大衆収奪の推進、大企業と金持ち優遇の税制への転換。
 安倍は「企業の活動が世界一しやすい国」への転換を主張している。これは結局、大企業、ベンチャー企業など資本への減税を一層すすめることを意味する。また所得の再分配機能をもつ累進課税制度を敵視し、金持ちの優遇政策を強めようとしている。
 c)労働法の改悪、労働法規制の撤廃、解雇の自由化、派遣法の改悪、限定正社員作り、有期雇用制度の改悪が目指されている。
 d)住民、人民の命と生活の否定、とくに命の否定、命の軽視の政策が強行されていることだ。福島では原発事故によってあふれ出した放射能が地域を崩壊させ、命を直接の危険にさらしている。また沖縄ではオスプレイを配備、増加を強行し墜落の危険に対して全く無視している。三里塚では農民の命の土地を違法極まりない手段で取り上げる攻撃を強めている。労働現場では低賃金と不安定雇用によって命の危機、生活の危機が確実に強まっている。すなわち安倍政権はそもそもの成立の性格が、人民が命の危険にさらされ、実際に死者がでようともこれを鼻であしらいせせら笑うような腐敗した感性の人間集団で構成されているのだ。労働者人民にはあらゆる手段で抵抗する権利があるということだ。

 ●四章 プロレタリア派、革命的労働者党の任務

 今回の参院選の示すものは、議会に依存しない人民の大衆運動、大衆行動を強めて新しい権力闘争の時代を切り拓いていくことだ。コミューン、ソビエト的団結を内包した運動を全階級戦線で発展させていくことにある。労働者人民の解放運動はあくまでも直接の要求を掲げこれを貫徹していくと同時に総抵抗運動を新しい「公的社会」の建設、プロレタリア社会の人民の連帯、団結の形成の質をもったものとして積極的構築されていくべきものである。プロレタリア党はこの運動の先頭に立つ。
 プロレタリア党の基本的課題は次のように設定される。
 その第一は、民族排外主義による国民統合に反対し、対抗の政治をがっちりと作り上げていくことだ。右翼反動の安倍政権は村山談話、河野談話を否定し、戦前の日本帝国主義の朝鮮植民地支配や中国侵略の責任を意図的・挑発的に否定し、この立場を韓国、中国に認めさせようとしている。日本軍「慰安婦」制度の歴史的事実の否定や南京大虐殺の否定、あるいは日本政府・内閣の靖国参拝に対する当然の抗議を「内政干渉だ」などといいたて、民族排外主義を煽り立てているのである。中国、韓国への敵視外交を粉砕しよう。また在特会などの民間反革命集団、ナチスの「ユダヤ人狩り」の手法を取る極右の集団を積極的に育成し、馴化している。また議会内野党はほとんど排外主義の嵐に屈服している。なによりもこの日本の排外主義の大攻勢、とくに在特会らの腐敗した勢力の攻撃に対して在日朝鮮・韓国人を防衛すること、暴力的な攻撃を階級的実力で対峙、粉砕してくことは決定的に重要である。プロレタリア党はこのたたかいの分野で先頭に立ち、意識的に運動を切り拓いていく義務がある。またここではアジア人民との国境を越えた直接の連帯と信頼の構築、前進が、安倍政権の攻撃を打ち破る環となる。AWC運動の前進を強固に進めよう。
 その第二は、貧困と格差の拡大と深化に対して、生活と政治的権利を守るために、人民の総抵抗運動をあらゆる場所で作りだしていくことだ。工場、学園、地域、街頭、また沖縄、三里塚、福島など原発の現地など至る所で人民の抵抗運動が始まっている。プロレタリア党はあらゆるところで人民の抵抗運動の先頭に立ってたたかう。
 第三は労働現場において労働組合活動を全面的に発展させ、労働者の団結形成を意識的、積極的に作り出していくことだ。多くが非正規化され派遣化されている現代の労働者階級は分断と孤立化が一層、進められている。人間の連帯と第一歩、信頼と信義に基づく仲間や同志の関係の形成の第一歩が労働組合活動によって作られる。プロレタリアの階級形成の結節なのである。プロレタリア党が果たす役割は大きい。また青年の貧困化攻撃に対決しよう。
 第四は改憲策動、日米軍強化、軍事基地の強化、治安弾圧の強化、戦争体制に向けた政府の攻撃に意識的に対決していくことである。戦争国家を目指す安倍は反動的政治課題を強引に処理しようとしている。とくに沖縄と並ぶ岩国基地強化の攻撃との対決は重要である。
 プロレタリア党は意識的積極的な活動分子として、階級攻防の先頭に立ってたたかう。また人民の抵抗のあらゆる場面において存在し運動を担う。



 

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