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   ■朝鮮半島・東アジア情勢の歴史的転換

    反戦平和・国際連帯運動の更なる前進を

                  政治運動指導委員会



 

 この間朝鮮半島と東アジアをめぐる情勢はきわめてドラスティックに展開してきた。とりわけ4・27南北首脳会談および「板門店(パンムンジョム)宣言」が持つ意義には実に巨大なものがある。それはこの地域における「冷戦体制」の残滓を一掃し、帝国主義の支配の軛(くびき)から労働者人民の解放をかちとっていくためのたたかいに大きく深い基盤を提供しうるものである。それはまた、朝鮮半島・東アジアにおける新たな時代の始まりを刻印するものであり、そのようなものとしてさらに発展させられていかねばならない。
 いま切り拓かれつつある新たな情勢に対して、日本の労働者人民はそれとどのように向き合い、朝鮮半島および東アジアの労働者人民と手を携えて、いかなるたたかいを推進していくべきなのか。日本の労働者人民の解放がアジアの労働者人民の解放と分かちがたく結びついていると考えるならば、新たな情勢がわれわれに要請する課題をはっきりと見定め、それにもとづく実践を組織することが、日本階級闘争を前進させアジア階級闘争の発展に貢献するための、われわれにとってのきわめて重要な国際主義的任務となるのである。

 ●1章 4・27南北首脳会談、新たな東アジア情勢

 「ろうそく革命」を背景にした昨年五月の韓国での文在寅(ムンジェイン)政権の誕生を経て、本年初頭から具体的に進展してきた朝鮮半島南北の対話と関係改善に向けた動きは、平昌(ピョンチャン)オリンピック開催中の米韓合同軍事演習の中止と朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)による今後の核実験・弾道ミサイル発射実験の中止宣言を挟んで、さる四月二七日の南北首脳会談およびその結論としての「板門店宣言」の発表として結実した。
 「板門店宣言」は、「朝鮮半島でこれ以上戦争がなく、新たな平和の時代が開かれた」と宣言した。そして、「朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制の構築」に向けて、南北双方が朝鮮戦争の今年中の終戦および休戦協定の平和協定への転換を推進していくことを確認した。
 朝鮮半島をめぐって繰り返し引き起こされてきた軍事緊張の高まりと戦争危機は、一九五〇年に始まった朝鮮戦争がいまだ公式に終結しておらず、かりそめの休戦状態にとどまり続けてきたという現実に根拠をもつものであった。これに対して「板門店宣言」は、年内という期日を具体的に掲げつつ、この根拠を取り除くこと、そのために朝鮮戦争の当事国である南北米三者または南北米中四者の会談を推進していくことを南北共通の意思として確認した。まさに、「新たな平和の時代」に向けた南北共同の決意に満ちた宣言である。この点に、過去二回の南北首脳会談とその宣言の地平を大きく上回る「板門店宣言」のもつ第一の意義がある。
 「板門店宣言」の第二の意義は、「わが民族の運命はわれわれ自らが決定するという民族自主の原則」の確認の上に、「共同繁栄と自主統一の未来を早めていく」として、朝鮮半島の南北分断状態を打破し、自主的平和統一に向かって南北が共に歩んでいくことをあらためて確認したことである。この点で重要なのは、今回の宣言が、首脳会談の定期開催、南北間の敵対行為の全面中止、東海線および京義線の鉄道と道路の連結をはじめとする「南北関係の全面的で画期的な改善と発展」に向けた具体的な措置を打ち出すことで、それを裏打ちしていることである。
 この宣言の中にある「途絶えた民族の血脈」という重い言葉は、南北分断が朝鮮人民に強いてきた計り知れない苦難を示している。その現実を克服することはまさに朝鮮人民の先送りできない切迫した要求であり続けてきた。「板門店宣言」はそのような朝鮮人民の切実な願いを背景にし、かつ、それに応えるものである。
 「板門店宣言」の第三の意義は、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現」することが南北共同の目標として確認されたことである。南北首脳会談に先立って行われた共和国による核実験・弾道ミサイル発射実験の中止および豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖発表が、この内容を導いたことは確かである。いまやボールは米帝―トランプ政権の側に投げ返された。共和国に対する経済制裁と軍事的圧力を強めてきたトランプ政権がこの南北共同の意思に対してどのような対応をとるのかが問われているのである。
 日帝―安倍政権や日本のマスメディアの多くは、「共和国の核」の問題だけに一面的に焦点をあて、すでに開発された共和国の核兵器の廃棄プロセスが明示されていないなどとして、「板門店宣言」の意義を不当に低めようとしている。だが、朝鮮半島の非核化のためにはそれに対応する米国側の措置が必要であり、米国との協議なしには進展しえない。われわれはあらゆる核に反対する立場を鮮明にしているが、共和国の核開発が現実に存在してきた日米帝国主義による侵略戦争の脅威からの自国の防衛を理由にして進められてきたことを踏まえるならば、「核のない朝鮮半島」の実現は、共和国が核開発を進めてきたその根拠を取り除くこと、すなわち日米帝国主義による共和国に対する軍事的脅威の解消、朝鮮半島における恒久的な平和体制の確立と一体のものとしてのみ進展しうる。繰り返しになるが、問題は完全に日米帝国主義の側にあるのである。
 4・27南北首脳会談と「板門店宣言」は、日本帝国主義の植民地支配に対する抵抗から始まり、帝国主義諸国とソ連スターリン主義が強制した南北分断体制を打破するためにたたかい抜かれてきた朝鮮人民の反帝民族解放闘争の歴史的地平、今日的到達段階を指し示している。それは、朝鮮半島のみならず東アジア全体の情勢に深い影響を与え、平和を希求するこの地域の労働者人民を大きく鼓舞するだろう。
 われわれはこれまで述べてきたような内容と地平をもつこの4・27南北首脳会談と「板門店宣言」を感動をもって受け止め、断固支持する。それはこの宣言に署名した韓国と共和国の二人の首脳個人を賛美するからではなく、彼らの全実践に賛同するからでもない。そうではなく、この宣言が朝鮮戦争による同族相殺し合う過酷な現実のなかでの数百万人の死者、一〇〇〇万人におよぶ離散家族の発生、その後の南北分断の継続とその下での南の反共軍事独裁政権による徹底した人民弾圧など、筆舌に尽くし難い犠牲をこの七〇年近くに渡って強いられてきた南北在外の朝鮮人民の平和と統一への切実な希求、加えてこの地域において二度と戦争が繰り返されないことを願う東アジア諸地域の人民の平和への希求を背景とし、それを反映しているからである。「板門店宣言」はそのような血で刻まれた歴史を克服する平和と希望の時代への道筋を照らし出すものであった。
 加えてわれわれが確認すべきことは、4・27南北首脳会談と「板門店宣言」を生み出した最大の原動力は、腐敗し国政を私物化する朴槿恵(パククネ)前大統領を打倒した「ろうそく革命」として表現された韓国の労働者民衆のたたかいにあったということである。そのたたかいが今、朝鮮半島と東アジアにおける新たな情勢を切り拓きつつあるのである。労働者人民のたたかいこそが歴史を切り拓くということをあらためて確認しなければならない。同時にそれは、そのような韓国の労働者民衆のたたかいと積極的に連帯・結合し、共に新たな時代を切り拓いていくためのたたかいに立ち上がっていくことを日本の労働者人民に要請している。
 「板門店宣言」で打ち出された諸内容を実現するためのプロセスには、なおも紆余曲折がともなうであろう。それに対する反動が組織されることもありうることである。実際にも、六月一二日にシンガポールで開催が予定されている米朝首脳会談がどのような結果になるのかを現時点で正確に予測することは難しい。しかし、必要なことはただ座して情勢の推移を見守ることではない。われわれに求められていることは、4・27南北首脳会談と「板門店宣言」を通して切り拓かれつつある地平をさらにいっそう確かなものとするために、朝鮮半島と東アジアの平和の実現を要求する反戦平和闘争を今こそ全力をあげて展開していくことである。そして、「板門店宣言」に込められた朝鮮人民、東アジア人民の希求の実現を妨害しようとするあらゆる動きとのたたかいを徹底して推進していくことである。
 朝鮮半島の南北分断の歴史的原因は日本帝国主義による朝鮮植民地支配にある。それを踏まえるならば、日本政府に対して植民地支配とその被害者への謝罪と国家賠償を実施させること、朝鮮半島の自主的平和統一をめざすたたかいに連帯し、朝鮮半島と東アジアにおける平和を実現していくこと、その一部として日朝国交正常化を実現すること、これらは日本の労働者人民がたたかいとるべき主体的・歴史的な課題なのである。とりわけ、排外主義煽動と対決し、今日に至るも共和国に対して「拉致問題」と「最大限の圧力」のみを呼号し、戦争・改憲策動を強めることで地域の平和の阻害要因となっている安倍政権を打倒することは日本の労働者人民の急務である。

 ●2章 反戦・反基地・反新自由主義の闘いの前進を

 4・27南北首脳会談と「板門店宣言」が切り拓いた地平をいっそう確かなものとし、朝鮮半島・東アジアの平和と「核のない朝鮮半島」を真に実現するためには、その前提条件として朝鮮戦争休戦協定の平和協定への転換、共和国への制裁の全面解除と敵視政策の中止、米朝・日朝国交正常化の実現が必須となる。われわれは排外主義煽動と対決し、それらの要求を実現するたたかいを広く推進していかねばならない。そして、切り拓かれた地平を後退させようとするあらゆる策動とたたかい抜いていかねばならない。
 同時にわれわれに求められていることは、核で武装した日米軍事同盟との対決をさらに強め、在日・在沖米軍基地の全面撤去、そして駐韓米軍を含むアジアからの米軍の総撤収を実現していくたたかいを今こそ全力をあげて推進していくことである。そして、日米・韓米・比米など帝国主義のアジア支配の要となっている軍事同盟の撤廃とアジアからの米軍の総撤収を東アジアの労働者人民の共通の要求としてさらに高く押し上げていくことである。今こそ東アジアにおける反戦・反基地・国際連帯のたたかいを強力に発展させていくべきときだ。いまや世界最大の米軍受け入れ国となっている日本の労働者人民はぜひともそのたたかいの先頭に立たねばならない。
 安倍政権は「北の核・ミサイルの脅威」を口実にして、日米軍事同盟の強化と日米軍事一体化をおし進め、在日・在沖米軍基地を強化し、集団的自衛権行使と改憲策動など自衛隊の侵略戦争出動に向けた動きを強めてきた。しかし、共和国が核実験・弾道ミサイル発射実験の中止と豊渓里核実験場の閉鎖を発表した現在、このような安倍政権の動きを正当化する根拠は明々白々に失われている。にもかかわらず、さらにそうした動きを進めようとするならば、それが4・27南北首脳会談と「板門店宣言」の精神に対立し、朝鮮半島と東アジアの平和に向けた動きを阻害するものであることはあまりにも明らかだ。
 われわれが良く知っているように、現実には、日米軍事同盟の下での在日・在沖米軍基地の強化と日米軍事一体化、安倍政権による戦争・改憲策動は激しい勢いで進行している。辺野古では沖縄人民の抵抗にもかかわらず連日の工事が強行され、抗議行動参加者への弾圧が強められている。岩国では昨年のF35ステルス戦闘機一六機の配備に続き、さる三月末までに厚木基地からの艦載機六一機の移駐が完了した。京丹後では米軍Xバンドレーダー基地の固定化をおし進める二期工事が開始された。さらに、横田基地へのオスプレイ配備がおし進められ、自衛隊木更津基地へのオスプレイの配備と整備拠点化がもくろまれている。また、弾道ミサイル迎撃を理由としたイージス・アショアの配備、敵基地先制攻撃能力の獲得に向けた巡航ミサイルの導入、護衛艦「いずも」の「空母化」など、自衛隊の侵略戦争態勢づくりが進められている。安倍政権による改憲策動は、森友・加計問題など一連のスキャンダルとそれに対する労働者人民の憤激を前に、決して彼らの思惑通りに進んではいないが、しかし安倍はそれでもなおあきらめていない。
 これらひとつひとつの攻撃に対して現場からの徹底した反撃を組織していかねばならない。当面予定されている辺野古新基地建設反対の5・26国会包囲行動、米軍Xバンドレーダー基地撤去!6・3京丹後現地集会、オスプレイ飛ばすな!6・5首都圏行動などのたたかいは重要だ。そして、各地でのたたかいを結合し、抵抗の現場から朝鮮半島と東アジアの平和をめざすたたかいの大きなうねりをつくりだしていこう。そのようにたたかうことによって、真に迫力をもった反戦平和闘争を展開することができる。また、それを韓国でのTHAAD撤去闘争をはじめとするアジア各地における反基地・反米軍闘争と結びつけ、帝国主義のアジア軍事支配を打ち砕く労働者人民の巨大な抵抗と国際共同闘争をつくりあげていかねばならない。
 歴史的な南北首脳会談の陰で、そのわずか四日前の四月二三日、韓国・星州(ソンジュ)では米軍のTHAAD(終末高高度ミサイル防衛)システムの基地工事のために動員された一〇〇〇人の警官が抵抗する住民らを暴力的に排除して工事関連資材の搬入が強行された。資材を搬入したのは韓国国防部であり、そこには文在寅政権の承認あるいは少くとも黙認があったと見るべきであろう。われわれは、朝鮮半島と東アジアの平和を真に実現するためにこそ、このような現実を厳しく確認し、まさに苦闘するたたかいの現場からの労働者人民の国際的な連帯と結合をつくりあげ、発展させていかねばならないのである。
 朝鮮半島と東アジアの平和の実現に関連して、いまひとつの重要な課題は、新自由主義政策とのたたかいである。労働者人民が真に平和のうちに生きていくためには、貧困からの解放が不可欠の条件となる。生存の淵に陥し込められた生活を強いられる労働者人民が平和を自らのものとして実感できるなどということはありえない。この点で、労働者人民に貧困と抑圧、強搾取と権利はく奪を強制する新自由主義政策とのたたかいは、労働者人民にとっての平和を実現するためのたたかいの重要な一部として、東アジアの労働者人民の共通の要求とたたかいになる。それはまた、朝鮮半島南北の労働者人民が「平和と繁栄」を自らのものとするためにも必要なことである。
 帝国主義政府と独占資本が先頭に立って推進してきた新自由主義政策は、各国・地域・世界的なレベルで、非正規・無権利・低賃金の労働者を膨大に生み出し、貧困と格差を極限的に拡大してきた。資本の利潤率の回復のために、本質的にはすでに歴史的には命脈が尽きた資本主義というシステムを何とかしてさらに生きながらえさせるために、各地で多くの労働者人民が犠牲となり、生存の淵に叩き込まれている。それは日本においても、韓国においても、そしてアジア・世界においても同様である。抵抗を拡大し、このような状態に一刻も早く終止符を打たねばならない。
 われわれは平和を実現するという課題と労働者人民の階級的解放のための実践を切り離すのではなく、階級闘争のなかで一体のたたかいとして推進していかねばならない。反戦・反基地・反新自由主義のたたかいとその国際共同闘争を発展させていくことで、韓国の労働者民衆が切り拓き、4・27南北首脳会談と「板門店宣言」として示された地平を、さらに東アジア全域における階級闘争の歴史的前進局面へと大きく転化・発展させていかねばならないのである。
 いまや明らかに朝鮮半島と東アジアの平和の阻害要因となり果てている日帝―安倍政権を打倒していくことは、日本の労働者人民の責務である。
 安倍政権はこれまで共和国に対して「対話ではなく圧力」のみを強調し、米帝―トランプ政権と共に共和国に対する経済制裁と軍事的圧力の最先頭に立ち、「北の脅威」を口実にして戦争・改憲策動をおし進めてきた。そして、今日に至るも「最大限の圧力」を叫び続けている。そうすることで安倍政権は、4・27南北首脳会談以降の新たな情勢のなかで完全に孤立し、取り残されている。現実の展開に慌てふためく安倍政権は、これまでの対共和国政策の転換を検討することもなく、突如として日朝首脳会談の可能性を探るようなでたらめな政治を行っている。
 戦争・改憲策動に突き進み、朝鮮半島と東アジアの平和に敵対する安倍政権の打倒に向けてたたかおう。再び三度国会や首相官邸を包囲するたたかいをつくりあげよう。そして、日本政府に、共和国への敵視政策を中止させ、日朝国交正常化を実現させていかねばならない。また、日本軍性奴隷制度の被害者や元徴用工をはじめ日本帝国主義による植民地支配と侵略戦争のすべての被害者に対する公式謝罪と賠償をかちとっていかねばならない。
 このかん安倍自身に端を発する森友学園事件や加計学園事件、厚生労働省による裁量労働制の拡大に関するデータ偽造、防衛省によるイラク・南スーダン派兵の日報隠蔽、財務次官のセクハラ事件と大臣の居直りなど、安倍政権と官僚たちの腐敗が次々と明るみに出てきた。とりわけ森友学園事件・加計学園事件は、韓国の朴槿恵前大統領による国政の私物化と同質あるいはそれを上回る疑獄事件だ。韓国の労働者人民が朴槿恵政権を打倒したように、腐敗を深め強権的支配を強める安倍政権を労働者人民のたたかいによって打倒しなければならない。労働者人民の怒りと危機感の中で安倍政権の支持率は続落している。たたかいをさらに一歩進め、安倍政権を打倒することによって、朝鮮半島と東アジアの平和をつくりだそう。

 ●3章 6月アジア共同行動を成功させよう

 このような状況のなかで、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、きたる六月二三日から七月一日にかけて、韓国のたたかう仲間を迎えて全国各地で「六月アジア共同行動」の一連の取り組みを予定している。京都、山口、福山、神戸、静岡、名古屋、東京などで国際連帯集会が開催される。その成功を全力で支え、日韓の労働者人民の連帯を深化させ、東アジア、そしてアジア太平洋全域における反帝国際共同闘争のさらなる前進をかちとろう。
 AWC日本連が参加する「日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン」(AWC)は今年一月、韓国・ソウルで第一八回キャンペーン調整委員会(CCB)会議を成功裏に開催した。そして、①帝国主義による朝鮮半島および全世界での侵略戦争策動に反対し、アジア太平洋地域の平和を築くためにたたかうこと、②米国主導の軍事同盟に反対し、アジア太平洋からすべての米軍と米軍基地を撤退させるためにたたかうこと、③日本の軍事強化および歴史歪曲に反対してたたかうこと、④核兵器と原子力発電所に反対するたたかいを推進すること、⑤新自由主義政策に反対し、各国・地域のたたかいへの相互支援と共同闘争を推進すること、⑥政府による弾圧とたたかう各国・地域の民衆のたたかいへの相互支援を促進すること、これらをアジア太平洋各地から結集する民衆団体の当面する共同行動の方針として確認した。さらに、「米日帝国主義による朝鮮半島での戦争策動に反対する決議」を採択し、朝鮮戦争の休戦協定の平和協定への転換、日米政府による共和国への敵視政策の転換と国交正常化、韓国や日本などアジア太平洋地域からの米軍部隊の撤退を要求しつつ、自主的平和統一を求める朝鮮半島の民衆への固い連帯を表明した。
 AWC日本連もまた、さる三月の第二三回総会で、「朝鮮半島の平和を求め、日米政府による朝鮮戦争策動に反対してたたかう」ことや「日米軍事同盟強化―日米軍事一体化と対決し、全国で反戦反基地闘争を推進する」ことを含み、反戦・反基地闘争、反原発闘争、新自由主義とのたたかい、国際連帯活動などを柱とする年間方針を確立した。そして、様々な個人・団体と協力して取り組んだ三月の東京と京都での米韓合同軍事演習反対の街頭行動をはじめとして、朝鮮半島と東アジアの平和を要求するたたかいを組織してきた。
 これらの方針と実践を新たな情勢のなかでさらに大きく発展させていく機会として、「六月アジア共同行動」が企画されている。その性格と任務は鮮明だ。
 第一に、朝鮮半島と東アジアの平和の実現を要求し、それを妨害するあらゆる策動とたたかうものとして、各地での国際連帯集会を成功させることである。
 第二に、安倍政権による戦争・改憲策動を粉砕し、腐敗と強権的支配を強める安倍政権の打倒をめざすたたかいとして一連の取り組みは準備されている。
 第三に、日米軍事同盟と対決し、全国各地で展開されている反基地闘争への連帯を組織し、アジアにおける反基地国際共同闘争の前進に向けた機会としていくことが目指されている。とりわけ、安倍政権が海面埋め立てに向けた策動に突き進むなかで、日米帝国主義と対峙し、差別軍事支配からの解放をめざす沖縄人民の辺野古新基地阻止闘争に連帯していくことは重要だ。
 第四に、「六月アジア共同行動」を通して韓国の労働者民衆との連帯をさらに深化させ、具体的な共同闘争を発展させていくことをAWCは目的としている。また、それを基礎にして、アジア太平洋全域における反戦・反基地・反新自由主義の国際共同闘争のさらなる前進が進められていくだろう。
 第五に、この間日帝―国家権力によって強められている弾圧に対してAWC日本連はそれをはねのけて、「六月アジア共同行動」を成功させようとしている。いかなる弾圧や妨害も共通の目標で結ばれた労働者人民の国際的な団結とたたかいの前進を挫くことはできない。そのことがはっきりと示されるだろう。
 切り拓かれつつある新たな情勢は、労働者人民の国際連帯の重要性と必要性をますます増大させている。「六月アジア共同行動」の一連の取り組みの成功を通して、たたかう日韓の労働者人民の連帯、アジア太平洋地域における反帝国際共同闘争のさらなる前進をかちとろう。

 

 

 

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