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   朝鮮侵略反革命戦争策動を

      反帝闘争の前進で打ち砕け

                                       国際部

                 



 朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国ないし北)の打倒を目的とする米韓合同軍事演習(三月八~一八日)の最中に米政府の軍事・外交の責任者が日本と韓国を訪れて閣僚会談を行い、共同声明を出した。主目的は米国が両国との軍事同盟関係を確認し、「唯一の競争相手」である中国への共同対処を検討することだが、同時に、共和国の「核・ミサイルの脅威」にどう対応するかについても論議し、その結果が共同声明と記者会見での発言に反映された。対北政策を策定中だが軍事侵略の選択肢を維持するアメリカ帝国主義、北の完全な非核化に固執し日米軍事一体化の下で自衛隊の朝鮮侵略反革命を目論む日本帝国主義、米国との軍事同盟を第一義としながらも第二次朝鮮戦争を否定し、統一を見据えた南北の対話と協力を進めようという本質的に矛盾した路線を採る韓国の各々の共通認識と相違点の調整の結果とが明らかになった。露骨な軍事恫喝に対して共和国政府は厳しく批判した。日米韓軍事同盟こそ戦争の脅威だ。帝国主義による第二次朝鮮侵略反革命戦争策動を粉砕しよう。

  ●一章 米帝の対共和国政策の変遷

 帝国主義は自国ブルジョアジーの利害を守り拡大するためなら手段を選ばない。それに合法・非合法の区切りはなく、「自由と民主主義」を口にしながら暗殺・謀殺・戦争・虐殺を歴史的に繰り返してきた。その典型が米帝だ。内にあっては先住民を殺戮しその土地を強奪して建国し、黒人奴隷制を土台にして資本主義を発展させ、その後も殺人を含む人種差別を制度的・思想的柱とした血まみれの「民主主義国家」である。外に対しては最大数の核兵器を保有しつつ反共ネットワークの軍事同盟関係を網の目のように作り上げて軍事基地を無数に設け、軍事独裁政権や王政国家を支持・支援し、他国に対する軍事的恫喝・干渉・侵略・虐殺を繰り返してきたのが米帝国家権力だ。そうした論理を土台として共和国への政策も立て、実行してきた。
 一九九四年にはクリントン民主党政権が北に対する戦争方針を決定。戦争勃発直前まで危機が進んだが辛くも回避され、ジュネーブで米朝枠組み合意が結ばれた。しかしブッシュ共和党政権が合意事項を履行せずに対北援助を停止して合意は破産した。その後、六者協議が数回開かれたものの、米帝が対北経済制裁を強化して米朝関係が悪化し、二〇〇六年に北が長距離弾道ミサイル発射と核実験(一七年まで計六回)を行った。オバマ民主党政権は一二年に共和国と2・29合意を結んだ。北が核を凍結し、米国が食糧支援をするという内容だ。だが、その二か月後に北が長距離ロケット発射を行ったことを理由にこれを破棄し、以後「戦略的忍耐」という軍事的外交的圧力の極限化で共和国を締め付け、自国および国連による制裁にとどまらず、中国に圧力をかけて中朝貿易を激減させ、戦争突入の選択肢も発動直前まで検討しつつ、その体制崩壊を狙った。
 トランプ共和党政権が発足した一七年には、共和国が大陸間弾道ミサイルを発射して核国家の完成を宣言した。キューバ危機の再来と評されるほどに戦争突入の確率が極限まで大きくなったが、九四年と同様、米軍兵士と在韓米国人の犠牲が大きすぎるという理由により米政府は直前で回避した。翌一八年には情勢が大転回し、一度の米朝首脳会談と三度の南北首脳会談が開かれた。しかし一九年二月のベトナム・ハノイでの第二回米朝首脳会談は決裂し、その後、米朝関係だけでなく南北関係も膠着状態に陥り、現在に至る。今年一月に開かれた朝鮮労働党第八回大会は米国を「最大の主敵」と規定した上で、①敵視政策の撤回を要求し、②「強対強、善対善の原則」を提示し、③大陸間弾道ミサイルの高度化、核潜水艦の開発に言及し、④米韓合同軍事演習の中止を求めた。

  ●二章 バイデン政権の対共和国政策

 バイデンの大統領就任を阻止するために極右と陰謀論者を軸とするトランプ支持者数千人が米連邦議会議事堂に突入し占拠した1・6襲撃の二週間後に、二万五〇〇〇人の州兵が厳重警備する中でバイデンが大統領に就任した。トランプがオバマの主要政策をことごとくひっくり返したのと同様に、今後はバイデンがトランプの政治内容をおしなべて否定する、いわばちゃぶ台返しの後のちゃぶ台戻し作業を全面的に行っている。軍事・外交分野においてもバイデン政権は「外交=国益」と位置づけ、軍事同盟の堅持と強化をうたい、中国に対する軍事的優位の確保と外交的勝利を最大の目標に据えた。また、トランプのトップダウン方式ではなく実務交渉から始めるボトムアップ方式(実務会談→閣僚会談→首脳会談)の採用、および、実務者への決定権限の付与を明言している。
 対北政策はどうか。バイデンは昨年一〇月に大統領選挙中の討論会で「北が核を凍結すれば金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会うのは可能だ」と明言し、完全で検証可能で不可逆的な「北の非核化」とは根本的に異なる「核の凍結」即ち北の核保有容認という基準を提示すらした。その後、大統領就任前までの専門家の評価は、外交における対北戦略の位置は低いというものが大多数で、その確立にも半年はかかり、実際に動き出すまでには長時間を要するという見解が大半を占めていた。
 バイデン政権は発足後、対中国戦略との関連性の大きい対北戦略の重要性を認識し、それは日に日に深まっている。発足してから一週間後に大統領報道官サキは、「大統領の観点は疑う余地なく、共和国の核・ミサイルと様々な拡散活動が世界の平和と安全保障にとって深刻な脅威になっていて、世界の核非拡散体制を傷つけているというものだ」、「米国は共和国を抑制する問題に重大な関心を持っている」、「米国と同盟国を安全に守るために新戦略を採択する」、「新戦略は、現在の北に対する圧力の選択と将来の外交的可能性とに関して、韓国と日本、他の同盟国と緊密に協力しつつ、共和国の現状についての政策の徹底した再検討から始まる」と言及した。同政権の問題意識をはっきり述べている。
 対北政策を作成し実行する陣容も経験者で構成された。日本の外務省に当たる国務省の長官にはオバマ政権時の国務省副長官で「戦略的忍耐」を作ったブリンケン、同副長官にはクリントン政権で対北政策調整官だったシャーマン、東アジア・太平洋担当次官補代行には東アジア太平洋副次官補・対北政策特別代表・六者会談首席代表を歴任したソン・キム、東アジア太平洋副次官補には前ブルッキングス研究所の韓国学教授だったジョン・パクが就任した。米国の全世界での外交安保政策を統括する国家安保会議も対北政策専門家が軒並み要職に就いた。同会議を統括する国家安保補佐官には、国務長官秘書室長と副大統領国家安保補佐官を歴任したサリバン、インド太平洋調整官には前国務省東アジア・太平洋次官補だったキャンベル、東アジア・オセアニア専任局長には前国務省韓国課長だったケーガンが就いた。殆どが対北強硬論者だ。
 対北戦略はトランプの対北外交の検証を含めて確立作業が進行中でいまだ決まっていない。ブリンケンは「あらゆる選択肢を検討中」と繰り返し発言している。トランプの関与したシンガポール共同声明は白紙化される確率が限りなく大きいが、「北の核保有国化」を阻止できなかったとして否定的な見解が専門家の間では多かったオバマの「戦略的忍耐」へ回帰する可能性もあり、また、前出のバイデン発言に基づく「イラン式対応」(最大の圧力と介入)も検討されているだろう。
 米政府は二月から共和国に対して連絡・接触を試みたが無回答だったと、ブリンケンが訪日の際に公式に認めた。自分達は対話の努力を一生懸命して頑張っているのに北が頑なに拒んでどうしようもない、との印象を全世界に刻印するための情報戦だ。他国を蔑視しなめ切った米帝権力者ならではの高慢で鼻持ちならない地球規模の世論誘導だ。対北政策は三月の日本・韓国との軍事・外交閣僚会談を経て三~四月に発表されると思われる。これが米帝の対北戦略の基調になる。

  ●三章 米中及び米朝のはざまに立つ韓国政府

 韓国ブルジョアジーにとって同盟相手国の米国と経済的同伴者の中国はともに最大の貿易相手国であり、いずれか一方だけを選択して他方を切ることはできない。従って対外経済領域では対立が激化しており、今後ますます厳しくなるだろう米中双方からの圧力を受け続けることになる。
 また、ブルジョアジー内部が二分している対北政策においては、ろうそく革命の結果として一七年の朝鮮戦争勃発危機の真っ只中で発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は当初から、統一を見据えた南北の対話と協力を通じた朝鮮半島の平和と繁栄の実現、朝鮮戦争の終結と米朝平和条約締結を見据えた米朝対話と和平プロセスの開始を目標に据えて対北・対米・対中の接触と協議を水面下で重ねてきた。それが、一八年二月以降一年間にわたる緊張緩和状態を作り上げて、上記の多くの会談を開催する原動力だった。文大統領は今年の新年の辞や三一節演説でも平壌共同宣言と南北軍事合意の意義を再確認するとともに「平和と繁栄の朝鮮半島」を共に作っていこうと北に呼び掛けた。
 だが、米韓軍事同盟が最大の外交関係であることは韓国ブルジョアジーの総意であり、下位パートナーであるために米帝の軍事的要求を拒むことはできない。文在寅大統領が大統領選挙公約では反対していた高高度ミサイル防衛システムのTHAADのソソン里配置について就任後は容認に転じた。臨時配備だと約束したが、実際には機材・資材の搬入は数千名の警察が投入されて住民と平和運動家を弾圧しながら続いている。米軍基地建設が強行されているのだ。合意された二一年度の米軍駐留費は一兆一八三三億ウォン(約一二〇〇億円)だ。しかし、土地無償供与などを含めると実際は約五兆ウォン(約五〇〇〇億円)に達する。しかも米軍駐留費は二〇二五年まで毎年6・1%増加することも合意された。韓国の二〇二五年までの国防費増加率が年6・1%なのでそれに合わせたというのがその理由だ。米軍駐留費は全て米国が負担すべきだが、特別協定で韓国政府に払わせるのは駐留米軍地位協定違反だ。米韓で対立の続く事項もある。二〇〇三年から始まった戦時作戦権委譲問題だが、韓国の移譲要求を米国は今も拒否している。韓国軍が完全な作戦遂行能力を持つまで米軍が作戦権を持つのだというのが理由だ。韓国軍は米軍の下位にあることをあからさまに物語っている。米韓「2+2」で米側は韓国側に日本との対話を始めろ、関係を改善しろと強く要求した。日米韓軍事同盟を強化しろと言っているのだ。
 共和国への軍事対応では、今年一月一日に平壌を空から強襲して占領する任務の第二迅速対応師団が創設された。また、共和国の東海岸に海から強襲上陸するための戦力も増強済みだ。そして、米韓合同軍事演習が強行された。総じて、朝鮮半島と北東アジア地域で共和国・中国・ロシア対米国・日本・韓国の新しい冷戦体制が強まっているのだ。

  ●四章 朝鮮侵略訓練としての米韓合同軍事演習

 今年三月八~一八日、「毎年恒例の防衛訓練」として三月と八月に実施してきた米韓合同軍事演習が強行された。実動演習を抜きに、コンピューター・シミュレーション方式の合同指揮所訓練のみが防御と反撃の二段階に分けて実施された。第一に、同演習の目的は、南への北の侵略を防衛することではない。共和国がミサイル発射する「兆候」なるものをつかんだ瞬間に敵基地に先制攻撃を加えるなどして北を侵略し、その後数日間で首都平壌を占領して共和国の指導部を打倒し、最終的には体制を転覆することこそが真の目的だ。それは米軍が作った五〇一五作戦を見れば明らかだ。第二に、実動部隊の訓練がないから演習も格下げになったわけでは全くない。日々刻々変化する彼我の戦力や不測の事態をはじめ無数の仮定事態の一つ一つに正確に対応し協力できるかを検証するための軍事侵略の肝の訓練だ。第三に、今回の訓練は、実質的には、米韓だけではなく日本も加えた日米韓合同軍事演習である点だ。日本政府の「戦争のできる国」づくりの重要で不可欠な自衛隊の侵略訓練だということだ。私たち日本の労働者階級人民の責任が最も厳しく問われているのだ。
 日本にとって今回の演習は、防衛省統合幕僚監部が駐韓米軍・米軍アジア太平洋司令部・在日米軍・在沖米軍・韓国軍とともに後方基地としてシミュレーションに参加し、侵略軍としての連携を強化し一体化を図るまたとない訓練だ。米韓合同軍事演習の本質は日米韓合同軍事演習だ。共和国を侵略し体制転覆することを目的とする第二の朝鮮侵略反革命戦争策動なのだ。従って、米韓合同軍事演習反対は日本の、日本政府の、日本人の問題であり、日本の労働者階級人民にとって第一級の課題だ。
 日本政府は、韓国を露骨に外した日米豪印の枠組みによるインド太平洋軍事協力構想を掲げて共和国と中国を目標とする敵基地攻撃能力保有にすでに踏み出した。北と対話する気など実際は全くなく、完全な「北の非核化」を押し通して米帝がイラン方式を採らないように圧力を加え、文在寅政権が進める南北の対話と統一への道を粉砕することが国益だと信じ切っている。さらに、米国の要求に乗る形で自衛隊が米軍と一体化し、その指揮下で軍事衝突の最前線に立つ訓練を反復している。

  ●五章 日米共同声明と米韓共同声明を批判する

 米国務長官ブリンケンと国防長官オースティンが三月一六日に日本で外相茂木・防衛相岸と共に日米安全保障協議委員会(2+2)を、一八日に韓国でチョン・ウィヨン外相及びソ・ウク国防相と米韓外交・国防閣僚会議(2+2)を開き、それぞれ共同声明を出した。
 まず、「日米安全保障協議委員会(2+2)共同発表」(防衛省の仮訳)で共和国に関連した部分は次の通り。「閣僚は、北朝鮮の軍備が国際の平和と安定に対する脅威であることを認識し、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での全ての義務に従うことを求めた。閣僚はまた、拉致問題の即時解決の必要性を確認した。日本、米国及び韓国の三か国間協力は我々が共有するインド太平洋地域の安全、平和及び繁栄にとって不可欠である」。
 「北の脅威」を確認した上で「北の完全な非核化」に言及し、共和国が国連安保理決議に違反していると非難している。そして、拉致問題を指摘し、日米韓の軍事協力がインド太平洋地域の安全・平和・繁栄にとって不可欠と位置づけている。とにかく悪辣な北を日米韓の協力でやっつけろという帝国主義者の高慢さ丸出しの論理だ。日米帝こそがインド太平洋地域の最大の軍事的脅威であるにも関わらず、対北敵視政策を続けるという頑強な意志がにじみ出ている。
 次に、「二〇二一米韓外交・国防閣僚会議共同声明」で同様の箇所は以下の通り。「両国の閣僚は、北の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先する関心事であることを強調し、この問題に対処して解決するという共同の意志を再確認した。両国の閣僚は、北を含む国際社会が関連する国連安保理決議を完全に履行することが重要であることを確認した。米韓は朝鮮半島と関連した全ての問題を緊密に調整している。両国の閣僚は、こうした諸問題が米韓間の完全に調整された対北戦略の下で取り扱われなければならないということで意見を共にした。このため、両国の閣僚は、進行中である米国の対北政策の検討と関連して閣僚級協議を継続していくことにした。/両国の閣僚は、日米韓三国の協力の重要性を確認し、域内の平和・安保・繁栄を増進するために相互互恵的で未来指向的な協力を継続していくことにした」(筆者訳)。
 同声明には「北の核・弾道ミサイル問題」が米韓「同盟の優先する関心事」だとするが、「脅威」という語はない。「北の非核化」という表現も避けられており、極めて異例だ。国連安保理決議を完全に履行すべき主体は「北を含む国際社会」であり、批判の矢が北に集中せずに相対化され緩和されている。朝鮮半島問題に関連する全問題を米韓間で調整していて、対北戦略が米韓間で完全に調整される必要があり、調整のための協議を続けるとしている。現段階で両国間に相当の見解の相違があること、米国の対北政策が未確立という条件もあってブリンケンが主張を押し通すのではなく、韓国側の見解を一旦は聞き、現在確定した対北政策は定まっていないことを明らかにしている。先述の内容で韓国が米国を説得する作業が今後続く。その結果がここひと月の間に発表されるだろう米国の対北政策として表れることになる。二つの共同声明を読むことで対北政策に関する日米韓の間に深刻な異見のあることが分かる。
 米韓合同軍事演習と日米・米韓の閣僚協議が行われている間、この二つに対して共和国から批判が発表された。金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会副部長が一六日、米韓合同軍事演習を「共和国を狙った侵略的な戦争演習」と批判した。その上で「南朝鮮当局の態度如何により三年前の春の日と同じ平和と繁栄の新しい出発点に戻ることもできる」が「南北関係の最後の機会にもなりうる」として韓国政府に態度の変更を求めた。また、祖国平和統一委員会の整理と金剛山(クムガンサン)国際観光局の廃止にも言及し、南北交流遮断を示唆した。米政府に対しては「発足早々に夜眠れなくなるような無粋な真似はしない方が良い」と警告した。また、崔善姫(チェ・ソニ)共和国外務省第一次官が一七日に談話として、二月中旬から米政府がメールや電話の伝言で接触を求めてきたことを明らかにし、「敵視政策が撤回されない限り、いかなる接触や対話にも応じない」、「米国の時間稼ぎに再び応じる必要はない」、「米国の接触の試みを引き続き無視する」と述べた。

  ●六章 共和国敵視政策を中止しろ

 南北板門店(パンムンジョム)宣言(一八年四月二七日)、米朝シンガポール共同声明(同年六月一二日)、南北平壌共同宣言(同年九月一九日)、南北軍事合意(同)は、朝鮮半島の戦争状態と分断をなくし、平和と核廃絶を成すために韓国、共和国、そして米帝ですら合意し、中国が支持したものであり、今後実現すべき目標として再設定できる内容だ。それらの骨子を改めて確認しよう。
 「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」は、①今後朝鮮半島で戦争はない、②停戦宣言と平和協定が必要、③朝鮮半島を完全に非核化して共同の繁栄、平和、自主統一を成し遂げる、以上の三点を確認した。
 米朝シンガポール共同声明は、第一に、両国は「新しい米朝関係を樹立していくことにした」、第二に、両国は「朝鮮半島で恒久的かつ強固な平和体制を構築するために共同で努力する」、第三に、北は「板門店宣言を再確認するとともに、朝鮮半島の完全な非核化に向けて努力する」とした。
 南北平壌共同宣言は、板門店宣言の諸原則を再確認したうえで、①軍事的敵対関係を終息させる、②開城(ケソン)工業団地と金剛山観光事業の正常化など民族経済発展のための対策を講じる、③離散家族問題を根本的に解決するための協力の強化、④文化・スポーツでの交流促進、⑤東倉里(トンチャンリ)エンジン試験場とミサイル発射台を永久的に廃棄し、米国が相応の措置を取れば寧辺(ヨンピョン)核施設の永久的廃棄などの措置を取る、⑥金正恩国務委員長が近い期間内にソウルを訪問する、という内容だ。
 「歴史的な板門店宣言履行のための軍事分野合意書」は、南北間の一切の敵対行為を全面的に中止し、軍事的衝突を惹起しうる全問題を平和的方法で協議・解決し「いかなる場合にも武力を使用しない」としたうえで、具体的措置を多数記している。南北の間では戦争はもう終わったことを宣言する、朝鮮戦争の実質的な終戦宣言だ。
 日米帝は、朝鮮半島問題の根本原因である自らの共和国敵視政策を直ちに中止し、戦争策動と経済制裁を撤回して、上記の宣言・声明・合意を認めて実行しろ!

  ●七章 最後に

 私たち日本の労働者階級人民は、日本帝国主義による朝鮮侵略と植民地支配の血の歴史を忘れず、日本政府が被害当事者に対して謝罪・賠償し、正しい歴史教育を確立するようにさせることを通じて、自らの歴史的責任を果たさなければならない。上記の画期的な宣言・声明・合意を闘いの中で争取した南北在外の朝鮮人民に連帯して、帝国主義による第二次朝鮮侵略反革命戦争策動を粉砕するために起ち上がろう。民族排外主義策動を打ち砕こう。韓国において粘り強く続けられている、帝国主義侵略と支配に抗した反基地反戦平和運動に連帯していこう。朝鮮侵略反革命戦争阻止が、私たち自身が帝国主義を打倒として自己解放を勝ち取るための必須条件だ。
 ともに闘おう。

 



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