共産主義者同盟(統一委員会)






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   ■反帝国際主義の旗を高く掲げよう!
  革命的労働者党の建設と左派共闘の形成へ!
       
                               関西地方委員会





【補注】この論文は、本年五月に開催した共産同(統一委員会)関西政治集会において、関西地方委員会が党建設に関して提案した文書である。紙面の関係で、第一章は割愛し、第二章を掲載する。

 ●1章 共産同の結成と階級闘争の先頭で闘う党へ

 われわれ共産主義者同盟(ブント)は一九五八年、プロレタリア社会主義革命、プロレタリア独裁、世界革命を旗印とし、マルクス・レーニン主義を継承・発展させる党として日本共産党から分裂して結成されました。第一次ブントは樺美智子さんの虐殺という犠牲を払いつつ、全学連を中心に六〇年安保闘争の先頭に立って闘いました。そして、第二次ブントは全共闘・反戦青年委員会という日本におけるソヴェトの萌芽とも言える革命的な団結の形成を促進し、六〇年代後半のベトナム反戦運動から七〇年安保闘争、三里塚第二次強制代執行阻止闘争、沖縄返還協定批准阻止闘争へと至る大衆的実力闘争を先頭に立ってけん引しました。
 ブントの結成以来現在に至る最も優れた党派性は、このような階級闘争の先頭で闘うという実践性にありました。しかし、その優れた実践性の背後で、党建設においては共産主義社会の実現にむけた綱領を団結の基礎に据えきることができず、当面する戦略・戦術の一致にもとづいて党を建設するという「戦略・戦術主義の党」というべき弱点を内包していました。その結果、第二次ブントはいくつもの分派に分裂し、苦難の時期を迎えました。ブントにとってこのような状況からのひとつの転換点となったものは、二〇〇四年の共産同(戦旗派)と共産同(全国委員会)の統合による新たな革命的労働者党としての共産同(統一委員会)の結成でした。それは単にブントの二つの分派の統合にとどまらず、日本の新左翼運動の限界と誤りを突破する新たな共産主義運動をつくりだそうとする努力でした。それから一五年を経て、共産同(統一委員会)は階級闘争の先頭に立つというブントの実践的な党派性を継承しつつ、その闘いの基軸(党派性)を以下のように発展させてきました。

 ●2章 プロレタリア国際主義の実践

 第一には、プロレタリア国際主義を理念やスローガンにとどめるのではなく、プロレタリア世界革命を展望した反帝国際共同闘争、各国の原則的な共産主義党間の連帯と論争を積み上げていくものとして切りひらいてきたことにあります。われわれは一九八〇年代後半からフィリピンの革命運動への連帯・支援を農村・山岳地帯の解放区への派遣を含めて重層的に取り組みました。そして、それを基礎として一九九二年に結成されたAWCを支持し、アジア太平洋地域における国際反帝統一戦線へと発展させるために奮闘してきました。また、フィリピン・韓国・台湾・インドネシアなどの闘いとの連帯を継続的に積み上げ、それらの諸国の原則的な共産主義革命党との連帯を組織してきました。

 ●3章 日帝打倒・プロレタリア独裁政権樹立をめざす党

 第二には、自国帝国主義である日本帝国主義の打倒、日本におけるプロレタリア独裁権力の樹立に向けて、反帝国際主義政治闘争を推進することです。現在の日本の国家権力は、民主主義的外皮をまとってはいますが、独占資本・多国籍資本を中心とした資本家階級が警察・軍隊・裁判所と官僚機構、議会制度を掌握した、日本帝国主義のブルジョア独裁権力です。労働者人民の要求を実現しようとする闘いは、不可避にこの国家権力の壁に直面していきます。沖縄県知事選挙、県民投票、衆議院沖縄三区補選で辺野古埋め立て反対の民意が何度も示されたにもかかわらず、安倍政権は民意も憲法も法律も踏みにじって辺野古埋め立てを強行しつづけています。この事態を根本的に転換させるためには、安倍政権を打倒して辺野古埋め立てを中止する権力を樹立する以外にありません。現在の社会を変革しようとするあらゆる労働者人民の闘いを権力の問題と結びつけ、権力の問題を決して遠い未来の問題へと彼岸化するのではなく、日本帝国主義の打倒とプロレタリア独裁権力の樹立に向かう水路を無数につくりだしていかねばならないのです。

 ●4章 左翼反対派的弱点の克服と新たな階級闘争構造の建設へ

 第三には、左翼反対派という新左翼運動の弱点を克服し、階級的労働運動を基礎に新たな階級闘争の構造を建設し、革命のソヴェト(コミューン)の創設を展望していくことです。ブントを含む日本の新左翼運動は、社共・総評を中心とした戦後階級闘争構造の存在を前提とした左翼反対派的な弱点を内包して形成されました。しかし、一九八九年の総評解散・連合結成を転換点として戦後階級闘争構造は崩壊し、新左翼運動はその左翼反対派的な弱点の克服を迫られました。それから約三〇年、われわれは非正規職労働者・中小未組織労働者に依拠した階級的労働運動の組織化に向かい、産業別・業種別労組を縦糸、地域ユニオンを横糸とする階級的労働運動を形成しようとする努力を支持し、全力で推進してきました。また、岩国労働者実の建設や毎月の京都での平和宣伝など労働者反戦闘争を発展させようとする努力を支持し、各地において推進してきました。そして、このような階級的労働運動を基礎として、反戦反基地運動、反原発運動、被抑圧人民・被差別大衆の解放運動などを結集させた新たな階級闘争構造の建設をめざしてきました。それは革命的高揚期におけるソヴェト(コミューン)の建設を展望した長期にわたる闘いに他なりません。

 ●5章 プロレタリアートの自己解放闘争を推進する党

 第四には、労働者と被抑圧人民・被差別大衆の自己解放闘争を推進していく革命的労働者党を建設することです。革命的労働者党なくして革命は勝利できない、このことを改めて教えたのは韓国の「ろうそく革命」でした。「ろうそく革命」は巨万の人民の決起によって朴槿恵政権を打倒しました。しかし、米韓軍事同盟の廃棄や財閥解体などの構造的変革、社会主義革命にまで発展させることはできず、「未完の革命」にとどまりました。その主体的原因は、国家保安法弾圧の下で力ある革命的労働者党が形成されておらず、民主労総が「ろうそく革命」を階級的に牽引する中心勢力としての役割を果たせなかったことにありました。
 一九一七年のレーニン・ボルシェヴィキ党によって率いられたロシア革命は、スターリンの一国社会主義路線と生産力主義によって歪曲され、無残に変質させられました。スターリン主義は、革命の過程で発揮された労働者・農民・兵士の革命性や創造性を抑圧し、労働者の自主管理生産や労働者・農民・兵士の革命のための自主的な団結体であるソヴェトを解体し、党による国家や人民への支配の道具へと変質させました。こうしてプロレタリア独裁は党の独裁へと変貌してしまいました。
 われわれが明確にしておかねばならないことは、革命とはその主体である労働者階級と被抑圧人民・被差別大衆の自己解放闘争なのであり、党の任務は労働者人民の代行をすることにあるのではなく、ともにこれらの自己解放闘争を推進することにあるということです。われわれは資本主義社会において賃金奴隷として搾取され、支配・抑圧されている労働者階級、そして被抑圧人民・被差別大衆を含むプロレタリアートこそが革命の主体だと確信してきました。プロレタリアートは資本主義を廃絶することにとどまらず、自ら社会主義的生産を組織し、あらゆる抑圧や差別のない無階級社会、共産主義社会をつくりだしていくという歴史的な使命をもつものです。しかし、このプロレタリアートの革命性は現在の日本においてはほとんど発揮されておらず、バラバラに分断されています。このような現状を変革し、労働者階級と被抑圧人民・被差別大衆の革命のために闘うプロレタリアートとしての団結を形成し、プロレタリア社会主義革命に向かう隊列を闘いの中でつくりだしていくことこそ党のはたすべき役割なのです。

 (一部省略)

 ●6章 階級闘争の再生へ・左派共闘を推進する党

 第五には、日本における階級闘争を再編していくために左派共闘を建設していくことにあります。われわれ共産同(統一委員会)は二〇一四年、分散している日本の左派勢力を再結集させ、共産主義運動を再生し、階級闘争を再編していくために左派共闘の形成を広く呼びかけました。それは安倍政権による戦争法制定・改憲攻撃に対する全人民政治闘争の牽引という当時の差し迫った課題に対応するものでした。それはまた、歴史的には第二次ブントの「反帝統一戦線と階級的労働運動」という独自の階級闘争構造の建設の最初の経験を引きつぎ、将来に向けた左派勢力の共同の努力と共産主義運動の再建を展望したものでした。われわれはその第一歩として、戦争法阻止闘争のさなか、学生のハンスト決起への全面的支援や国会前を占拠する全人民的な闘いをけん引しようとしました。
 辺野古新基地建設や憲法改悪を阻止し、原発全廃を実現するには、立憲民主党・国民民主党・日本共産党・社民党などの国政野党の共闘が不可欠です。とりわけ、七月の参議院選挙(衆参同日選挙)において、自公維新などの改憲勢力に三分の二の議席を取らせず、改憲の発議ができない状態にするためには、現在の選挙制度では野党共闘の形成が勝敗を分けることは事実です。改憲発議を阻止し、安倍政権を打倒する全人民政治闘争を発展させていくために、われわれは野党共闘の実現を迫る努力を支持し、促進します。しかし、同時に労働者人民の闘いを野党共闘に従属させ、護憲リベラルの枠内におしとどめることには強く反対します。左派共闘を形成し、護憲リベラルの枠を超えて階級闘争をけん引していくことが重大な課題となるからです。
 この間の各地での経験から明らかになってきたことは、左派共闘をいくつかの党派の党派間共闘としてのみ展望することには限界があるということです。党派間共闘の形成を追求しつづけつつ、階級的労働運動を基礎にして多くの民衆の闘いを結集させた新たな階級闘争の構造、各地域における左派勢力の大衆的な共同闘争機関の創出を課題としていかねばならないということです。反帝国際主義政治闘争の組織化や新たな階級闘争構造の建設と左派共闘の形成を結合させ、時間のかかる努力とはなりますが日本の階級闘争を再編する闘いをぜひ成功させていきたいと思っています。
 二〇一九年の階級闘争は、G20大阪サミット反対闘争と「天皇代替わり」に対する闘い、辺野古新基地建設阻止、米軍Xバンドレーダー基地撤去、憲法改悪・自衛隊の本格的な海外派兵を阻止する闘い、老朽原発再稼働を阻止し全原発の廃炉をめざす闘い、反帝闘争の拠点としての三里塚闘争を発展させ市東さんの農地を守る闘い、労働法制改悪との闘いや改悪入管法施行との闘い、連帯労組関生支部への大弾圧との闘いなど、まさに戦後史を画する攻防が継続しています。階級闘争の先頭に立つというブントの実践的な党派性を継承しつつ、これらの闘いを日本帝国主義の打倒とプロレタリア社会主義革命に向けて全力で牽引しましょう。そして、これらの過程を通して、青年・学生運動を再建するために力を結集していきたいと決意しています。最後に、本日の政治集会が多くの同志、友人たちとの共同の努力をさらに発展させるものとなることを願っています。ともに闘いましょう。


 

 

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