共産主義者同盟(統一委員会)






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                          二〇一九年政治集会基調報告





 ●第一章 帝間対立の深まりと資本主義世界体制の動揺

 現代世界は大きな歴史的変動の渦中にある。現代帝国主義がつくりだしてきた矛盾は、世界的な規模でますます深化している。あらゆる領域へと「資本の自由」を拡張するために、労働者人民の生活と生命を犠牲して推進されてきた新自由主義グローバリゼーションは、資本主義の矛盾を肥大化させ、貧富の格差と社会の分断を極限的に拡大させた。その矛盾は米国においてトランプ政権を登場させ、その下で米帝自身が保護主義的関税政策を強固に打ち出すところにまで大きく成長した。欧州においては、それは英国によるEU離脱決定という歴史的事態を導いた。
 第二次世界大戦を前後する時期から一貫して世界資本主義の中心国であり続けた米国の政権が今日、「米国を再び偉大にする」と叫び、「自国第一主義」にもとづく政策によって、統一的世界市場に混乱と動揺をもたらし、帝国主義の世界支配秩序に深刻な亀裂をつくりだしている。そうした事態のうちに、米帝の歴史的没落のすう勢を端的に見ることができる。他方、資本主義化を進めてきた中国は、いまや明らかに世界的な大国として台頭した。それらに象徴されるような、資本主義の不均等発展にもとづく資本主義世界体制の歴史的な再編と動揺の一時代において、帝国主義間対立、および、米帝を先頭とする帝国主義諸国と中国やロシアなど世界的大国との間の相互対立は、ますます拡大し深刻なものになっていかざるをえない。
 実際、没落を深める米帝の動向は、国際情勢の激動の大きな要因となってきた。トランプ政権の抵抗によって、昨年のAPEC首脳会合は一致した「首脳宣言」をまとめることができず、G20首脳会合は首脳宣言に「保護主義と闘う」という文言を盛り込むことができなかった。これらの会合は、各国の利害をかけた対立と争闘の場であると同時に、資本家階級の国家として各国が資本主義世界体制とその統一的世界市場、帝国主義を中心とした世界支配秩序の維持のために必要な一定の「調整」を行う場であった。しかし、トランプ政権の振る舞いは、この「調整」の側面を後景化させ、資本主義世界体制に亀裂をつくりだし、諸国間の相互対立をますます拡大させている。
 軍事・外交の分野では、トランプ政権はイラク、シリアでの侵略戦争、軍事介入に続いて、今日ではイランをその最大の恫喝対象とし、イラン核合意から一方的に離脱したうえで、軍事攻撃の可能性をもほのめかしながら独自の経済制裁を発動・強化するなど、その圧力を強めている。また、エルサレムの「イスラエルの首都」としての承認と米大使館のエルサレムへの移転強行、直近ではシリア領であるゴラン高原への「イスラエルの主権」の承認など、パレスチナ人民をはじめアラブ人民に公然と敵対する政策を推進している。さらに、軍事予算を大幅に増強しつつ、「核態勢の見直し」(NPR)やロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄によって、新たに小型核兵器や核巡航ミサイル、中距離核ミサイルの開発へと突き進もうとしている。
また、その移民政策に示されるようにトランプの差別排外主義は明らかであるが、新自由主義グローバリゼーションがもたらした貧富の格差と社会の分断は、米国だけでなく様々な国で差別排外主義勢力を台頭させている。ドイツやフランス、イタリアなど欧州各国での移民・難民の排斥を主張する極右政党の伸長など、帝国主義諸国ではおしなべて差別排外主義勢力が政治的集団として登場し、台頭してきた。日本では、「在特会」や「日本第一党」など種々の差別排外主義集団が、在日朝鮮人・韓国人に対する差別的攻撃や朝鮮民主主義人民共和国に対する排外主義煽動を続けており、安倍政権の存在がそのような勢力の活動を助長している。新たな社会を希求する労働者人民は、このような差別排外主義勢力と対決しつつ、その闘いを前進させていかねばならない。
 米帝の歴史的没落のすう勢がますます鮮明になる中で、帝国主義諸国は相互の対立を強めている。それは自国の巨大独占資本の利害と生き残りをかけた熾烈な争いであり、そのことが国内外を貫いて労働者人民にさらなる犠牲を強いている。トランプ政権の「自国第一主義」も、「ワシントン・コンセンサス」で示された自由化・民営化・規制緩和を基調とする諸政策を排除するものではない。帝国主義による戦争・貧困・排外主義という激しい攻撃に対して、労働者人民は反戦・反貧困・国際連帯の闘いとその世界的な結合を促進していかねばならない。そして、そのような国際階級闘争の前進の中で新たな社会への希望と展望をつくりあげていかねばならない。
 二〇〇八年の世界金融恐慌の勃発から一〇年を経て、世界資本主義は今日、新たな形での危機へと向かい、その爆発を日々準備しつつある。ブルジョアジーとその政府は、労働者人民の犠牲の上に、巨額の財政出動によって金融独占資本を救済し、際限のない金融緩和によって政策的に景気拡大局面をつくりだすことで、危機を先送りし続けてきたが、それも限界に近づいている。蓄積された矛盾がいずれ爆発することは不可避である。
 新自由主義グローバリゼーションがもたらしてきた矛盾の深まりの中で、問われるべきは資本主義というシステムそのものである。資本の増殖が至上命題とされ、労働者人民の生活と生命がそれに従属させられ、犠牲を強制されるというあり様は、労働者人民の闘いによって緩和させることはできるが、しかし、資本主義の枠内でその矛盾を根本的に解決することはできない。それゆえ、生活と権利を守る闘いと同時に、労働者人民の未来にとって必要なことは、資本主義というシステムそのものを根底から覆すことである。それは可能であり、かつ、いまやそれは労働者人民の生存にとって不可欠である。だからこそ、労働者人民による階級闘争とその国際的な団結を前進させ、ブルジョア国家権力を打倒し、資本主義社会を根底的に変革するプロレタリア社会主義革命の実現に向けて闘っていかねばならない。共産主義の旗を高く掲げ、この道を断固として突き進んでいこう。

 ●第2章 現下の東アジア情勢とわれわれの国際主義的任務

 資本主義世界体制の歴史的な再編と動揺は、東アジアにおいても大きな影響を与えてきた。米帝―トランプ政権による「貿易戦争」は、世界的大国として台頭してきた中国をその第一の対象として発動されているが、それはこの地域における政治的・経済的・軍事的な覇権をめぐる米中の対立と競合をますます加速させていくものである。そのなかで、日帝―安倍政権は、日米軍事同盟の下で日米軍事一体化と自衛隊の軍備増強をおし進めつつ、帝国主義としての生き残りをかけた侵略反革命戦争出動体制の構築、その頂点としての改憲策動に突き進んでいこうとしている。
 そうした状況のなかで、昨年を通して朝鮮半島情勢の大きな転換がもたらされてきた。昨年四月二七日の南北首脳会談で発表された「板門店宣言」は、自主的平和統一の原則を高らかにうたい、「朝鮮半島でこれ以上戦争はない」と宣言し、また朝鮮半島全体の非核化を南北の共通目標として掲げた。さらに六月一二日には史上初の米朝首脳会談が実現され、これを受けて八月の米韓合同軍事演習は中止された。九月の南北首脳会談では「平壌共同宣言」とあわせて、板門店宣言を引き継いで南北の人事的な敵対関係を除去するための具体的な措置の実施に向けた「軍事分野履行合意書」が採択された。それらは確かに、前年までは戦争危機にあった朝鮮半島情勢の大転換であり、平和の確立に向けた条件を大きく形成するものであった。
 われわれは、韓国の労働者人民を先頭にした闘いこそが、そうした情勢転換の基底にあり、情勢を揺り動かしてきたことの意義をあらためてしっかりと確認しておく必要がある。韓国における「ろうそく革命」は、国政を私物化してきた反動的な朴槿恵政権を打倒した。それはまた、それ以前から進められてきた新自由主義政策とそれによる深刻な貧困と格差、抑圧に対する韓国の労働者人民の怒りの発露であった。それゆえ、もっとも先進的な部分は社会の構造的変革を要求する財閥解体や非正規職撤廃、さらに駐韓米軍の撤収やTHAAD配備撤回、原発全廃などの実現に向け、ブルジョア政府としての文在寅政権の限界を見据え、「未完のろうそく革命」の完遂のために今日まで闘い続けているのである。このような韓国の労働者人民の闘いは、東アジア情勢に大きな影響を与え、歴史を切り拓く原動力が他ならぬ労働者人民の階級闘争にあることをあらためて示した。
 他方、二月二七~二八日にベトナム・ハノイで開催された第二回米朝首脳会談は、合意に至ることなく終了した。これについて、われわれにとって必要なことは、実践と切り離された評論ではなく、ましてやブルジョア・メディアと一体となって「決裂」や「危機」を叫ぶことでもない。必要なことは、韓国の労働者人民が先頭に立って切り拓いてきた地平を守り抜き、発展させていくことである。すなわち、帝国主義のアジア支配・世界支配を打ち砕くという実践的立場から、朝鮮人民、東アジア人民と固く連帯し、朝鮮半島平和協定の締結、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する経済制裁の解除、米日韓の合同軍事演習の全面中止、そして朝鮮半島およびアジアからの米軍の総撤収の実現に向けた闘いをおし進めていくことである。さらにまた、排外主義と対決し、日帝の侵略戦争・植民地支配とその被害者への日本政府による公式謝罪と国家賠償の実現、日朝国交正常化の実現のために闘っていかねばならない。このようにして朝鮮半島・東アジアの平和の実現に向けて闘うことは、日本の労働者人民の主体的・歴史的な課題に他ならない。
 こうしたとき、排外主義煽動を強めつつ、改憲と侵略反革命戦争体制の構築につき進む安倍政権を打倒することは、日本の労働者人民の緊急で国際的な課題となっている。
 切り拓かれてきた情勢の中で、安倍政権は東アジアにおける反動の牙城ともいうべき姿を鮮明にしている。安倍は朝鮮半島の南北が対話と協力に向かうことを望まず、今日に至るまで「北の脅威」を煽り立て、第二回米朝会談についてはその「決裂」ゆえに「トランプ氏を全面的に支持する」などとしてきた。いまや安倍政権の存在が朝鮮半島の自主的平和統一と東アジアの平和に対する最大の阻害要因となっているのだ。
 安倍は今、九条改憲を頂点とした自国軍隊の侵略反革命戦争出動態勢および戦争総動員体制の構築に本格的に突き進んでいこうとしている。安倍は、日米軍事同盟の下で自衛隊と米軍との軍事的一体化を推進しつつ、自衛隊の海外派兵策動を強化し、琉球弧への自衛隊配備を増強し、さらに昨年一二月の新たな「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」が示すように軍事費の増強と装備面を含む自衛隊の侵略部隊化をおし進めようとしている。それは敗戦帝国主義としての制約を最終的に突破し、アジアを中心に膨大に存在する海外権益を必要とあれば自国の軍事力によって防衛することができる体制をつくり出そうとするものだ。実際、日本の対外純資産は二〇一七年末で三二八兆四〇〇〇億円に達し、一二年連続で世界最大を記録しているのである。
 安倍はまた、今日まで一貫して共和国に対する排外主義を煽動し続けている。それは、架空の「脅威」を煽り立てることで、侵略反革命戦争体制づくりを正当化し、排外主義的な「国民統合」をおし進めようとするものだ。同時に、安倍政権は今日、韓国での徴用工裁判をめぐるその排外主義的対応によって日韓対立を深刻化させている。安倍政権の態度は日本における排外主義を大きく助長させている。しかし徴用工問題の根幹は、日本政府がかつての朝鮮植民地支配が不法なものであったことを認めず、朝鮮植民地支配への国家としての謝罪と犠牲者への賠償を行ってこなかったことにある。われわれは日本の労働者人民の闘いの歴史的総括をかけてこのような排外主義煽動と断固として対決し抜いていかねばならない。
 日帝の侵略戦争・植民地支配の責任を居直り、侵略反革命戦争体制の構築に突き進もうとする安倍政権の反動的策動は、アジア人民の怒りを呼び起こしており、それをますます大きなものにしていかざるを得ない。朝鮮半島・東アジアの労働者人民が切り拓いてきた新たな情勢、その要求と闘いへの敵対を鮮明にする安倍政権を打倒することは日本の労働者人民の緊急の課題である。この国際主義的任務をわれわれは先頭に立って全力でおし進めていこう。

 ●第3章 二〇一九年政治闘争を最先頭で闘い抜こう!

 安倍政権を打倒することが東アジア階級闘争における日本の労働者人民の緊急で重大な任務であることをしっかりと確認した上で、われわれは二〇一九年の政治過程において安倍政権の反動攻撃と真正面から対決する闘いの環として、改憲阻止―安倍政権打倒闘争、「天皇代替わり」攻撃粉砕闘争、G20大阪サミット粉砕闘争を設定し、全力で闘い抜いていく。同時に、決戦の渦中にある三里塚闘争、ますます緊迫する辺野古新基地建設阻止闘争に決起する。さらに、反戦・反基地闘争、反原発闘争、治安弾圧との闘いを全国各地で推進する。排外主義煽動を打ち破り、強権的政治手法を強める安倍政権の打倒に向けてその反動攻撃と全面的に対決し、日本階級闘争の前進を切り拓いていくために闘おう。二〇一九年は労働者人民にとってあらためて「闘いの年」となる。以下、これらの闘争の意義と焦点について簡潔に提起したい。
 第一に、九条改悪と緊急事態条項の創設を柱とした改憲策動は、侵略反革命戦争体制の構築に向けて、階級支配の反革命的再編をなそうとする安倍の反動攻撃の基軸である。それは日本の支配階級の総意であり、それを受けて安倍は二〇二一年九月までの首相任期中での改憲を自らの最大の政治的使命としてきた。「天皇代替わり」や来年の東京オリンピック・パラリンピックをも利用して安倍が進めようとするこの策動を、労働者人民の総力をあげた闘いによって阻止しなければならない。この階級と階級の闘いに勝利し、改憲を阻止し抜くことは、安倍の反動的政治生命に終止符を打ち、日本階級闘争の新たな発展をつくりだす。それゆえ、われわれは改憲を阻止するための最も広範な統一戦線と共同行動の形成・発展に努力すると同時に、侵略反革命戦争体制の構築に向けた一つ一つの現れに対して具体的に闘い、それを日帝―ブルジョア国家権力との対決・打倒の問題として発展させていくために闘う。労働者人民の闘いによって、安倍政権の改憲策動は支配階級の思惑通りのペースでは進んでいない。しかし、それでも安倍は年内の改憲発議さえ執拗に狙っている。その策動を粉砕し、改憲阻止―安倍政権打倒に向けて闘おう。
 第二に、「天皇代替わり」を利用した「天皇制賛美、奉祝」キャンペーンとの闘いは、真に日本社会の根本的変革に向けて闘い得る勢力とそうでない勢力とを、厳粛に篩(ふるい)にかけている。近代天皇制は、侵略と差別、人民抑圧の歴史である。今日それは、日米軍事同盟と並んで、日本におけるブルジョア支配の支柱として存在している。メーデーにナルヒト即位をぶつけてきたことの政治的・階級的意図は明白である。天皇制を打倒・解体することなしに、日本社会の根本的・構造的な変革は勝ち取れない。この点で、いわゆる護憲・リベラル勢力や日本共産党の限界は明らかである。革命的左派こそが、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃との闘いの先頭に立たなくてはならない。すでに新元号の制定による「奉祝」キャンペーンが大々的に行われている。これと対決し、4・30アキヒト退位―5・1ナルヒト即位から10・22「即位礼正殿の儀」国家式典へと至る一連の過程において、重弾圧体制を打ち破り、天皇制打倒を掲げた断固たる街頭政治闘争を貫徹しよう。東京での4・28反天皇制・反戦・改憲阻止行動を成功させ、五月天皇・トランプ会談抗議行動に立ち上がろう。「祝賀」強制を許さず、5・1メーデーの成功のために全国各地で闘おう。
 第三に、六月二八~二九日に大阪で開催されるG20サミットを反帝国際共同闘争で迎え撃とう。帝国主義その他の大国は、相互の利害対立を抱えつつ、二〇〇八年の世界金融恐慌の勃発を契機にして、新自由主義グローバリゼーションがもたらした破局的事態を取り繕い、危機のさらなる波及と深化を何とかしておしとどめるための政策調整の場として、G20サミットを毎年開催してきた。それは危機を先送りし、巨大独占資本・金融独占資本を救済する一方で、緊縮政策などを通じて労働者人民に犠牲を転化することを一致して確認する場として存在してきた。この一点でG20サミットの反人民的性格は明らかである。今日、米帝―トランプ政権の「自国第一主義」によって、G20の枠組み自体に亀裂と混乱が生じているが、それは帝国主義およびその他の大国の間の対立・競合をいっそう激化させ、労働者人民にさらなる災厄をもたらすものとなる。アジア・全世界の労働者人民と連帯する反帝国際共同闘争としてG20大阪サミット粉砕闘争の成功をかちとろう。
 第四に、重大な局面を迎えた辺野古新基地建設阻止の闘いを、辺野古現地と全国各地を貫いて拡大していかねばならない。昨年九月の沖縄知事選での玉城デニー氏の圧勝に示された辺野古新基地建設に反対する沖縄人民の圧倒的な意志にもかかわらず、安倍政権は一二月一四日、ついに辺野古への土砂投入に踏み出した。さらに、2・24「県民投票」で再度示された民意を無視し、基地建設工事を続け、今年三月二五日には新たな区域へと土砂投入を開始した。安倍政権のなりふりかまわぬ攻撃は、沖縄人民総体と日本政府との対立・対決をいっそう深化させている。日本帝国主義による差別軍事支配と真っ向から対峙する沖縄人民の解放闘争に連帯し、沖縄と「本土」を貫く闘いとして、辺野古新基地建設阻止闘争に立ち上がろう。各地での連帯行動をさらに強めると共に、辺野古現地での闘いへの決起を拡大していこう。また、与那国島・石垣島・宮古島への自衛隊配備強化―全島要塞化策動を阻止する闘いに立ち上がろう。
 第五に、農地の強制執行を許さず、決戦の渦中にある三里塚闘争の勝利に向けて闘おう。昨年一二月二〇日の千葉地裁・高瀬順久裁判長による反動判決は、何としても市東さんの農地を奪い取ろうとする国家権力の意思を見せつけた。これに対して反対同盟は、五〇年を超えて守り抜かれてきた「農地死守―実力闘争」の地平の上に、ただちに天神峰での「座り込み」と監視行動に立ち上がり、それと一体となった千葉地裁・東京高裁に対する闘いのなかで、控訴審の終了までの強制執行の停止が勝ち取られた。この勝ち取られた時間の中で、高裁段階へと向かう請求異議裁判を全力で闘い抜くと同時に、天神峰現地への結集を強化し、強制執行攻撃に立ち向かい、市東さんの農地を守り抜くための闘いの陣形をさらに拡大していくために闘おう。さらに、第三滑走路建設とB'滑走路の北延伸による巨大な空港拡張計画であり、騒音被害の極限的な拡大をもたらす「空港機能強化策」を許さず、三里塚闘争の新たな発展を切り拓くために闘おう。
 第六に、日米軍事同盟と対決し、反戦・反基地闘争の前進を現地での闘いを軸に勝ち取っていくことである。切り拓かれてきた朝鮮半島情勢の平和局面にもかかわらず、安倍政権は日米軍事同盟を強化し、日米軍事一体化を推進し、自衛隊の海外派兵策動と侵略部隊化をおし進めようとしている。日米軍事同盟と対決し、日帝の軍事的野望を粉砕し、アジアから米軍の総撤収を実現していくことは、帝国主義のアジア支配を打ち砕いていくための日本の労働者人民の基軸的任務であり、改憲策動との具体的な対決である。アジア人民・沖縄人民の闘いと連帯する「本土」での反戦・反基地闘争のさらなる前進を勝ち取ろう。現地住民の闘いと結びつき、昨年の艦載機の移駐完了によって新たな段階に入った岩国闘争、萩・むつみでのイージス・アショア配備阻止闘争、京丹後での米軍Xバンドレーダー基地撤去闘争、さらに横田基地や神奈川の米軍基地群に対する闘いなど、全国各地での反基地闘争とその全国的結合を推進していこう。また、韓国でのTHAAD撤去闘争との連帯をはじめ反基地国際共同闘争の前進を勝ち取ろう。
 第七に、全原発の廃炉に向けて、反原発闘争を推進していこう。安倍政権がその「成長戦略」の柱として位置づけてきた原発輸出は、今日までにそのすべての計画が頓挫した。それはアベノミクスの破綻であり、安倍政権の原発政策の破綻でもある。しかし、安倍はなおも「ベースロード電源」としての原発に固執し、原発再稼働をおし進めようとしている。それは電力資本、電機産業資本など巨大独占資本の利益のためであり、独自の核武装を含む侵略反革命戦争体制づくりと結びついたものである。原発再稼働阻止の現地闘争への決起を軸に、全原発の廃炉に向けた闘いを全国各地で推進しよう。とりわけ、高浜原発一、二号機や美浜三号機、東海第二原発など、四〇年越えの老朽原発の再稼働阻止闘争、上関原発新設阻止闘争は重要だ。同時に、いまだ避難を余儀なくされている福島の人々への賠償、被曝労働を強いられた労働者への賠償、原発によって奪われた権利を回復する闘いを全力で支援していこう。
 第八に、強まる治安弾圧との闘いを意識的に推進していくことである。改憲策動と「天皇代替わり」は安倍の政治生命をかけたものであり、それは闘う勢力への弾圧の激化をともなう。共謀罪法制定など治安弾圧体制の飛躍的強化は、階級支配の反革命的転換に向けた攻撃の一部である。連帯労組関西生コン支部に対する大弾圧はそうした支配階級の攻撃の中にあり、その逮捕者はすでに延べ六〇人を超えた。それは共謀罪を先取りするものであり、闘う労働組合を破壊しようとするものであり、かつ、「天皇代替わり」やG20大阪サミット、改憲策動を前にした政治弾圧である。連帯労組関西生コン支部の労働者をはじめ、弾圧と闘うすべての仲間と連帯して闘おう。弾圧を寄せ付けない階級的警戒心を強めると同時に、被逮捕時の完黙・非転向の闘いの意義をあらためて確認し、あらゆる戦線において弾圧と闘う態勢を意識的につくりだしていかねばならい。国家権力による弾圧を打ち破る反弾圧の共同の闘いを構築していこう。

 ●第4章 階級闘争構造建設の前進をかちとろう

 前章に述べたように、われわれは安倍政権の打倒に向けて、その反動攻撃と対決し、労働者人民の断固たる街頭政治決起をつくりだしていくために闘う。同時に、広範な労働者人民を政治的・経済的闘争に立ち上がらせ、その階級形成をおし進めることで、日本階級闘争総体の構造的・戦略的な前進を勝ち取っていくための闘いを推進する。自国帝国主義と対決し、資本主義に代わる新たな社会の建設に向かって日本階級闘争を前進させていくための、この重層的で長期にわたる粘り強い努力を必要とする闘いをわれわれは着実に遂行していかねばならない。この領域での当面する課題は以下の通りだ。
 第一に、資本の攻勢と対峙して階級的労働運動を全国各地で建設・発展させていくことである。それは新たな階級闘争構造の建設のための基軸的な闘いである。新自由主義政策の下で、日本資本が世界一の対外純資産を維持しつつ、巨額の内部留保をため込み続ける一方で、労働者はその権利を奪われ、貧困と過酷な労働条件を強制されている。この四月から施行された「働き方改革」―労働法制改悪は、このような状況をさらに促進するものとなる。これに対して職場からの反撃をつくりあげ、階級的労働運動の前進を勝ち取っていかねばならない。19春闘に勝利し、闘うメーデーを成功させよう。非正規職差別を許さず、均等待遇の実現のために闘おう。さらに、改悪入管法の下で拡大する移住労働者との連帯と労働組合への組織化を進めよう。現実の労働者を労働組合に組織し、その階級的団結を育み拡大していくこと、経済闘争と政治闘争を結合し、労働者反戦闘争や反差別闘争、国際連帯運動を取り組みつつ、労働者を革命的階級として形成していくこと、それらの原則的活動を通して階級的労働運動の全国陣形を拡大し、連合支配を打ち破る日本労働運動の戦闘的発展を切り拓いていこう。
 第二に、被抑圧人民・被差別大衆の自己解放闘争を推進し、その闘う戦線を確立していくことである。安倍政権下で激化する差別排外主義と闘い、インターネット等を通じた悪質な部落差別煽動を許さず、糾弾闘争を軸にした部落解放運動の前進をかちとろう。無罪の石川さんに連帯し、再審を実現し、狭山闘争の勝利に向けて闘おう。
 昨年明らかになった中央省庁における障害者雇用の水増し問題は、日本の歴史的な障害者政策の根本的な差別性を露骨に示した。あらゆる差別政策、そして天皇制優生思想を許さず、障害者・精神障害者への隔離―抹殺・保安処分攻撃と闘い、障害者解放運動の前進を向けて立ち上がろう。
 「女性が輝く社会」などと称して、性差別を温存したまま安価な労働力として「女性の活用」を拡大するという安倍政権のペテン的政策を許さず、女性解放運動を前進させよう。同時に、日本軍性奴隷制度の被害者に対する日本政府の謝罪と賠償を実現する闘いなどを通して、女性解放運動の国際的な連帯と結合を推進しよう。
 被爆者・被爆二世の解放運動においては、被爆二世への被曝者援護法の適用を求める集団訴訟の勝利を実現し、反戦・反核・反原発・被爆者解放の闘いをさらにおし進めていこう。日韓共同闘争として前進してきた8・6広島闘争を今年も成功させよう。
 安倍政権の排外主義と対決し、在日・滞日外国人と連帯して、差別的入管体制を打破する入管闘争を前進させよう。
 第三に、階級的労働運動、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争を推進しつつ、その基盤の上に反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚した政治潮流をつくりだし、拡大していくことである。排外主義と対決し、反帝国主義の立場から、闘うアジア人民との具体的で実践的な連帯・結合をつくりだしていくことは、日本階級闘争の歴史的総括をかけた実践である。それはまた、帝国主義の打倒に向けた労働者人民の闘いの展望を地域規模で切り拓いていくという戦略的課題を推進していこうとするものである。
 われわれは、「未完のろうそく革命の完遂」のために闘う韓国の労働者人民、超法規的殺人をはじめ権力の激しい攻撃と対峙しつつ、武装闘争と農村部での解放区建設を含めて全人民的な闘いを前進させているフィリピンの労働者人民をはじめ、アジア各地の労働者人民との国際連帯を推進する。そのような立場から、反帝国際主義の諸内容に立脚した大衆的な政治組織・共闘組織としてのアジア共同行動(AWC)の運動を支持し、共にその前進を実現するために闘おう。反戦・反基地闘争、反原発闘争、新自由主義政策との闘い、労働争議への相互支援など、あらゆる分野での国際連帯活動を前進させていこう。
 第四に、左派勢力の結集と共闘をさらに強化・発展させていくために闘おう。資本主義・帝国主義への根本批判に立脚し、安倍政権を打倒する全人民政治闘争を実力闘争をもって推進する左派勢力の共闘を全国各地で推進・拡大し、日本階級闘争の戦闘的再編を切り拓いていこう。われわれはそのために、反戦闘争実、「安倍たおせ! 反戦実」、「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」などの闘いを担い、あらゆる機会を捉えて左派勢力の共闘を拡大するために闘う。それは、直面する安倍政権の労働者人民に対する激しい攻撃が不可避に要請しているものであると同時に、日本におけるプロレタリア社会主義革命の実現、共産主義運動の歴史的再建に関わる課題でもある。まさにそのような観点から、われわれは全国の原則的な共産主義者・共産主義党、活動家たちとの間で、全人民政治闘争、反帝国主義闘争における実践を共通の基盤として、様々な分野での共同行動を積極的に進めていく。
 第五に、情勢が日本の労働者人民に要求する二〇一九年の政治闘争任務、新たな階級闘争構造の建設に向けたさまざまな領域での闘いにおいて、青年・学生たちの決起を呼びかけ、また、それを実現するために闘う。侵略反革命戦争体制づくりと推進される新自由主義政策は、青年・学生たちに過酷な現実を突きつけている。青年・学生自らがその現実を打破し、新たな社会をつくりだす闘いの主体として登場し、その闘いを牽引しよう。われわれは、階級の未来を担う実践として、そのたたかいを全力で支持し、共にたたかう。

 ●第5章 共産同(統一委)に結集し、
       共にプロレタリア社会主義革命の道へ


 世界資本主義の矛盾はますます深まり、帝国主義の世界支配秩序にあちこちでそのほころびが見えている。その中で、資本と国家の生き残りをかけた策動が、労働者人民に対するさらなる搾取と収奪、貧困と抑圧をもたらす攻撃として襲いかかっている。新自由主義グローバリゼーションが行き詰り、それが肥大化させた資本主義の矛盾がいっそうあらわになるなかで、いまこそ帝国主義の世界支配を打ち砕き、資本主義を根底から覆すためのたたかいへと踏み出すときである。だからこそ、われわれは闘う労働者人民、青年・学生の皆さんに対して、共産同(統一委員会)に結集し、プロレタリア社会主義革命の実現に向けた道を共に歩むことを心から訴える。
 われわれ共産同(統一委員会)は昨年、第五回大会を成功裡に勝ち取った。大会は統一委員会結成以来の一四年間の党活動を総括し、新たな中央委員会を選出し、当面する階級攻防のなかで階級闘争を勝利に導くための党の当面する路線スローガンを採択した。すなわち、①「戦争・改憲、天皇制・差別排外主義、新自由主義・貧困化を全人民決起で粉砕しよう! 左派潮流・反帝国際主義潮流を拡大し、日帝・安倍政権打倒―プロレタリア社会主義革命をたたかおう!」、②「労働者、被抑圧人民、被差別大衆、青年学生の闘いと団結を進め、階級闘争構造建設をたたかおう!」、③「共産主義理論を学び、宣伝煽動し、党勢拡大に勝利しよう!」である。先に述べてきた二〇一九年の政治闘争任務と階級闘争構造建設における課題は、それをわれわれがいま現在直面する情勢の中で具体化したものである。その闘いを断固として貫徹しよう。
 階級解放、全人民解放のたたかいの前進のために、われわれはあくまでマルクス・レーニン主義に立脚し、その現代的・創造的な発展に向けて闘う。一九九〇年を前後するソ連・東欧「社会主義圏」の崩壊は、一国社会主義と生産力主義、労働者人民の自己権力としてのソビエトの否定と破壊などを内容として人民抑圧体制へと転化したスターリン主義の歴史的破産の産物であるが、それが多くの労働者人民に対して資本主義に変わる社会システムへの想像力と社会主義・共産主義への期待を奪ってきたことは事実である。それから三〇年近くを経て、新自由主義グローバリゼーションの下での全世界を舞台にした資本の野放図な活動は、世界的な規模で貧富の格差、搾取と収奪、貧困と抑圧を極限的に拡大させ、資本主義の存続が労働者人民の生存とは根本的に相いれないことを日々明らかにしている。だからこそ、資本主義の改良を本質とする社会民主主義ではなく、ブルジョア国家権力を転覆し、資本主義社会の根本的な変革を実現するプロレタリア社会主義革命への道が復権されなければならない。われわれがマルクス・レーニン主義の現代的・創造的な発展に向けて闘うのはまさにそのためである。
 われわれは、階級闘争の先頭に立って闘い、そのなかで党建設を展望するという、共産同結党以来の革命的伝統を継承し、同時に、そのすぐれた実践的態度の内に孕まれた「戦略・戦術主義」の弱点を克服し、戦術における左翼性だけでなく日本階級闘争総体の前進に責任をとりうる革命的労働者党への飛躍をかけて、二〇〇四年に統一委員会の結成を勝ち取った。われわれは、社会民主主義やスターリン主義、あるいは現実の階級闘争と切断された党の同心円的拡大の中に未来社会を展望する宗派主義と区別され、労働者人民の中に深く根を張り、その自己解放闘争に依拠して社会の根本的変革をめざす革命的労働者党として自らを建設し続ける。そしてまた、プロレタリア国際主義を貫いてきた党派として、反帝国際統一戦線建設の前進と国際共産主義運動の歴史的再建に向け、そのための共同の闘いを海外の同志たちとともに遂行する。国家権力の弾圧を打ち破り、社会主義・共産主義の実現に向けて資本主義社会の根本的変革への希望を組織する党として闘う。われわれはあくまで現実の階級攻防の中に身を置き、労働者人民の闘いの先頭に立ち、その中でプロレタリア社会主義革命への展望を切り拓いていく。
 結集された同志の皆さん。二〇一九年の闘いの最前線へと決起し、日本階級闘争と革命的労働者党建設の前進を実現するために闘おう!



 

 

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