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   辺野古新基地建設阻止!沖縄解放闘争の前進を

                                                                     

 沖縄では、辺野古新基地建設を強行されるのか阻止するのかの激烈な攻防が続いており、決定的な局面を迎えている。
 この辺野古新基地建設は新たな基地建設というだけでなく、日米帝の新たな軍事体制の強化と対決する沖縄解放闘争にとっても重要な意味を持っている。
 日帝の沖縄差別軍事支配を打破する新たな段階へのたたかいに踏み込み、いかに沖縄人民が決起するかという歴史を画する事態にあるのだ。米軍再編と自衛隊の一体化という日米帝の軍事体制の新たな構築に対して、「本土」人民がたたかいぬけるかどうかということを自覚しなければならない。このたたかいからの敗北は沖縄への差別・抑圧をいっそう酷くさせ、沖縄戦当時を想起させる戦争翼賛体制へと突き進むことになることを肝に銘じなければならない。
 辺野古新基地建設阻止、オスプレイ配備撤回で米軍再編・米軍と自衛隊の一体化を粉砕していこう!

  ●第一章 「辺野古容認」を強要する日帝―安倍政権

 自民党・安倍政権は辺野古新基地建設強行ためになりふりかまわず、むき出しの権力を振り回している。「県外移設」から「県内移設」=辺野古容認を強要し、「オール沖縄」を分断してぶち壊そうとしているのだ。
 「県外移設なんて、とんでもない。党本部の方針に従うべきだ」「普天間基地に固定化される」と恫喝した。自民党・安倍政権は、保守・自民党の沖縄選出国会議員を「離党勧告」で切り崩し、自民党県連を恫喝して屈服させ、公明党を従わせるというドミノ倒しの筋書きで一挙に追い込みをかけている。
 また、「県外移設」の公約を破り辺野古容認を先に打ち出した自民党国会議員の西銘恒三郎と島尻安伊子らを呼びかけ人に名を連ねて、保守の中でも右翼的な連中が「普天間基地の危険性を除去し辺野古の米軍基地に統合・縮小を実現する沖縄県民の会」なるものを立ち上げた。十一月二十四日におこなった「基地統合縮小実現 沖縄県民大会」(主催者発表でも四百名)では、「『オール沖縄』という言葉ほど失礼で不正確なものはない」「仲井真知事が(辺野古基地建設を)承認するまで活動を続ける」と喧伝している。
 一方、沖縄振興予算案の概算要求額を沖縄県のほぼ要求どおり破格にアップした。沖縄振興予算案の概算要求額が、昨年度より10%以上アップの三千四百億円余。内訳は那覇空港第二滑走路整備費が百七十億円増の三百億円、沖縄科学技術大学院大学の教育・研究の環境整備が九十五億円増の百九十八億円、公共事業が24%増の千四百十七億四千九百万円、そして一括交付金。とくに、第二滑走路整備費は県の要望通り工期を五年十ヵ月に短縮する前提で計上し、振興予算と別枠の求めにも本年度並みの三千億円規模の予算本体に上積みしたことを挙げ「予算額でみれば『別枠』という要望に沿っている」とした。まさしく仲井真知事へのエールである。
 仲井真知事の支持母体を辺野古容認に転換させ、あたかも辺野古容認の県民世論があるように演出し、沖縄県のほぼ要求通りに金を出すことで、仲井真知事が政府・自民党の要求通りにするしかない「環境」に追い込もうとしているのだ。
 そして名護市長選前に辺野古移転を承認させることで、名護市長選で辺野古新基地建設を争点化させず、反対する稲嶺現市長の再選を阻もうとしている。
 そもそも辺野古新基地建設自体、破綻しているのだ。実に十七年前の一九九六年の在沖米軍基地の機能強化を目的としたSACOの最終報告で候補地とされた辺野古新基地計画であったが、一九九七年に名護市民投票で反対票が過半数にのぼり、二〇〇四年以降の環境影響調査に対する辺野古現地での命を守る会を先頭にした実力阻止闘争や県民大会を開催しての県民世論の形成などで、手続き自体がいっこうに進まず頓挫。今度は計画を修正し、在沖海兵隊のグアム移転とのパッケージにしたりしてきたが、「最低でも県外移設」を訴えた民主党政権と、建設に反対する稲嶺名護市長が誕生した。その民主党政権も「県内移設」=辺野古容認へ裏切ったことで、県議会をはじめ四十一市町村の全議会での「県内移設」反対決議が採択されたことを皮切りに、今日の「オール沖縄」へ至るのである。
 環境影響評価も基地建設ありきの露骨なひどさで、環境影響評価の体もなしていないしろものであった。環境破壊しながら暴力的に自衛隊までも投入しておこなった現地調査のうえに、最初の方法書から戦闘機などの機種が特定されていないなど基地についての詳細が書かれていないことや、ジュゴンやサンゴの保護があいまいなどデタラメで、闇討ちで沖縄県庁に置いていった評価書に対して沖縄県は、評価書に不記載だった約千七百万立方メートルという膨大な埋め立て土砂の調達先や運搬計画の明示、ジュゴンや海草藻場への影響などを含む、事業計画の八割を占める三十六項目四百四件の不備について指摘し(公有水面埋め立て事業部分)、知事意見も「地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能で、日本国内の他の地域への移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策だ」と結論づけたのだ。その補正もままならない中で環境影響評価を終了とし、名護市長選前に承認させられるよう今年三月の公有水面埋め立ての承認申請しようとしているのだ。

  ●第二章 米軍機能強化、オスプレイ訓練激化

 辺野古新基地建設は、在日米軍再編・米軍と自衛隊の一体化という、新たな日米安保体制のメルクマールとして位置づけられている。
 辺野古新基地建設は、米軍再編のなかで、在沖米海兵隊のグアム移転(全部ではないが)と嘉手納以南の基地の返還をパッケージとして押し進められようとしてきた。しかし、グアム移転は米政府予算の凍結で日本政府からの資金提供を当てにしており、嘉手納以南の基地返還はほとんどが「二〇二五年またはその後」とされており、那覇軍港をはじめ、すでに返還合意している基地で返還の目途もまったく立っていない。オーストラリア、ハワイ(今後フィリピンでも)で海兵隊のローテーション訓練が始まっていたり、オーストラリアでは米海兵隊の新たな基地建設計画が明らかとなっていたりして、米軍にとっての辺野古新基地建設の軍事的重要性がなくなっていることがますます明らかとなっている。
 十月三日に開かれた日米両政府の外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で発表された共同文書では、日米政府は辺野古新基地が「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処」しながら「普天間の固定化を避ける唯一の解決策」として計画を完了することが確認され、在沖米海兵隊のグアム移転計画は二〇二〇年代前半に開始すると時期を明示し、普天間飛行場に配備されているMV22オスプレイの「県」外での訓練を増やす方向で取り組むことを確認したという。また、訓練区域の使用制限の一部解除と、返還が予定される米軍施設・区域への事前の立ち入りを可能とすることを取り決めた。進まない辺野古新基地建設とグアム移転、そしてオスプレイ配備など沖縄の基地強化に対して「負担軽減」を名目にした文言でしかない。同文書で、嘉手納基地にも配備されている米海軍P3哨戒機を今年十二月からP8哨戒機に段階的に変更するという新型機配備のことや、普天間のKC130輸送機を岩国基地へ移駐するための協議を早期に終えることも同時に確認しているのだ。
 「財政上」は既存の基地を使用した方が安上がりであり、「運用上」「戦略上」はすでに沖縄である必要がなくなっていることから、共同文書が言う「懸念」は「政治上」のものであることは明白だ。つまり、森本前防衛相が「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適」と発言したことを公文書で記述したのである。沖縄差別以外の何物でもない。
 すべてを沖縄の「負担軽減」を名目にしているが、米軍再編の中で新たな基地機能強化がむしろ続いている。
 オスプレイについては沖縄への追加配備を強行し、訓練とそれにともなう離発着がさらに激化し、日米合意違反が続いている。十月一〜三十一日に沖縄の各自治体から報告された目視調査結果(速報値)では、十四市町村から二百四十五件の目撃情報が寄せられ、そのうち百七十二件が運用ルールを定めた日米合同委員会合意に違反すると思われるとされている。第一陣の十二機が配備された昨年十月と比べて、目撃情報は十八件減ったが、合意違反の報告は二十件増えた。違反と思われる百七十二件のうち「学校や病院を含む人口密集地上空の飛行」が百七十件で大半を占めた。米軍の提供施設・区域外のヘリ(回転翼)モード飛行は十九件。午後十時以降の夜間飛行は七件だった。
 とくに民間地の騒音としてはキャンプ・ハンセンに近くキャンプ・シュワブ、北部訓練場、伊江島補助飛行場との間にある宜野座村の騒音はひどい。十月三十日夜には、オスプレイ二機が何度も低空飛行した際の騒音が100・9デシベルを記録した。米軍機の騒音が100デシベル(電車が通る時のガート下の音に相当)を超えたのは同村では初めてだ。
 伊江島では、米海兵隊が作成した環境審査書で伊江島補助飛行場での年間訓練回数を現行のCH46中型輸送ヘリコプターの二千八百八十回(二〇一〇年)から二・三倍の六千七百六十回に増えることが配備前から明らかとなっていたが、じっさい訓練の激化はすさまじい。危険な夜間やヘリモードでの訓練が多数行われているだけではない。米軍は新たに六ヵ所の離着陸帯を設けている。六月には牛三頭が早産し、二頭が死ぬ事件が起きているのだ。
 高江でも沖縄配備早々にオスプレイは北部訓練場へ飛来し、低空飛行と夜間での訓練をおこなっている。それこそオスプレイ用と言われている新たなヘリパッドは当時はまだ建設中で完成していなく、旧来のヘリパッドを使用したのだ。
 また、六月と八月にクラスA(「損害額二百万ドル以上または死者発生」の場合)の事故、九月にも火災警報の誤動作による緊急着陸が米国内で発生した。沖縄でも九月二十八日、普天間基地に戻ったオスプレイ一機が降着装置の不具合か着陸できず、約十メートルの高度で約一時間に及ぶホバリングを続けた。オスプレイの事故は続いており、いつ住民の命を奪う大惨事となるかもしれないのだ。
 さらに「本土」では低空飛行訓練のみならず、日米共同軍事演習や「防災」「災害支援」の名目での軍事展開を拡大させている。日米共同軍事演習でオスプレイを使用し始め、十一月の離島奪還訓練でも自衛隊統合幕僚長がオスプレイで普天間基地から護衛艦「いせ」に乗り着けたり、台風で中止となったが高知での日米共同統合防災訓練でも使用しようとしてたりした。
 前記した2プラス2の共同文書でオスプレイの「県」外訓練が「沖縄の負担軽減」と記述されたが、沖縄配備を撤回しない限り「負担軽減」にはならないのだ。「県」外訓練は訓練の拡大であり、沖縄での訓練とそれにともなう離発着の激化でしかない。
 さらに嘉手納基地では、空軍所属のCV22オスプレイの配備計画では当初九機配備予定だったが、来年七月〜九月に三機の先行配備が明らかとなっている。さらに暫定配備されていたF22Aラプターの配備期間が再延長され、すでに九ヵ月の長期間、常駐化し、90〜100デシベル内外の爆音でほぼ毎日訓練している。アフガニスタンやイラクなどで軍事作戦に参加しているF15戦闘機も嘉手納基地や空海域訓練場での訓練を繰り返して緊急着陸が増加している。

  ●第三章 「離島奪還訓練」自衛隊の実戦部隊化

 日米共同文書の「施設の共同使用」では、「両政府は、(略)米軍と自衛隊との間の施設の共同使用を拡大する機会を検討する意図を有する」と言う。この二〇一〇年五月の2プラス2の日米共同声明で明らかとなったように、日本政府は辺野古新基地建設で米軍と自衛隊の共同使用を目論んでいる。
 日本政府は米軍再編による自衛隊の一体化に絡めて沖縄の自衛隊強化を押し進めようとしており、その拠点として辺野古新基地建設があることをとらえておかなければならない。辺野古新基地建設を押し進めているのは、日本政府である。もちろん、米海兵隊の巨大新基地が日本によって建設され自由使用できること、グアム移転とのパッケージにすることで日本政府からの資金調達が可能になることで、米帝の利害としてもある。
 これまで自衛隊は沖縄戦での日本軍の悪行に対する沖縄人民の怒りから、七二年沖縄反革命統合による日本軍=自衛隊の再上陸後もピストル以外の実弾射撃訓練はできない状態が続いた。しかし、米軍再編による米軍と自衛隊の一体化によって、米軍再編合意に基づき二〇〇八年からキャンプ・ハンセンで、二〇一一年からはホワイトビーチで陸上自衛隊と米軍との共同使用が始まった。キャンプ・ハンセンでは行進や市街地戦闘を含む戦闘、警備、偵察、射撃、爆破などの訓練、ホワイトビーチでは海上、陸上での偵察訓練などをおこなっており、自衛隊がこれまでできなかった実弾射撃訓練をはじめとした実戦訓練を米海兵隊との共同演習も含めて実施してきているのだ。陸自にとって飛躍的な実戦部隊化の訓練である。
 本年七月には、「新防衛計画の大綱」の「防衛力の在り方検討に関する中間報告」が発表された。なかでも「島嶼部に対する攻撃への対応」では、「……機動展開能力や水陸両用機能を確保することが重要」とし、「弾道ミサイル攻撃及びゲリラ・特殊部隊への対応」では、「……総合的な対応能力を充実させる必要」があるとし、そして「大規模災害等への対応」では、「……必要な輸送力を確保するとともに、演習・訓練の充実を図る」としている。
 水陸両用機能について、政府は、「島嶼防衛」を担う三千人規模の専門部隊「水陸両用団」(仮称)を、二〇一五年度にも陸上自衛隊に新設する方針を固めていると報道されている。侵攻された離島を奪還する米海兵隊のような機能を持つ部隊の強化を目指し、離島奪還のための水陸両用作戦に対応するため、政府は来年度、三十人程度の「水陸両用準備隊」を設置する予定だという。
水陸両用団はこの準備隊を基に、現在、主に「島嶼防衛」を担っている西部方面普通科連隊(佐世保基地所属)の約七百人を組み入れ創設する。第一空挺団など、精鋭部隊を擁する防衛相直属の「中央即応集団」に配置し、全国各地の離島に機動的に展開することも想定しているという。
 さらに「新防衛計画の大綱」には、釣魚島など「島嶼防衛」強化のほか、弾道ミサイル防衛の強化などを柱に掲げ、具体的に充実させる装備として、空中給油機を現在の一個隊(四機)から二個隊に増やすことや、高速航行が可能な小型の護衛艦の配備が盛り込まれると報道されている。空中給油機の増強は、離島周辺の制空権の維持に向けて態勢を強化する必要があると判断したという。政府・自民党は十二月十三日に「新防衛計画の大綱」の閣議決定を目指している。
 この「新防衛計画の大綱」を前倒しして、「島嶼防衛」の強化がすでに始まっている。自衛隊はこの数年間、二年に一度ずつ米軍と共同で「離島奪還訓練」を行ってきた。十一月一日から十八日までおこなわれた離島奪還訓練は、日本の陸・海・空自衛隊およそ三万四千人が動員される過去最大規模であった。日本単独で陸・海・空自衛隊が総出動し、無人偵察機まで飛ばしながら実戦のような作戦を国内で展開するのは今回が初めてである。
 沖縄島から南東側に約四百キロ(釣魚島とほぼ同じ距離)離れた無人島の沖大東島でおこなわれた訓練は、この島が「敵軍」に奪われ占領された状況と仮定して行われた。海上自衛隊の護衛艦が艦砲射撃をし、航空自衛隊F―2戦闘機が爆撃を加える中、佐世保基地に駐留する陸上自衛隊(西部方面普通科連隊)の特殊部隊員約百人がホバークラフトに乗って上陸を図る。ただ、この島の周辺には珊瑚礁が多く、実際には上陸しない計画だ。上陸訓練には沖縄西端の久米島から飛ばした陸上自衛隊所属の無人偵察機も動員されるという。
今回の訓練のもう一つの特徴は、中国の軍艦が頻繁に出没している宮古海峡(沖縄島と宮古島の間)を狙った作戦であったことである。自衛隊は今回の離島奪還訓練と併行し、沖縄島南部の那覇基地と宮古島に、北海道・東北地方に駐屯していた地対艦ミサイル部隊を移動させた。八八式地対艦誘導弾を沖縄・宮古島に配備し、宮古海峡前の海域をミサイル射程圏とするミサイル防衛システムを動かすのは今回が初めて。石垣島にも地対艦ミサイル部隊を配置することを検討中と報道されている。
 この訓練が対中国、釣魚島をターゲットにしていることは明白であるが、宮古、石垣、与那国などの有人の島も対象としており、このまま投入できる実戦訓練となっている。
 離島奪還は、敵対勢力に上陸を許して制圧された島に上陸して武力で奪い返す作戦としている。「自衛隊によると、南西諸島の地形上の特性から、敵の攻撃を受けた場合、島の確保が難しいという。沖縄戦をはじめ太平洋戦争で離島防衛に失敗した日本軍の事例や欧米の作戦を分析した結果、いったん敵に島を占領させた後、増援部隊が逆上陸して敵を撃破する戦い方が採用されたようだ。敵は上陸に際して相当の火力を使うと想定している。島に事前配置する自衛隊には、敵の攻撃を受けても増援部隊が到着するまで『残存』できる防護能力と機動力、火力を装備させる」(『琉球新報』十月二十五日付)という。
 とくに問題にしなければならないことは、この訓練は住民避難を想定しておらず、沖縄戦を想起させることだ。自衛隊幹部が隊内誌の論文で、自衛隊が想定する島嶼防衛戦は、敵に離島(南西諸島)を占領された後、強襲上陸し奪還するものであると書いている。「領域保全を優先」するため「住民混在」の「国土防衛戦」を行うと明記している。別の論文では、沖縄戦を含む太平洋戦争中の島嶼防衛戦を分析、教訓にしている。沖縄戦は「特別攻撃、進攻遅延海・空戦闘と地上戦闘により一定の(米軍を沖縄に引き止める)遅延効果は認められた」という内容だ。沖縄戦を賛美し、国体護持=「本土」防衛のために沖縄人民を犠牲にすることを当然のごとく言ってはばからない。断じて許してはならない。
 また、宮古島以西への自衛隊の強化も進めている。与那国島の陸上自衛隊沿岸監視部隊配備のために、二〇一四年度予算の防衛費概算要求で百五十五億円が計上された。防衛省は与那国島への自衛隊配備を容認する外間守吉町長と町議会議員、防衛協会の利権をむさぼりたいやからを利用しながら、住民運動を無視して既成事実を積み重ね、候補地である町有地の仮契約(本契約は賃貸契約解除などを条件としている)を強行してきた。それにもかかわらず、七月の町長選でも反対の声は根強く票数はほぼ真っ二つで、かろうじて現町長が勝った。しかし、その町有地の賃貸契約している南牧場が契約更新しようとしており土地の確保が頓挫する可能性がある。反対する与那国改革会議は住民投票を要求しているが、外間町長と与党多数派の町議会議員が受け入れず、一方的な説明会をおこなうことで済まそうとしている。
 宮古島や石垣島は、機動展開部隊と連携して突発的事態への初動対応に当たる部隊新設の配備先にされており、宮古島市の下地島空港の利用も狙われている。すでにPAC3を設置したり離島奪還訓練の地対艦ミサイル部隊が展開するなど、共和国や中国の脅威を名目になし崩し的にこれらの島々を踏み荒らしている。
 また見逃してならないのは、沖縄の経済界が求めてきた那覇空港の第二滑走路建設である。それすなわち軍民空港であることから自衛隊・那覇基地としても強化される。すでに、南西地域で即応態勢を充実させるため、那覇基地に戦闘機部隊一個隊を移動させ、二個飛行隊へ改編し、強化する方針を定めている。那覇空港を利用する自衛隊機の年間飛行回数が二〇一〇年度の二万四千四百六十六回から二〇三〇年度には二万九千六百三十九回と、五千百七十三回増加することを想定しているのだ。この那覇基地の強化で隣接する那覇駐屯地か、または完成とすることになれば辺野古新基地に西部方面普通科連隊が移駐してくることも予想される。
 そして、この時期に軌を一にして顕著になっているのが、八重山での教科書採択問題である。
 文部科学省が地方教育行政法を改定し、採択地区協議会の決定に従うことを義務化しようしたが、結局は、「まずは最小限の見直しで対応する」(下村文科相)として、無償措置法の改定により、採択地区協議会のルールを明確化させることで地区内同一の教科書を採択させる考えを示した。竹富町を狙い撃ちにしたものだ。十月にも、「特別法の無償措置法の方が優先される」として、県教委に対し、竹富町に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版教科書を使用させるよう圧力をかけている。
 また、発表された「教科書改革実行プラン」で、検定申請時に教科書の編集方針をまとめて文科省に提出する書類に、その教科書のどの程度、「愛国心を育む」など教育基本法の趣旨を反映しているかも明示させる。教基法の目標に照らし、重大な欠陥があると判断した教科書は不合格にすることを検定基準に明記する。すなわち、日本軍による「強制集団死」をはじめ、沖縄への日本・天皇の責任に触れるような掲載を徹底的に削除する狙いだ。
 沖縄戦での日本軍による「強制集団死」を改ざんした教科書検定と同じく、八重山での教科書採択も狙いは沖縄戦の改ざんであり、自衛隊の強化にともない自衛隊に協力させ従わせるために、日本軍の行為を否定したものを改ざん、または抹殺しようとしているのだ。

  ●第四章 沖縄人民の闘いと右翼の跳梁跋扈

 沖縄人民は日帝の差別軍事支配、軍事植民地化攻撃にさらされている沖縄の状況にもう甘んじることはできず、そこからの脱却へと踏み込んできている。これまでの基地を存続させるために振興策と交付金漬けにされてきた自治体の財政からの脱却と地場産業の発展のため、七二年沖縄反革命統合後四十一年の現在も存続する米軍基地の縮小・撤去を実現していこうとする一方で、米軍再編と米軍と自衛隊の一体化による新たな基地機能強化に、反対運動にとどまらない沖縄の未来をかけたたたかい、沖縄解放闘争の新たな段階へと至っているのだ。だからこそ、日帝国家権力と右翼が乗り込んでつぶしにかかっていることをとらえておかなければならない。

  ▼第4章―1節 名護市民の闘いと「県外移設」

 まずもって、名護市民のたたかいがまさしくそうである。「大事なことはみんなで決めよう」と実施した名護市民投票で基地建設反対票を過半数取ったことに始まり、比嘉市長の受け入れ・辞任、その後の市長も新基地を受け入れることで基地交付金や北部振興策などに金が注ぎ込まれ、結局は公共施設のハコ物ばかりをつくったりする一方で、地元土建業者が倒産するなど市民生活全般に予算が行き渡らない市政でしかなかった。そんな市政に対して市民は保守で辺野古反対を表明した稲嶺進氏を当選させ、稲嶺市長を支える市議会議員で議会の過半数以上を獲得したのだ。
 稲嶺市長は政府による基地交付金の打ち切りなどの圧力にも財政再建で打ち勝ち、市民目線の姿勢で市政を押し進めてきた。一部の利権のための政治でなく市民のための政治を名護市民が求めてきた結果である。そのひとつが辺野古新基地建設反対であるが、この問題が市政を刷新し発展させることになったことは言うまでもない。名護市民投票によって市民自らが声を出して行動し選択したが、その名護市民の基地反対の声が踏みにじられて市民の声は聞かれなくなっていた。しかし、稲嶺市政の中で再び市民一人ひとりが市政へ参加する状況が生み出されている。公有水面埋め立て申請の手続きで沖縄県へ提出する名護市長の意見(十一月二十七日に提出済)に反映させるため、十月三十日までに募集した市民の意見は実に二千五百通にもおよんだ。99%を反対意見が占めていたという。名前や住所を明らかにし、意見を書いて送るという方法で、これだけの数の意見が集まったことの意義は大きい。十一月二十二日の臨時議会で採択された名護市長の意見は要約すると、@新たな負担を強いる基地建設を認めるわけにはいかない、A知事意見の通り環境保全は不可能であり、強く反対する、Bオスプレイ配備は市民生活に不安を与える、C「辺野古が唯一有効な解決策」との主張は整合性を欠く、D事業所がジュゴンの食み後やウミガメ上陸を公表していない。アセスの理念無視だ、E市民からの意見のほとんどが代替施設受け入れ反対の声だ、である。また重要なことは、辺野古区でも利権派地域ボスとして振る舞い辺野古容認をしてきた区長が今年三月の区長選挙で敗れるなど情勢が流動化してきていることや、稲嶺市長の地元でもある旧久志村三原区では、旧久志村で初めて辺野古反対の市長の後援事務所がつくられたりしていることだ。
 この辺野古反対でガッチリとスクラムを組んでいる名護市を根拠にして、民主党政権が「県外移設」から「県内移設」=辺野古容認へと裏切ったことから県議会をはじめ四十一市町村長議会すべてで「県内移設」=辺野古反対決議が採択される。そして沖縄の全市町村長が反対を表明し、二〇一〇年四月二十五日には「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」を九万人の結集で開催した。その後の地方選挙から国政選挙では、ほとんどすべての議員候補が「県外移設」を公約としたのである。これまで容認してきた仲井真知事すらも、前回の知事選では「県外移設」を打ち出すことで再選し、それ以降、「地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能」「県外のほうが早い」と繰り返して言っている。

 ▼第4章―2節 闘いは続くオスプレイ配備阻止

 またMV22オスプレイの沖縄配備に対するたたかいも同様だ。そもそもオスプレイは開発段階から事件・事故を繰り返してきた。米国内では反対意見を尊重しオスプレイの低空飛行訓練が延期され、同じくハワイでも二つの空港での着陸訓練が中止されている。これに対し沖縄には問答無用に配備してきた。日本政府もただただこれを容認している状況に、沖縄人民は、まさしく墜落と死への恐怖と沖縄差別への怒りで立ち上がった。
 県議会をはじめ四十一市町村すべての議会での反対決議、同じく首長の反対表明、そして二〇一二年九月九日には「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」が十万一千人の結集でかちとられ、各自治体でも集会を続々と開催した。そして、沖縄配備が強行された直前同年十月の直前には、普天間基地のゲート前で市町村の首長を先頭とする県民大会を主催した実行委員会のメンバーが座り込みに連日決起したのだ。この座り込みは、ともに決起した人民大衆による九月二十八日から三日間の普天間基地ゲート封鎖へと至ったのである。歴史的に初めて多くの首長の座り込み決起を実現し米軍基地のゲート封鎖をかちとったことは、オスプレイ沖縄配備を許さない、これまでにない怒りと行動を示したと同時に、米軍基地を封鎖し撤去をかちとれるんだという、展望を切り開いた。だからこそ、普天間ゲート前でのたたかいは継続し今も続いておこなわれている。
 たたかいは継続し、同県民大会実行委員会で今年一月二十七日には東京集会とデモ行進をおこない、翌二十八日には総理直訴でオスプレイ配備撤回と普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設の断念をすることを記載した。建白書を安倍に直接手渡した。そして追加配備を強行した際には、県議会を中心に県市長会、市議会議長会、県町村会、県町村議会議長会が抗議する共同声明を発表するなど、「オール沖縄」のたたかいは継続している。

 ▼第4章―3節 新たな契約拒否地主

 一方、一九九二年に二十年の使用契約し昨年五月十五日で期限切れした(現在、暫定使用となっている)米軍用地の新たな二十年使用契約に対して百七名もの地主(計十六基地、約三十万二千六百四十三平方メートル分)が再契約を拒否して、公開審理に決起している。とくに奥間レスト・センターとキャンプ・シュワブ、金武ブルービーチ訓練場、キャンプ・マクトリアス、ホワイトビーチ地区の五基地については初めての契約拒否であり、返還合意から十七年もたつ普天間基地では二十一人いる。
 昨年十一月から始まった公開審理では政府・沖縄防衛局が十年の強制使用を求め、地主が意見陳述で沖縄への過重な基地負担や基地被害への怒り、普天間基地の「県外移設」などを訴え、再契約に応じられない考えを示した。「国のために長い間、協力してきた。だが沖縄はいつまでもいじめられている」(嘉手納弾薬庫内の土地所有者)、「オスプレイが一ヵ月、昼夜を問わず演習しており、区民に相当の被害がある。ぜひ区の意思をくんで返還させてほしい」(金武町並里区長)。並里区は、オスプレイの訓練が激化している金武ブルービーチ訓練場に区有地がある。「交通事故を心配していた矢先の事故だった。いまでも米軍車両の交通量が多い。一日も早く返還してほしい」(宜野座村城原区長)。城原区は、過去に米軍車両による男児轢死(れきし)事故が起きた村道の区有地がある。
 もうこれ以上基地の犠牲にはなりたくない、子や孫の時代に基地を残したくないという沖縄人民の共通した思いのうえに、世代交代での土地の分割により軍用地料に依拠しない地主も増え、政府の基地政策に対する怒りなどから返還を求める動きが広がりつつある。
 まさしく軍用地闘争は、沖縄の階級情勢に反映し結合してたたかわれているのだ。つまり反戦反基地闘争の前進で新たな契約拒否地主が生まれ、新たな契約拒否地主の大量の決起が反戦反基地闘争を前進させるのだ。この重要な位置にある軍用地闘争をけん引したたかい続けている反戦地主の存在が大きいことがあらためて確認されるのである。反戦地主会と一坪反戦地主会は、この歴史的な契約拒否地主の決起に結合して公開審理闘争をたたかっている。

 ▼第4章―4節 権力の弾圧と右翼の敵対

 このような沖縄解放闘争の新たな地平に対して、権力や右翼が介入して闘争をつぶそうとしている。
 七月二十一日の参議院選挙の翌日未明に突如、普天間基地の野嵩ゲート前の公道との境に新たなフェンスが設置された。この暴挙にかけつけ体を張った座り込みに対して、警察は暴力的に蹴散らしてきた。座り込んだ人の中には、衣服が破れたり怪我を負ったりした人もいた。その最中、一名が不当逮捕されたのだ。すぐに釈放されたが、警察はその後も野嵩ゲート前での抗議・座り込み行動をさせないように大量出動して規制したり信号機をつけたりするが、抗議・座り込み行動の参加者は間隙を縫って臨機応変にやりぬき、警察もなす術がない。
 高江ではヘリパッド建設工事の強行に抗議・座り込みをする住民に対し、政府・那覇防衛局は「交通妨害禁止」の訴訟を起こしている。一審で一名が有罪判決を下され、二審でも同じく不当判決が出された。今、住民たちは最高裁での審理を追求している。しかし、住民は怯むことなく支援を呼びかけ、工事業者の侵入を許さない抗議・座り込みを日夜、続けている。
 また付け加えておかなければならないことは、現在、強行成立されようとしている特定秘密保護法案こそ、情報を政府・軍が統制し、住民には管理した情報だけを垂れ流すもので、それはすなわち米軍と自衛隊の強化に反対する沖縄人民にかけられてくる。軍関係のことがほとんど秘密扱いにされ、暴露したなら弾圧するということは、反戦反基地運動に制動をかけることになるのだ。
 右翼も沖縄で跳梁跋扈し、この沖縄人民の総決起のたたかいへの妨害・破壊などおこなってきている。一月二十七日、二十八日のオスプレイの配備に反対する沖縄県民大会実行委員会による東京行動に対してのあからさまな右翼の敵対と、それと一体となった警察権力の弾圧は記憶に新しい。沖縄への自衛隊強化を政策にして以降、幸福実現党だけでなく、日本会議や頑張れ日本!全国行動委員会、在特会の連中も沖縄に乗り込んできているのだ。
 かれらは街宣車で喧伝する。普天間基地ゲート前抗議・座り込み行動を前にして、「クリーン・プロジェクト」と称してフェンスに取り付けた抗議のリボンや横断幕を取り去ったり、行き来する米軍車両に手を振り声をかけて歓迎のアピールをしたり、または直接、悪罵を抗議行動の参加者に投げつけたりしてくる。五月の平和行進では従来休憩所にしてきた宜野湾市民会館の駐車場の使用を宜野湾市が断ってきた。右翼が当日、宜野湾市民会館を集会で使用することを理由にしてからだ。辺野古でも浜のキャンプ・シュワブのフェンスに取り付けたリボンや横断幕を取り去ったり、テント排除のために恫喝しにくる。右翼は十月二十七日には辺野古公民館で集会を開催した。前記した辺野古容認の運動や名護市長選で島袋前市長の背後でも右翼勢力はうごめいている。

 ●第5章 沖縄解放闘争の前進と「本土」人民の闘い

 この辺野古新基地、オスプレイ配備に対する沖縄人民が「オール沖縄」でたたかいぬいている最中の四月二十八日に、自民党・安倍政権は「主権回復の日」と称して記念式典を天皇を出席させて強行した。再び、一九五二年四月二十八日に沖縄を切り捨てた「屈辱の日」にしたのだ。それは同時に沖縄人民に日帝国家権力は沖縄を日本と思っていない。沖縄人は日本人ではないことを冷徹に自覚させられることとなった。
 辺野古新基地、オスプレイの配備に対して、あらゆるブルジョア民主主義の方法で反対しても計画を強行するのに、「本土」では自治体が反対すると引っ込める、という差別がもはや沖縄人民の共通した認識だ。そしてそのことに圧倒的多数の「本土」の人民が無自覚であり、この沖縄差別構造を支えていると。だからこそ、沖縄のことは沖縄で決めなければならない、自己決定権を行使すべきだ、沖縄独立しかないという声が高まり、立ち上がりが始まっている。反戦反基地闘争のさらなる前進で沖縄解放闘争の発展をかちとっていこう。
 この沖縄の状況は裏を返せば、「本土」人民の階級闘争の敗北の結果である。今こそ沖縄のたたかいと結合した反基地闘争を全国で構築し、安保粉砕の奔流へと発展させていくことが喫緊の課題だ。そのメルクマールとして今や米海兵隊の一大拠点となった岩国基地や厚木基地などの神奈川の反基地闘争と結合し沖縄解放闘争を推進していこう。
 沖縄―「本土」つらぬくたたかいで、辺野古新基地建設阻止、オスプレイ配備撤回、そして、高江ヘリパッド建設阻止、普天間基地撤去をかちとり、米軍再編・自衛隊の一体化を粉砕して沖縄解放―安保粉砕へと進撃していこう。



 

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