共産主義者同盟(統一委員会)






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   共産主義者同盟(統一委員会)

          第四回党大会の報告
    
 

 共産主義者同盟(統一委員会)が結成されて十一年目の二〇一五年の冬、第四回党大会(以下、四大会)が全党の同志を集めて開催された。四大会のメインスローガンは、「改憲、戦争・差別排外主義・新自由主義を粉砕し、労働者・被抑圧人民の国際的団結を強め、プロレタリア革命への反転攻勢を総力できりひらこう!」と、「共産主義運動を創造的に組織し、党勢拡大に勝利しよう!」である。全国各地から多くの党員が直接参集した熱気あふれる党大会であった。出席者が全党の過半数をはるかに超え、大会成立を確認した。四大会は、大会議長団の下で、冒頭、逝去した同志への黙祷、開会宣言、新入党員紹介を行った。その後の本会議においては、第一議題で中央委員会報告案の討議と採択、第二議題で大会決議案の論議と採択、第三議題で綱領第一次改訂案の報告と討議、そして第四議題で中央委員会選出=新指導部建設を闘いとったのである。最後にインターナショナル斉唱で締めくくった。われわれは、安倍政権打倒を闘い、プロレタリア革命の反転攻勢を組織する四大会路線を確立した。ここに四大会の中央委員会報告の要旨と獲得地平を報告する。また大会決議を掲載する。

  ●1章 四大会・中央委員会報告の要旨

  ▼1章―1節 「一章、三大会路線の成果と課題」―三年間の活動総括


 三大会路線下では、政権打倒の広大な統一戦線形成を担い、その左派勢力を創造していくことを、わが同盟の方針とした。沖縄解放闘争、岩国闘争、京都米軍基地反対など反戦反基地闘争を各地でたたかった。反戦反基地闘争や反原発闘争では、各地方で統一戦線の建設を促進してきた。だが安倍政権打倒の全人民決起を推進する左派勢力・反帝国際主義派潮流の建設はいぜん大きな課題である。三里塚闘争では、権力の妨害を跳ね返し、新団結小屋を建設した。常駐する行動隊を革命家育成の戦略活動と位置づけ、反対同盟農民の農地死守実力闘争を支え、中央政治闘争の部隊としても強化した。市東孝雄さん、萩原富夫さんの農地死守の闘い、裁判闘争、これらへの支援を大衆的に広げながら闘っている。
 労働運動では、党による一からの労働者の組織化・団結を形成する労働組合運動を進めている。左派系中小労働運動、郵政、教労、自治体、地区労など、各地で拠点形成や労組活動家づくりを行う。冊子を通じて、労働者の反戦・国際連帯、労働運動再構築の路線提起、職場闘争交流、若手労組活動家育成などを進め、全国労組活動家ネットワーク建設を新しい段階に発展させた。
 被差別解放戦線の闘いは、共産主義運動の中心的課題の一つである。女性解放委員会は、階級的労働運動、反帝国際主義政治闘争の組織化、女性共産主義者の形成といった任務を位置づけ活動してきた。障害者解放委員会(準)は、新自由主義と戦時障害者抹殺攻撃と対峙し、地域での自立解放を進め、差別糾弾闘争を堅持し、日帝打倒―プロレタリア革命の一翼を担ってきた。被爆二世解放委員会は、被爆二世運動の分析・総括を進め、被爆体験の継承、被爆二世の健康不安と国家補償を組織化し、差別・偏見を許さず、「核と人類は共存できない」との被爆者解放の綱領的地平から、福島連帯や上関原発反対の活動を進めてきた。沖縄解放委員会(準)は、「被抑圧人民の各解放委員会」の一つとして、「沖縄差別軍事支配打破・沖縄解放―安保粉砕―日帝打倒―米帝放逐の路線を首尾一貫して推進し、沖縄―「本土」を貫くプロレタリア革命の革命主体としての沖縄人共産主義者を組織する」と位置づけ、活動を推進してきた。部落解放運動では、差別事件に対する糾弾闘争、在日朝鮮人差別との対決などの反差別共同闘争、石川さんの無実をかちとる狭山闘争などを、たたかう部落民とともに推し進めてきた。入管闘争では、朝鮮学校「無償化」排除にたいする闘いを在日の闘いに連帯して取り組んできた。
 反帝国際主義の闘いでは、一九九二年結成の大衆運動であるAWC活動を支えてきた。韓国、フィリピン、台湾、インドネシア、米国の労働者民衆との連帯活動、六月アジア共同行動、反戦反グローバリゼーション・アジア米軍総撤収の国際連帯闘争を支援した。
 学生運動では組織化再建に奮闘した。新しい学生運動指導基調を決定。現代学生の分析では、学生の一部はインテリ層であるが、大半は貧困な同世代青年層とつながった存在であり、抑圧と貧困の状況の変革をめざす青年運動と通底する性格を捉えることを確認した。学生運動の現場活動家の成長をうながし、その責任を強め、各地の地方委と有機的連関を進めている。
 青年運動は、戦略事業として、試行錯誤しつつも推進してきた。
 地方委とその系列の基本組織では、各地で指導部の世代交代が前進する一方、具体的課題を明確にした組織建設活動を強化させてきている。
 共産主義理論活動では、『戦旗』『共産主義』の編集、読み合わせ・討議のほか、大衆的学習会、理論学習会、党学校、JCLフォーラム、ユース・コミュニスト、冊子の読書会、資本主義批判・新自由主義批判の学習など、多様な活動を各地で進めた。学生運動では『共産党宣言』の講演を行い、「ブント学生運動の継承」などを方針化した。
 中央委員会は、年に複数回開催された。わが党の重要な実践と課題、路線について、中央委員会の集団的指導活動によって絶えず点検し深めていくという活動形態が定着した。
 三大会路線の主な成果と課題は、第一に、指導部・諸機関・地方委など、党組織の根幹において、世代交代が大幅に進み、党路線の発展もかち取っていることである。第二に、われわれは各地方だけでなく全国規模で左派勢力のヘゲモニーを再編強化し、左派労組・大衆組織・市民団体・人士などとの政治統一戦線をいっそう強化していくことである。反戦闘争実および反戦実を維持し、加えて左派勢力と反帝国際主義派の再編強化をすすめる。新たに立ち上がる青年達のなかで左派的な志向・グループと結びつくことである。

  ▼1章―2節 「二章、情勢とわれわれの任務、四大会路線」

 一節、国際情勢。1)世界経済は恐慌が続き、労働者人民への犠牲・搾取・貧困化・失業が激化する情勢にある。2)米欧日の帝国主義と中ロなど資本主義大国は、地域や権益の再分割争いを強め、戦争や軍事大国化をすすめ、新自由主義政策を拡大し、その延命をかけて激しく争っている。3)右翼ファシスト・差別排外主義勢力が台頭し跳梁跋扈している。4)世界各地で労働者人民、とりわけ若者の抵抗と解放にむけた闘いが続いている。5)中南米では、反米民族主義や新自由主義反対の左翼政権が続々と勝利している。6)北アフリカ、中東諸国における帝国主義の支配と軍事介入が続いており、「イスラム国」のような武装勢力の伸長という状況がある。
 東アジア情勢。アジア太平洋地域で盟主の座を占めてきた日・米帝国主義であるが、その構造は中国の台頭とともに大きく変貌した。中国は改革開放路線によって市場経済化―資本主義化をすすめ、国内では貧富の格差が拡大している。チベットやウイグルなどの民族自決権を認めず抑圧支配を強め、一方では海洋強国や対外膨張政策へと転換するまでに到った。
 二節、安倍政権批判。安倍政権の登場は、前民主党政権が人民の変革要求を裏切ったことを重要な要因として、無党派層が増大し有権者の棄権が増えたことに原因がある。国会は改憲派が圧倒的となり、労働者人民の一般的な政治意識とまったく異なる状況にある。
 安倍右翼反動政権の政治とは。「戦争放棄」から「戦争をする国家」へ、「主権在民」から「天皇元首化・国権主義」へ、「自由権・幸福追求権・生存権など人権擁護」から「国民」に国家や「公」の義務と奉仕を強制するなど、「戦前復古」とも呼ばれるほどの大転換を狙ったものである。「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を許さず、戦争諸法の立法化を断固阻止していかねばならない。ファシスト排外主義勢力が反基地など沖縄解放闘争や戦後補償の闘いに対して襲撃し、在日や部落大衆・女性・障害者への差別排外主義攻撃を激化させている。ファシスト排外主義勢力は解体あるのみである。
 この三年間の階級闘争状況は、歴史的な地殻変動を起こし、新たな高揚へと転換しつつある。アフガニスタン・イラクなどに対する米帝と同盟国の侵略戦争、二〇〇八年リーマン・ショックを端緒とした世界恐慌と新自由主義・格差貧困の深化、日本の3・11大震災・福島第一原発事故は世界史的なメルクマールとなった。
 三節、安倍政権打倒とプロレタリア革命準備。第二次安倍政権は、〇九年民主党政権登場を生み出した人民の変革要求にたいする右翼反動という性格をもって登場した。反原発や反基地、反戦平和、反貧困、集団的自衛権反対、改憲反対など人民の抵抗と変革要求は、広範に、かつ根強く存在している。課題の第一は、人民の憤激と変革要求を確固たる階級闘争へと発展させ、その団結をつくりだしていくための戦術・実践をいかに作りだしていくかである。安倍政権を打倒する統一戦線戦術とこれを牽引する左翼勢力の再編問題である。第二は、危機にたつ日帝と資本主義世界をラジカルに変革する革命的社会論を含む、共産主義運動の再構築である。共産主義運動は、若い世代にはマイナス・イメージか、ほとんど実感がないなど、大きなギャップがある。この問題を突破していかねばならない。
 四節、四大会路線とは。四大会路線の第一は、安倍政権打倒の全人民政治闘争とその統一戦線を組織し、その一翼を牽引することである。われわれは、「改憲、戦争・差別排外主義・新自由主義を粉砕し」、安倍政権打倒を先頭で闘う。四大会路線の第二は、原則的な左派勢力の共闘・再編を進めることである。左派勢力の結集は、「プロレタリア革命への反転攻勢をきりひらこう」を現実化する革命的左翼勢力の布陣形成である。四大会路線の第三は、反帝国際主義・大衆実力闘争派潮流を拡大し、アジア革命と連帯した日帝打倒―プロレタリア革命を切り拓くことである。断固として、「労働者・被抑圧人民の国際的団結を強め」る。四大会路線の第四は、労働者、被抑圧人民、学生・青年、被差別大衆の解放闘争を組織し、新たな階級闘争構造を建設していくことである。学生、青年労働者の運動と団結諸形態の組織化は決定的である。新たな階級闘争構造は、プロレタリア革命準備の重要な支柱であり、コミューン・ソビエトといった将来の革命権力の構成主体へと発展する階級的基盤である。第五には、「共産主義運動の創造的組織化」をかちとることである。安倍打倒の大衆的直接行動や、差別排外主義を粉砕する反帝国際主義の闘いは、「共産主義運動の創造的組織化」の革命的実践である。大衆直接行動や大衆実力闘争を実現する団結は、人民主権・直接民主主義に基づくコミューン・ソビエト=革命権力の組織形態へ成長発展する萌芽である。これは、スターリン主義、日共の議会主義、宗派集団の共産主義党母体論などの誤りを根底から批判する路線内容である。第六には、「党勢拡大に勝利」することである。我々の党勢拡大は、大衆運動・階級闘争の発展と切断した囲い込みや党の同心円的拡大とは根本的に異なる。労働者階級・被抑圧人民、被差別大衆の自己解放運動とその団結組織が発展することに立脚し、その先進勢力として、わが党の勢いと党員を増大させていかねばならない。

  ▼1章―3節 「三章、党建設と党勢拡大に勝利しよう」

 一節、中央諸機関。中央委員会、編集局、書記局、国際部、政治運動指導委員会、労働運動指導委員会、青年運動のそれぞれの内容紹介については略す。ここでは中央学対による新学生運動指導基調の内容について簡単に紹介しておく。日帝の産業競争力強化のために役立つ人材育成としての学生政策。学長一元化のもと「大学自治の最終的解体」、「愛国心」「伝統と文化」という天皇制・国家主義的教育方針が進む。学生の激しい貧困化が「就活」・「自己責任」をかきたてている。差別排外主義の煽動と浸透が進む。貧困化と閉塞意識のなかで、社会変革や共産主義運動への決起が求められている。反帝国際主義派学生運動・AWC運動の一翼を担う学生運動の建設を方針化。1)辺野古新基地・高江ヘリパッド、岩国、京丹後Xバンドなど反戦反基地。原発再稼働阻止。2)韓国、フィリピンとの国際連帯。排外主義集団の差別煽動、排外主義襲撃を粉砕。3)被抑圧人民・被差別大衆の自己解放闘争への連帯。4)日帝の大学再編との闘い。学園拠点の建設。種々の政治課題・社会危機への自然発生的憤激を促進し、ソーシャルネットを活用した学生大衆の決起を組織化する。反帝闘争拠点である三里塚闘争・沖縄解放闘争を推進。中央学対の産別的学生組織化路線を堅持。相対的若手を成長させ、現場組織化を強化。学生運動と地方階級闘争の相互発展や有機的連関を路線とする。学対は青年組織化に協力する。
 二節、地方委建設。地方委の地区委・細胞では、日常的団結のもと、組織文書の意志一致・機関紙学習・闘争参加・財政活動などが定着している。一連の基本系列の指導部建設をさらに発展させる。
 三節、共産主義理論活動。この領域の第一の目的は、若手党員や党外のシンパ大衆の共産主義に対する希望と確信を形成することである。第二の目的は、カードルを中心として、我々の共産主義の路線・思想・実践を創造的に深め、発展させ、党内カードル自身の路線創造力を培っていくことである。資本主義批判、帝国主義批判を深めスターリン主義批判を強化し、プロ独論・共産主義論を再構築していくことは、最も重要な理論活動である。党外の信頼できる活動家・左翼知識人との共同事業は、大いに工夫して推進する。
 四節、党勢拡大。党勢拡大の闘いは、地方委と諸機関、地区委・細胞という党組織の基本構造が、その中心をになう。党勢拡大活動では、運動路線・共産主義への強い確信、労働者人民・若者との連帯・組織化への情熱をもって展開することは不可欠である。そのような党の体質をレベルアップしていかねばならない。
 五節、古参指導部の活動。古参の指導部や党員は、人生かけて党活動を貫き、階級闘争と共産主義運動の経験を豊富に持つ頑健な共産主義者であり、党の財産である。「革命家に引退なし」のスローガンのもと、組織会議・実践活動をつづけ、党と階級闘争への貢献を継続することである。

  ●2章 四大会の概要とその地平

 四大会では中央委員会報告をめぐり、次の領域で活発に論議された。基本組織から意見書が複数提出された。被差別解放戦線からは「差別糾弾闘争と自己決定権」に関する路線の強化とその共有を訴える意見。差別排外主義攻撃をうけるアイヌ民族、朝鮮半島情勢、青年労働者と非正規職化の攻撃などについての意見。現実の労働者の実態と組織化、共産主義理論活動における概念の厳密化などの補強意見。中東情勢と「イスラム国」批判についての討議。マイナンバー導入反対。辺野古新基地建設阻止闘争の報告と強化を求める訴え。反帝国際主義の学生運動、学生・青年の窮乏化問題の取り組みの強化を求める意見、等である。修正、継続課題を確認した上で、四大会の中央委員会報告は圧倒的多数で採択された。
 党大会決議として、労働運動決議と青年決議が採択された。これは革命的労働者党の階級基盤や党勢拡大をめざす重要な組織戦略である。青年決議をめぐり、論議が巻き起こった。現代資本主義の矛盾への批判を強化すること、革命運動側の青年組織化の立ち遅れ問題、青年層へ反戦闘争を継承する課題、天皇制ファシズム打倒闘争の強化、子育て世代の問題、窮乏化や個別分断を突破する居場所や団結の形態形成、などについての意見が出された。
 綱領委員会によって党綱領第一次改訂案の経過報告と討議が組織された。現代革命の主体概念をめぐって、プロレタリアート、労働者階級、被抑圧人民、障害者・被差別大衆について、静止的概念ではなく階級形成の運動として捉える観点の重要性が確認された。暴力革命・武装蜂起路線の問題をめぐっては、説明の補強やブルジョア国家批判の強化などが指摘された。生産手段の「国有化」をめぐる論議、現代中国の分析の重要さを指摘する意見などがあった。今後、党内論議集を作成することで意見は集約された。共産主義理論活動を強める全党的勢いが形成された。
 そして四大会は新中央委員を選出した。全党は、古参指導部と若手中堅層を編成した多様性と安定性をもった新たな中央委員会を選出した。共産主義者同盟(統一委員会)の四大会は基本的に成功であった。党の世代交代を強化した。相対的若手からの実践指導に責任をもった意見も活発に多数出された。われわれは、四大会の成功の勢いをもって、安倍政権打倒とプロレタリア革命の反転攻勢の勝利に向け、左派結集・新たな階級闘争構造・共産主義運動・党勢拡大を闘い取っていく決意である。


  
■労働運動決議

 新たな階級闘争構造と革命的労働者党を建設して、安倍右翼反動政権を打倒しよう。
(1)安倍政権は、新自由主義と「戦後レジュームからの脱却」を掲げて、集団的自衛権行使の「戦争のできる国」づくりをめざしている。すなわち敗戦帝国主義としての歴史的制約を突破して侵略反革命戦争に打って出ようというのだ。そして、労働法制の大改悪をはじめ戦後民主主義的諸権利を解体しつつ、強搾取と差別分断の激化により労働者階級人民の生存権そのものを根底的に脅かしている。我々は、日本労働者階級の先頭で、反戦反基地闘争、反原発・再稼動阻止の闘い等、全人民的政治闘争の先頭に立ち、階級的労働運動を牽引して安倍政権を打倒していくことを決意する。
(2)かつて一九九〇年を前後する東欧・ソ連邦の崩壊によって帝国主義者は「資本主義の勝利」を豪語した。超大国米帝の新自由主義グローバリゼーションの展開と「新世界秩序」構築は、世界的混迷と、二〇〇一年9・11事件を生みだした。この「テロとの戦い」を口実に開始された米帝のイラク、アフガニスタン戦争は、中東情勢をより混迷させ、結果として米帝は中心国としての規定力を喪失させた。更に時代は、二〇〇八年リーマンショックと世界金融恐慌を経て、反グローバリゼーションの反撃が開始された。二〇一一年「アラブの春」以降の北アフリカ・中東地域では民主化闘争が爆発した。また中南米諸国は続々と反米左派政権を樹立させた。そして今、シリア、イラク、ウクライナの内戦激化、イスラエルのガザ侵攻、また東中国海の覇権をめぐり日米帝による対中軍事緊張が強まっている。我々この一時代を、帝国主義の新自由主義と侵略反革命戦争に対する、全世界労働者人民の反撃の時代としていかなければならない。
 国内においては、安倍政権の一大反動攻撃と総対決していくために、我々は新たな階級闘争構造を創出していかねばならない。戦後民主主義的な平和と権利擁護、「終身雇用、年功序列賃金、企業内労組」を基盤とした総評労働運動は、階級的労働運動と反戦青年委員会を生み出した。しかし、中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃の中で、国鉄分割民営化を通し「総評解散、連合結成」へと至った。連合は、労使協調路線のもと「新時代の日本的経営」という圧倒的多数の下層労働者切り捨てに走り、ついには「政労使会議」に参加して安倍政権の原発と戦争国家化を推進する「産業報国会」と化した。労働三権を解体して支配の道具としての「労組」さえ認めないという、むき出しの強権支配が目論まれている。今や労働運動総体が、左派指導部の交代を含めて、画歴史的な大再編期に突入している。
(3)我々に問われているのは、第一に貧困と生活苦にあえぐ圧倒的多数の中小零細企業労働者、非正規雇用労働者、女性労働者の組織化を闘いとることである。第二に、反グローバリゼーション、反戦・反基地、反差別・反貧困、国際連帯を掲げた階級闘争構造を、地域・全国を貫いて前進させることである。第三に、労働運動活動家とともに階級的実践を蓄積しつつ革命的労働者党を建設していくことである。
 そのための具体的方針を断固推進していこう。第一に、左派労働運動結集の努力をおこない、岩国労働者実行委員会の発展をかちとっていこう。第二に、全国労組活動家ネット運動を推進し、冊子発行を、左派労働運動活動家の経験交流と論争をおこなう左派交流誌として継続しながら、さらに党派的な新世代育成のために党的内容を掲載していく。また、大衆的学習会・合宿を開催していこう。第三に、新たな階級闘争構造創出のために、左派労働運動の内部にわが拠点労組を数年かけて作り出すことだ。首都圏、関西、九山の三地方で戦略的配置を課題としていこう。第四に、階級的労働運動の全体的発展にむけて、自治労、郵政、教労の闘いを推し進め、中央労対そして各地方労対の強化とメンバー拡大を実現していこう。
 以上、新たな階級闘争構造と革命的労働者党を建設して安倍右翼反動政権を打倒していくことを、本第四回党大会において、決議する。


  
■青年決議

(1)
 われわれは、青年の組織化を戦略的な課題として推し進めることを決定し、かつ、そのための努力を行ってきた。われわれは、本大会で、こうしたこの間の努力と成果を確認しつつ、さらに、より一層、青年組織化を党の戦略事業として推し進める。
(2)
 現代資本主義の災禍は、青年層に新たに集中している。新自由主義は、終身雇用、年功序列賃金などを解体しつつある。新自由主義は、青年層に対して、不安定雇用、失業半失業を常態化させている。これは国際的にも共通の事態となった。働けど働けど安定した生活は望めない。しかも、すべては新自由主義イデオロギーである「自己責任」とされる。こうしたなかで、青年労働者の苦悩は深まり、それゆえに、その階級的な怒りは広く深く沈殿している。現状、多くの青年達はいまだ立ち上がってはいない。だが、階級闘争と共産主義運動の側の組織化によって、今日の青年は、必ず世代としてたたかいに立ち上がる。そうでなければ、青年労働者のなかで蔓延しつつある閉塞感は、容易に差別・排外主義の側へと組織されるだろう。
(3)
 いま、青年層の組織化は、われわれにとって、特別な意味をもっている。革命は代を継いで発展させねばならないが、日本階級闘争は、幾度かの高揚期を経て、長らく階級闘争の低迷期を強いられてきた。それゆえに、若い世代が革命運動に占める比重がかつてなく小さくなってしまっている。若い世代を大量に党と革命運動に組織することは急務である。同時に、現代資本主義の矛盾を集中させられている労働者階級の若き世代を、共産主義運動に組織することができるか否かは、共産主義運動自身の新たな再生にとっても試金石であると言えよう。だからこそ、われわれは、現代資本主義の矛盾を集中して受けている呻吟する若き労働者階級の組織化を特別に重視する。加えて、青年組織化は党勢拡大の中心的戦場である。党勢拡大は、青年層をどれだけ組織しうるかに大きくかかっている。
(4)
 青年組織化は、いまだ各地方においてバラツキがある。それらは、それぞれの地方における主体的・客観的な条件の相違に根ざしている。
 首都圏においては、介護労組への青年労働者組織化と並んで、首都圏地方委員会で若者組織化の議論が開始されている。
 関西では、青年細胞を建設し、これを軸に、関西地方委員会傘下にある複数の細胞を貫いた青年協議会が地方委員会内に作られてきた。青年層に立脚した反貧困運動や若者ユニオンへの党員による関与、介護労組や岩国労働者実内の若者組織化、そして、岩国ユースアクション(IYA)の形成、さらに、反帝国際主義を包括的に組織するためのAWC関西青年部準備会の形成、これらが、地方委員会のもとで、青年細胞を中心とした各細胞による若者組織化として進んでいる。
 九州、山口では、地区からの被差別大衆を含む青年組織化が新たに推進されているが、地方委員会全体としては、全体でどう青年組織化の体制と運動を作るか、本格的には今後の課題である。
 また、各地方委員会とキム(学生)系列との協力も行われている。
 中央委員会は、青年労働者組織化について、単一の運動と組織を全国的には定めてはこなかった。いまだ、そうした主体的な条件が未形成だからである。各地方の実情に応じて、青年労働者組織化を多様にまず推進することに主眼を置いてきた。引き続き、当面は、こうした努力を全国で推し進めることが重要な段階にあると言える。青年労働者組織化の主体的条件をより前進させていくならば、全国的な単一の組織化戦術、組織を展望していくことも可能となるだろう。
(5)
 だが、一方で、これまでの単純な延長に、青年労働者組織化をただ展望するだけではもはや不十分である。これまでは、各地方委員会の努力を基礎に、中央委員会議長団全体で、青年労働者組織化に責任をおうとしてきた。だが、この間の青年組織化の一定の前進という成果の上に、今後は、中央委員会のなかに、青年労働者組織化を担当する中央レベルでの指導委員会を新たに設置することが必要である。まずは、青年組織化のための指導小委員会を中央レベルで設置し、この下に、各地方委員会での青年労働者組織化をより強力に推進していく段階に入る必要がある。
 同時に、青年組織化は青年自身の運動と組織を発展させることなくして成功はしない。青年自身の運動と組織を前進させるために、総力をあげねばならない。
(6)
 青年労働者組織化を飛躍的に前進させていこう。
 そのために、第一に、今日の青年労働者組織化を進める大衆的な組織化戦術の基礎を、現代資本主義下で強制されている青年労働者のなかにおける反貧困運動、青年の労働運動への組織化、青年自身による労働運動(組合)の形成、あらゆる形態での居場所の形成、これらに据えねばならない。相対的下層の青年労働者の現状と組織化の課題について党的内容と実践を深化させていかねばならない。
 第二に、これを基礎に、青年の政治的組織化を結合して推進していくことにある。それは、反帝国際主義派の大衆的な若者戦線として展望されねばならない。関西で形成されてきたIYAや、AWC関西青年部などは、この面で、各地方にとっても大きな参考になろう。各地でのこうした政治的組織の形成を展望していかねばならない。
 以上、第一、第二を貫いて、青年労働者自身の運動と組織を発展させることが鍵である。同様に、被抑圧人民・被差別大衆の青年層を組織していくことも決定的に重要な課題である。
 第三に、資本主義批判、帝国主義批判、共産主義論を基軸に、若者を対象とした理論活動を極めて重要な課題として推し進めることにある。青年自身が共産主義の再生を進めていく主体へと登場していかねばならない。そのための理論活動を重視することである。
 われわれは、本大会の名をもって、青年労働者の組織化を、全党をあげた党建設の戦略的課題として一層推し進めることを決議する。


 

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