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   共産主義者同盟(統一委員会)

       2017年政治集会基調報告

            


 

 共産主義者同盟(統一委員会)は四月、五月、全国三カ所で政治集会を開催した。基調報告から「はじめに」と「二章 二〇一七年方針」「三章 共産主義運動を前進させる革命党建設を」をここに掲載する。

 ●はじめに

 ロシア革命から百年にあたる本年、われわれ共産主義者同盟(統一委員会)はマルクス・レーニン主義を堅持する革命的労働者党として、日本におけるプロレタリア革命を推進していくことを、改めて決意している。
 一八七一年パリ・コミューン、この世界最初のプロレタリア革命を引き継ぎ、またロシアにおける一九〇五年革命の経験の上に立って、一九一七年ロシア革命は勝利した。第一次帝国主義間戦争の最中に、自国帝国主義打倒を掲げプロレタリア革命に勝利し、プロレタリアートの独裁を実現した一七年ロシア革命は、国際共産主義運動の歴史に重要な意義を有している。悲惨な帝国主義間戦争の過程で、他国の人民と殺しあうことを強制され、疲弊しきった労働者階級人民総体の要求をプロレタリアートの独裁へと導き高め上げていったものこそ、レーニン―ボリシェヴィキが導いた十月プロレタリア革命であった。
 普仏戦争の敗戦過程に生み出されたパリ・コミューン、日露戦争の中で掴み取られようとした一九〇五年革命、そして、第一次世界大戦―帝国主義間の総力戦という事態の中でロシア帝政を打ち倒した二月革命、そして、レーニン―ボリシェヴィキは、この戦争と革命の情勢の歴史的意味を読み解き、「すべての権力をソヴェトへ」のスローガンの下に、一挙に社会主義革命へと労働者階級人民のたたかいを高め上げていった。
 資本主義―帝国主義はその危機を最終的には戦争によってしか乗り越えていくことができない。
 帝国主義が戦争に突き進み、人民を動員していく時代こそ、帝国主義の階級支配そのものが危機に直面しているのである。まさに、この戦争の中から、この戦争を拒否して労働者階級人民が自らの解放のために権力を奪取する闘争を開始しなければならない。ロシア革命の最も重要な教訓は、帝間戦争に抗して労働者階級人民が立ち上がり、プロレタリア国際主義を貫き排外主義と対決していったことである。労働者階級人民自身のたたかいによってしか、プロレタリアートの独裁を実現することはできない。
 次の情勢の項で見るように、現代帝国主義はこれまで掲げてきた「貿易と投資の自由」を合意事項とした新自由主義義グローバリゼーションを従前どおりに進めていくことができなくなった。英帝が、米帝が、その限界を明示しているのだ。そして、米帝、英帝、あるいは仏帝は、「民主主義と人権」を掲げて、中東、中央アジア、アフリカ諸国に対する軍事介入、侵略反革命戦争を強行してきた。今も殺戮を続けている。トランプ政権は核軍拡を表明し、新たな朝鮮戦争をはじめとして戦争に着手することを躊躇していない。「世界の警察官ではない」と言いつつ、自国の利害のための侵略反革命戦争には積極的なのだ。
 四月六日、シリアで化学兵器使用の可能性が報道された。シリア政府軍が使用した確証がないにもかかわらず、トランプ政権はシリア軍事攻撃を強行した。米軍はトマホーク五十九発をシリアに撃ち込んだ。巡航ミサイルでありながら、シュアイラート空軍基地に着弾したのはわずか二十三発であった。つまり、三十六発は誤爆し、シリアの民間人を殺害しているのだ。トランプはこの攻撃を「自衛のため」と強弁している。米帝のシリア軍事攻撃を弾劾する。
 現代帝国主義は、第一次帝間戦争、第二次帝間戦争の時代とは異なる形で、一方では中国、ロシアと協商して新自由主義政策を進めながら、他方では帝国主義に従わざる者に対する殺戮を続けているのだ。資本主義は、その歴史的な危機に直面しながら、労働者人民にさらなる苦難を強い、侵略反革命戦争を拡大しようとしている。
 われわれは、帝国主義が世界を悲惨な戦争に引きずり込んでいく時代に生きているのだということをはっきりと見なければならない。支配階級の悪辣で絶望的な戦略に屈服するのか、プロレタリアートが自らの力をもって未来を切り拓くのか。今、日本の共産主義者、日本の労働者階級が厳しく問われているのだ。

  ●1章 情勢(略)

  ●2章 二〇一七年方針


 日帝―安倍右翼反動政権は、一九年天皇代替わり、改憲発議、共謀罪制定、二〇年東京オリンピックなどの反動攻勢をもって、労働者階級人民の抵抗闘争を鎮圧し、総翼賛体制のもとで「対テロ」戦争や朝鮮侵略反革命戦争参戦の準備を進めている。
 新たな戦前ともいえる時代が到来している。その一方で、沖縄人民の辺野古新基地建設阻止闘争を先頭に、原発再稼働阻止闘争、全国各地の反戦反基地闘争など労働者階級人民の抵抗闘争は持続している。階級的労働運動が粘り強くたたかわれている。反動攻勢や貧困化を強める安倍政権への労働者階級人民の怒りは、広く深く蓄積されている。
 森友学園疑獄事件が発覚し、安倍政権は窮地に立たされている。この事件は、安倍をはじめとする閣僚の八割を占めている日本会議の利権と金まみれの腐敗しきった姿、そして同時に天皇・戦争賛美と差別排外主義に満ちた安倍ら日本会議による教育の実態を満天下に示すものだ。
 安倍政権の支持率は低下し始めている(47%=三月十九日NNN調べ)。安倍のたくらむ長期独裁をぶっ潰すチャンスが到来した。今こそ労働者階級人民の怒りを解き放ち、日本会議もろとも安倍政権を追撃し打倒しよう。

  ▼2章―1節 安倍右翼反動政権打倒の全人民政治闘争を

 三月五日、自民党は第八十四回党大会を開き、総裁任期を「連続二期六年」から「連続三期九年」へと延長する党則と総裁公選規程を改正した。安倍はこれによって、現在の総裁任期が切れる十八年九月以降も、最長二一年九月まで総裁であり続けることが可能となった。
 安倍は同大会において「憲法改正の発議に向けて具体的な議論をしていく。それこそが自民党の歴史的使命」と語り、改憲への強い意欲を示した。この大会においては「憲法改正の原案発議に向けて具体的な歩みを進める」と明記した運動方針が採択されている。
 安倍は自らの任期期間を延長して首相の座に居座りつづけ、一八~一九年の天皇代替わり=天皇元首化、改憲発議、東京オリンピックなど、一連の反動的政治過程を自身の手でやる気満々である。これを許すなら、文字通りの安倍独裁体制が完成される。その意味で二〇二〇年までの三年間をいかにたたかうのかが、日本の左翼、反体制勢力総体に鋭く問われているといえるだろう。
 安倍政権は、集団的自衛権行使容認の閣議決定(一四年七月)から、戦争法強行成立(一五年九月)を経て、自衛隊南スーダンPKO「駆け付け警護」派兵=戦争法発動を強行した(一六年十二月)。現代版治安維持法である共謀罪の今国会成立を狙っている。高浜をはじめ原発再稼働も次々と狙っている。「働き方改革」の名の下に過労死水準の長時間労働強制を狙っている。
 日本労働者階級人民は、今こそ自らの未来をかけて安倍政権の国家・社会の全面的な再編攻撃を粉砕しなければならない。議会主義「秩序派」野党は、安倍政権の戦争と貧困化、天皇制攻撃の前に屈服している。日本共産党は『赤旗』での元号表記復活など天皇制容認をさらに進め、第二ブルジョア保守党=民進党との野党共闘路線を継続し、祖国擁護派=帝国主義社民化をさらに進行させている。
 われわれは、議会主義野党との分岐を鮮明にし、反帝国主義、プロレタリア国際主義、大衆的直接行動を一致点に、原則的左派共闘を強化・発展させながら、安倍右翼反動政権打倒の全人民政治闘争を創出していく。
 われわれは、一四年夏に左派共闘形成のよびかけた(『戦旗』第一四四三号・八月五日付)。その実践として改憲阻止や反原発に取り組む勢力との共闘を進めてきた。
 この陣形のもと、われわれは一五年戦争法成立阻止決戦に臨み、「安倍たおせ! 反戦実」による国会前座り込み闘争、鉄柵規制突破、国会前占拠闘争の一翼を担った。また「安倍たおせ! 反戦実」と結合しながら、たたかう学生・青年による国会議員会館前での無期限ハンストがたたかわれた。
 強行採決阻止決戦過程においてたたかう青年・学生たちは、機動隊による鉄柵規制を実力突破するたたかいの先頭に立ちつづけた。不当逮捕弾圧に対しては、完黙非転向でたたかいぬいた。
 一五年戦争法成立阻止決戦に大衆的直接行動に立ちあがった数万、数十万規模の人民決起(全国では百万人)を、「野党共闘」と「民主連合政権」という議会主義=選挙運動へと流し込む日共やリベラル潮流に対して、われわれは反帝国際主義、大衆的直接行動派としての分岐を鮮明にしてきた。
 一七年われわれは、左派共闘をさらに拡大・発展させ、一五年戦争法阻止を上回る全人民政治闘争を創り出していくため、全国で奮闘していく。
 韓国民衆の朴槿恵打倒―民衆革命につづき、巨万人民の直接行動=全人民政治闘争の高揚で、戦争に突き進む安倍独裁政権を一刻も早く打倒しよう。

  ◆2章―2節―1項 辺野古決戦に全力で立ち上がれ

 日米帝国主義の安保=軍事同盟強化の実体である米軍基地の拡大強化(=米軍再編攻撃)に敢然と立ちはだかっているのが、沖縄人民の辺野古新基地建設阻止闘争である。
 沖縄人民は、日帝政府による差別軍事支配(構造的沖縄差別)=米軍基地の押し付けに対して、抵抗のたたかいを連綿と継続してきた。それは本質的に、薩摩による琉球侵略そして明治政府による併合以降の歴史的な日帝植民地支配に対する沖縄人民の「自己決定権」(=沖縄解放)をかけたたたかいである。
 現地実力抵抗闘争を先頭とした「オール沖縄」の陣形は、昨年、辺野古新基地建設を「和解」=一時中止にまで追い込んできた。しかし日帝国家権力は、沖縄人民の民意を無視し、「本土」機動隊の派遣=暴力装置の発動による、基地建設強行の暴挙に出てきた。
 辺野古新基地建設の中止期間を狙って、昨年七月に高江オスプレイパッド建設工事が再開された。「本土」から機動隊が数百名規模で派遣された。建設資機材搬入を阻止する連日の座り込み闘争が展開された。工事の決定的遅れに恐怖した安倍政権は、法的根拠も示さず自衛隊のヘリコプターを使用した空輸を強行した。「本土」から派遣された機動隊は、抵抗闘争をたたかう沖縄人民に対して「土人」「シナ人」などの差別排外主義に満ちた言辞を吐いて襲いかかってきた。
 さらに国家権力は、反対運動の分断と破壊のため、でっち上げ不当逮捕を連発してきた。弾圧はエスカレートし、昨年十月には山城博治平和運動センター議長など三名をでっち上げ逮捕(再逮捕)・起訴した。沖縄平和運動センター事務所への家宅捜索が戦後初めて強行された。山城氏は五カ月におよぶ長期不当拘留の末、保釈奪還された(三月十八日)。
 むきだしの国家暴力発動による「沖縄つぶし」に対して、沖縄人民は不屈にたたかい続けている。三月二十五日のキャンプ・シュワブゲート前での集会には三千五百名が結集した。この集会において翁長知事は「埋め立て承認撤回」を明言した。
 日帝―安倍政権は、岩礁破砕許可期限切れの三月三十一日以降も、基地建設を続けている。官房長官菅は翁長知事個人に対して数億円規模の損害賠償請求を策動するなど、露骨な恫喝を行なっている。
 辺野古新基地建設阻止決戦の激化は必至だ。全国から辺野古現地に駆け付け、実力阻止闘争をたたかおう。与那国島・石垣島・宮古島への自衛隊配備―全島要塞化策動を阻止するたたかいに立ち上がろう。

  ◆2章―2節―2項 米軍再編攻撃 日米軍事同盟強化と対決せよ

 本年三月一日より、米韓合同軍事演習と、これに連動した日米合同演習が例年以上の規模で強行された。米軍の作戦計画五〇一五(斬首作戦)は、最高指導者・金正恩の殺害を含めた朝鮮民主主義人民共和国(以下、「共和国」)解体を目的としたものだ。原子力空母のロナルド・レーガン(横須賀基地所属)とカール・ビンソン、最新鋭のF35Bステルス戦闘機をはじめ、B52長距離戦略爆撃機、B1Bランサー超音速戦略爆撃機、ステルス爆撃機B2スピリット、ステルス戦闘機F22などを投入した露骨な戦争挑発に対して、共和国は核兵器と長距離弾道ミサイル開発による軍事的対抗を続けている。日本国内では、共和国の新型ミサイル発射や金正男殺害事件が喧伝され、共和国への排外主義煽動が激化している。
 日帝―安倍政権は、朝鮮侵略反革命戦争参戦に向けて、日米軍事同盟の強化=自衛隊の米軍との一体化を進めている。この情勢下において、日米核安保体制の実体である沖縄―「本土」での米軍再編・自衛隊再編強化阻止のたたかいは決定的に重要である。
 米軍岩国基地は、一七年に大強化が完了する計画になっている。最新鋭ステルス戦闘機F35B十六機が米海兵隊に配備(うち十機がすでに配備済み)され、七月に厚木基地の空母艦載機六十一機が移駐される。また、滑走路の沖合移設に伴い、大型船舶が停泊可能な岸壁が建設され、オスプレイの搬入拠点として使用されている。愛宕山地区には米軍用住宅が建設され、合計約一万人の米兵・家族が岩国市内に住むことになる。これらの基地機能大強化により、岩国は東アジア最大の米軍基地となる。粘り強くたたかいつづける岩国市民と結びつき、全国で岩国基地強化とたたかおう。
 京丹後Xバンドレーダーは、韓国ソンジュ(星州)のTHAAD(終末高高度迎撃ミサイルシステム)と連動し、対共和国先制攻撃と中国の軍事的封じ込めを狙ったものである。ソンジュにおいては、住民の配備阻止闘争が果敢にたたかわれた。
 京丹後においても、Xバンドレーダー基地撤去闘争が継続している。支援・連帯のたたかいをひきつづき進めていかなければならない。日韓の反基地運動の相互連帯構造が創り出されている。これをさらに発展させることは、反帝国際主義派の重要な任務だ。この米軍経ケ岬の部隊は、福知山射撃場で実弾射撃訓練を強行するなど、自衛隊―米軍の具体的連携も強めている。京丹後米軍基地強化の動きと対決していこう。
 米軍横田基地へのCV22オスプレイ(空軍仕様)の配備は米軍の一方的通告によって延期された(二〇年頃まで)。一方で、米韓―日米合同軍事演習と連動して、横田基地に六機のMV22(海兵隊仕様)が飛来・常駐し、夜間飛行訓練などを強行している。また自衛隊木更津基地では米軍・自衛隊共通のオスプレイ整備拠点の運用が開始されている。普天間基地―岩国―厚木・横田など、沖縄―「本土」貫いて、欠陥機オスプレイの撤去をかかげてたたかいぬこう。

  ◆2章―1節―3項 市東さんの農地に対する強制執行攻撃粉砕

 五十年にわたり国策とたたかいつづけている三里塚闘争は、決戦局面に入っている。昨年十月二十五日、最高裁は「用地内」農民の市東孝雄さんに対して、耕作する農地の明け渡しと建物収去を命じる高裁判決を確定する上告棄却決定を打ち下ろした。
 三里塚芝山連合空港反対同盟は一月九日の旗開きにおいて決戦本部たち上げを宣言し、市東さんの農地強奪を阻止する三里塚現地決戦体制をつくりあげた。
 最高裁判決への反撃として請求異議裁判が開始され、本裁判の判決確定までの強制執行停止をかちとった。成田空港会社(NAA)による即座の強制執行には一旦歯止めをかけることができた。反対同盟の攻勢によってつかみ取った時間を最大限有利に活用し、たたかいの陣形を拡大することが問われている。
 反対同盟は毎月の一斉行動をもって周辺住民に働きかけ、再組織化を進め、二十四時間空港化に向けた夜間飛行制限短縮や第三滑走路建設策動に怒る住民との結合を創り出してきている。
 3・26全国集会で発せられた「決戦本部アピール」で反対同盟は、天神峰決戦本部でともにスクラムを組みたたかう戦士の決起とたたかうグループの結集を呼びかけている。
 われわれは、反対同盟の呼びかけに応えて、現闘・行動隊を先頭に、市東さんの農地を死守する決戦に決起する。この間、首都圏の青年・学生を中心に援農や現地見学を取り組んできている。本年われわれは、全国で三里塚闘争支援・連帯を全力で強めていく。
 農地死守・実力闘争・一切の話し合い拒否の原則を貫き、国策とたたかい続ける反帝闘争の拠点=三里塚闘争に断固決起し、市東さんと共に農地強奪阻止決戦をたたかおう。

  ◆2章―1節―4項 原発再稼働阻止 日帝の核武装化を阻止しよう

 3・11東日本大震災から六年が経過した。崩壊した福島第一原発二号機の中心部は、推定で一時間あたり六百五十シーベルトの、すさまじい高線量であることが明らかとなった。投入されたロボットはこの高線量により二時間で操作不能となった。人間ならば数秒で死亡するレベルだ。
 格納容器から炉心溶融(メルトスルー)して溶け落ちた核燃料がどうなっているのか、現在も調査することさえ不可能だ。
 地中に溶け落ちた核燃料(メルトアウト)は地下水と混じり合い、高濃度汚染水となって海洋へたれ流され続けている。汚染水を貯めるタンクはすでに百万トンを超えた。汚染土が詰め込まれたフレコンバッグは耐用年数を超えて各所で破損が発生している。原発はひとたび事故が起これば人間には制御不能な被害を長期間にわたって及ぼすことは明らかだ。核と人類は絶対に共存不可能である。
 原発事故による避難者はいまだ十二万人にのぼるが、三月末で自主避難者への住宅支援打ち切りが強行された。避難者の帰還強制(避難解除)が進められている。避難者の棄民化を絶対に許すな。
 九州電力・玄海原発三、四号機、関西電力・高浜原発三、四号機の年内再稼働の攻撃など、西日本を中心とした原発再稼働の動きが強まっている。再稼働を阻止しよう。福島第一原発の廃炉作業によって被曝した労働者の白血病や甲状腺ガン発症に対する労災認定が出た。彼ら被曝労働者への支援・連帯を強化しよう。電力会社と政府に原発事故の責任を取らせよう。日帝の核武装化、原発輸出を阻止しよう。全原発の即時停止、廃炉までたたかおう。

 ◆2章―1節―5項 戦争と一体の差別排外主義激化とたたかおう

 戦争国家化と一体に、差別排外主義が激化している。森友学園疑獄事件が発覚し、日本会議による安倍政権賛美や幼稚園児への教育勅語暗唱など天皇主義の刷り込み、それと一体に中国人や朝鮮人への差別排外主義に満ちた教育実態が明らかとなった。森友学園こそが、安倍ら日本会議の理想的な教育のモデルだ。安倍政権は教育勅語の教材使用を否定しないことを閣議決定した。籠池と同じ穴のムジナだからだ。
 在特会など差別排外主義勢力によるヘイトデモが継続されている。桜井誠ら極右排外主義者らは、「日本第一党」なる政党を結成した。選挙演説を通してのヘイトスピーチや、排外主義襲撃を狙っている。排外主義集団を社会的に包囲し解体しよう。
 日本軍性奴隷制度問題の欺まん的決着をはかる「日韓合意」を許すな。「平和の少女像」設置への日本政府の対抗措置を徹底弾劾していこう。
 昨年七月、津久井やまゆり園で、ナチスの優生思想に傾倒した排外主義者によって、障害者が大量虐殺された。加害者は、自らを「安倍政権の意志を代行する執行者」と主張し、障害者を虐殺したのだ。戦時障害者抹殺攻撃と対決しよう。精神保健福祉法改悪を許すな。

  ◆2章―1節―6項 反帝国際主義潮流を建設しよう

 日米帝国主義による戦争策動、生活破壊、貧困化の強制に対して、アジア太平洋地域での労働者階級人民の国際連帯をもって対決していかなければならない。
 昨年、アジア共同行動(AWC)は、反帝国際共同闘争としてさまざまな潮流と共に伊勢志摩サミット反対闘争を実現した。われわれもまた、この先進的取り組みを支持し、「詐欺罪」でっちあげ弾圧など集中的大弾圧をはね返して、現地闘争を基軸にたたかいを推し進めてきた。
 また、東アジア重視へとシフトした米帝の軍事戦略=米軍再編に対する反基地国際共同闘争を、フィリピン人民、韓国民衆とともに、岩国や京丹後などにおいて一貫して取り組んできている。
 このアジア共同行動をひきつづき支持し支援して、国境を越えた連帯を推し進める反帝国際主義潮流の建設を進めていこう。同時に、これら反帝闘争の諸実践を通した、世界各国の共産主義者、反帝勢力との連帯と結合を推進していこう。

  ▼2章―2節 階級的拠点建設 新たな階級闘争構造をつくりだそう

  ◆2章―2節―1項 安倍「働き方改革」粉砕し階級的労働運動を建設しよう


 安倍による戦争国家化・貧困化の攻撃に正面から立ち向かい、労働者階級と被抑圧人民・被差別大衆の解放運動を推進するため、議会主義野党に代わり左派政治勢力が日本階級闘争を牽引していかなければならない。
 その基軸は、階級的労働運動を全国において発展させていくことにある。新自由主義グローバリゼーションの進行により非正規化がますます進行している。われわれは、全労連や連合労働運動に代わって、貧困化を強制され、呻吟する非正規・下層のプロレタリアートの利害に真に立脚した、階級的労働運動を創り出していく。
 階級対立の激化を「働き方改革」「同一労働同一賃金」などのまやかしの政策をもって抑え込もうとする安倍政権のペテンを徹底的に暴露し、階級的労働運動の組織化を進めよう。最低賃金闘争、均等待遇要求闘争を推進していこう。

 ◆2章―2節―2項 左派共闘を全国で推進しよう

 昨年前半期、われわれは伊勢志摩サミット反対闘争に取り組んだ。首都圏では、反弾圧運動を取り組んできた勢力との共闘関係がつくり出された。関西では、階級的労組や諸政治党派や市民団体・個人が総結集する構造をつくりだしてきた。関西においてはサミット事前弾圧が集中したが、完黙―非転向の獄中闘争を軸にして反撃し、組織破壊弾圧を打ち破ってきた。
 五月二十六~二十七日のサミット当日には、韓国やフィリピンのたたかう仲間と共に、国際共同闘争として現地闘争をたたかった。そして、サミット直後のオバマ、安倍の広島訪問に対しては、被爆二世とともにこれを糾弾するたたかいに立ち上がった。
 これら諸実践の上に、首都圏では「戦争・治安・改憲NO! 総行動」(総行動)が新たに形成された。
 総行動は、「テロにも戦争にも反対」、天皇制容認、立憲主義、野党共闘に埋没する日共やリベラルと分岐した左派政治勢力だ。われわれはこの原則的左派潮流の結集を支持し、今後もその発展に向けた共同の努力を進めていかなければならない。改憲と共謀罪、天皇元首化を狙う安倍政権を打倒する全人民政治闘争を全国において広範に創り出していかなければならない。
 われわれは、反戦闘争実、反戦実、「安倍たおせ! 反戦実」、九条改憲阻止共同行動、そして「戦争・治安・改憲NO! 総行動」として形成されてきた左派共闘を全国で推進していく。

 ◆2章―2節―3項 反帝国際主義 階級的労働運動をたたかう
               青年・学生運動潮流をつくりだそう


 左派の共闘構造は、首都圏や関西地方において、この間大きく発展してきた。引き続き全国で拡大発展させながら、同時に反帝国際主義、階級的労働運動をたたかう青年・学生運動潮流を建設していかなければならない。
 3・11東日本大震災―福島第一原発事故以降、労働者階級人民の大衆的直接行動は持続している。新自由主義グローバリゼーションの影響によって、青年層の非正規化・貧困化は深刻化している。また、大学の就職予備校化は一層強まっている。大学の軍事研究推進も進んでいる。青年・学生は個別に分断され、相互に団結する契機を不断に奪われている。これが社会的閉塞感や疎外感など、「生きづらさ」の大きな要因となって青年・学生層に重くのしかかっている。
 一一年3・11東日本大震災・福島第一原発事故以降、大学や職場生産点を基盤とした団結の構造を奪われた人々は、個人として直接街頭に出て声を上げ始めている。同世代の中ではいまだ圧倒的少数派であるが、一五年戦争法反対の国会闘争に参加した青年・学生の多くはそのような人々であった。
 これら新たに階級闘争に立ち上がった青年・学生たちを、日共や野党への投票運動へと収れんさせてはならない。われわれは、青年・学生たちこそが原則的左派=反帝プロレタリア国際主義派、階級的労働運動派に結集することを呼びかける。
 階級的労働運動、街頭政治行動など、あらゆる機会と場所において、青年・学生が階級闘争に立ち上がることを訴える。それは同時に、スターリン主義や宗派主義などに代わって、原則的左派が日本階級闘争を牽引する勢力として登場する努力と表裏一体のものである。
 青年・学生運動を進める勢力こそが、既存の党派関係や潮流の違いを越えた共闘を推進しつつ、新たな潮流を形成し、その主体的発展を原則的左派の共同実践として作り上げていくべきなのだ。
 一五年戦争法阻止決戦は、左派共闘の復権・拡大と、たたかう青年・学生潮流建設が原則的左派共通の焦眉の課題であることを、突き付けたのである。

 ●3章 共産主義運動を前進させる革命党建設を

 最後にわれわれの一七年政治方針――その基軸は原則的左派共闘構造と、新たな階級闘争構造の創造――を実践していくにあたり、それらを推進するわが共産主義者同盟(統一委員会)の強化=「党のためのたたかい」への結集をよびかける。
 金融緩和、財政出動、新自由主義的構造改革を「三本の矢」とする「アベノミクス」は富裕層や輸出大企業の利益となっただけであった。財務省が一六年六月一日発表した、一~三月期の内部留保は三月末時点で前年同期比6%増の三百六十六兆円にのぼる。
 「二〇一五年に一億円以上の金融資産を持っていた富裕層の世帯数はアベノミクスが始まる前の一一年に比べ、四十万世帯(50・2%)増えたことが野村総合研究所の調査で分かった。これに伴い富裕層への資産の「集中率」もこの間に約3%上昇。全体の二割の資産をわずか2%程度の世帯が持つ実態が浮かび上がった。米国では上位約3%の富裕層が全体の半分を超す資産を持つが、日本でも富の集中が加速している」(『東京新聞』二月十六日)。
 「国税庁によると非正規を含む一五年の平均年収は四百二十万円(正規四百八十四万円、非正規百七十万円)で、一〇年からの増加率は2%。この間に平均年収に近い収入層の人数はほぼ横ばいだったが、一千万円超を得た人は約20%、百万円以下も約14%増えた。日本も米国のように『平均層』よりも、高、低所得者が増える傾向にある」(同)。
 一方で日本の子どもの貧困率は16・3%(二〇一四年発表)で、過去最高を更新した。これは六人に一人の子供が貧困の中で暮らしていることを意味する。ひとり親など大人1人の世帯はさらに深刻で貧困率は54・6%にのぼる。「先進国」中で最悪の水準だ。そして、日本の教育への公的支出が圧倒的に少ないことと相まって、貧困は親から子へと確実に連鎖している。
 日本は、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧困を強制されるアメリカ型社会へと急激に変質してきている。アメリカでは一三年、上位3%の富裕層が全体の54・4%の資産を保有している。
 しかし、情勢はそのままでは客観的条件にしか過ぎない。当たり前だが、資本主義社会は自動崩壊などしない。支配階級は、自らの延命のためには、強搾取・収奪をさらに強め、あるいは侵略戦争に打って出ていくことは歴史が証明している。
 客観的条件を主体的条件へと転化するには、労働者階級人民の貧困化や「生きづらさ」の根拠が、資本家の搾取・収奪強化に起因することを解明し、もはや命脈の尽きた資本主義社会の根底的変革の展望を示し切る、共産主義者のあらゆる場面における首尾一貫した宣伝・扇動・組織化が必要不可欠なのだ。
 日帝支配階級、その利害を代表する安倍右翼反動政権の側もまた、天皇制・天皇制イデオロギーによる「国民統合」を再度強権的に推し進めようとしている。共和国や中国の軍事的脅威を煽り立て、民衆同士を差別排外主義煽動によって憎しみ合わせ、侵略戦争に駆り立てようとしている。現代版治安維持法である共謀罪の制定によって、抵抗する勢力を根絶して安倍翼賛体制を作ろうとしている。
 われわれは本年、反帝国際主義、大衆的直接行動を旗印にした原則的左派の新たな潮流を創り出すと同時に、原則的共産主義党、左派グループ、人士とともに、共産主義を労働者階級人民の希望として復権させる共同の努力を進めていく。
 その実践のためのわれわれの主体的力量は現状ではまったく不十分だ。個別に分断され、呻吟する労働者階級や被抑圧人民・被差別大衆の中に深く入り込み、社会変革の主体としてたたかうことの中にこそ、自らの解放の展望があることを宣伝・煽動し、党へと積極的に組織していかなければならない。スターリン主義党体質を保持しつつ帝国主義社民化を一層進める祖国擁護派=日共や、階級情勢からますます切断され、党の同心円的拡大を革命と同一視する宗派主義党派に代わって、わが共産主義者同盟(BUND)が、日本階級闘争を牽引していく党として何倍にも成長・発展しなければならない。これは時代の要請である。
 本政治集会に結集した同志・友人のみなさん。共産同(統一委)に結集し、二〇一七年を共にたたかいぬこう。


 

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