共産主義者同盟(統一委員会)






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関東大震災時朝鮮人虐殺から98年
 9・1の闘い共に!
           首都圏地方委員会




 今年も「米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会2021」が結成された。しかし七月末現在、今年の東京都総合防災訓練に関する日時・場所等の発表は未だなされていない。
 二〇二〇年は夏に行われるはずであった東京オリンピック・パラリンピックと時期をずらしての秋実施(一一月二二日東京都・北区合同総合防災訓練)であった。今年もそうなるのであろうが、コロナ・パンデミック下での五輪強行パニックで「それどころじゃなく」なっているのか。いずれにせよ未だ発表がないのは異例のことである。
 実行委は、八月二九日に「オリンピック戒厳体制と差別排外主義の現在を問う! 8・29集会」(一八時~としま区民センター予定)開催を準備している。表題の通り、現在問われている大きく二つの課題について、皆さんと共に考えていきたい。


●1章 関東大震災100周年に向けて激化する攻防

 一九二三年に発生した関東大震災時朝鮮人・中国人虐殺事件は、再来年には一〇〇周年を迎えようとしている。二〇一七年より、九・一朝鮮人犠牲者追悼式(両国・横網町公園)への追悼文送付を拒否し続けている、東京都小池都知事と墨田区長。同じ公園内で「真実の慰霊祭」なるヘイト集会を開催する「そよ風」らレイシスト達との攻防も続いている。
 関与し合っている小池都知事と「そよ風」らの目論見は、朝鮮人犠牲者追悼式の間近で挑発的にヘイトスピーチを行ない、カウンターとの間に起きる衝突―混乱を口実に、追悼式・慰霊祭双方への公園使用許可が下りなくなるよう仕向けて追悼式を潰すこと。最終目標は「追悼碑」の撤去であることを明言している。
 昨年はついに東京都が双方に対し、公園使用にあたって「管理上支障となる行為は行わない」等、こまごまと条件を付した誓約書にサインをせよ、と迫ってきた。小池都知事の追悼文送付取りやめが大きく報じられて以来、図らずもこの問題に関心を寄せる人々は増え、抗議の署名運動は瞬く間に広がり、これらの攻撃は粉砕された。東京都は「そよ風」らが前年までに行なった集会発言を「ヘイトスピーチである」と認定し、「誓約書」も取り下げざるを得なくなったのだ。
 しかしこれで終わったわけではない。追悼文送付は再開されず、ヘイト集会開催も続いている。二〇二三年に「関東大震災一〇〇周年」虐殺犠牲者追悼事業が各所で大々的に取り組まれることを阻止したいレイシストらは、二〇二三年を目標に執拗な攻撃を重ねてくるだろう。
 墨田区では、自民党区議の一人が突如この問題で議会質問を行なうと宣言し、ツイッター上で応援を募った。「逝去された古賀俊昭先生に本日の質問を捧げます!」と(故古賀俊昭:都議会で、小池都知事の追悼文送付取り止めの契機ともなる一般質問を行なった自民党議員)、前代未聞の宣誓で始まった「質問」は、そよ風らと同様の主張を延々と展開したのち、墨田区長に対し「今後も毅然とした態度で信念をもって追悼文を送らない判断をされますか!」「虐殺犠牲者六千余名という根拠なき数字が刻まれた追悼碑の撤去を望む声が届いている。区としても都に対し改善策を求めることが必要だと考えるが御所見は?」「九月一日は全ての震災犠牲者を追悼する厳かな日であり、皇族の御臨席を賜り秋季慰霊大法要が取り行われる。その静寂を乱す事態、騒動が起きていることについて区長の御所見は?」と迫るものであった。
 区長からは軽くいなされ、とりわけ三つ目の質問に対しては「ヘイトスピーチと疑われる言動を確認した場合は然るべく対処する」と、騒動を起こしているのはヘイト側であると指摘する回答がされた。にもかかわらず、この区議と「そよ風」は、区長の答弁を自らの都合の良いように歪曲して報じている。このようなレイシストが各地方自治体にまん延し影響力を及ぼしつつあることに、警戒を強めなければならない。
 また、「そよ風」が「教授の関東大震災時における朝鮮人虐殺に関する論文に接し、屈強な援軍が来たという感覚を覚えています」と絶賛する「ラムザイヤー論文」について、しっかりと糾弾していかなければならない。日本軍性奴隷制問題、被差別部落問題、沖縄問題と同様に、関東大震災時朝鮮人虐殺の問題についても、学術論文の要件すら満たさぬ酷い内容で書かれている。「朝鮮人による犯罪が横行していたことこそが事実であり、虐殺はそれに対する日本人の正当防衛だった」というレイシストらの主張をそのまま貼り付けただけのものだ。そんなものが「学術的にも認められた真の歴史」と喧伝されることを、絶対に許してはならない。
 本年九月にも行われるであろう追悼式への妨害を許さない闘いと、歴史の継承に全力を尽くそう! 関東大震災当時を思わせるような差別排外主義の激化を、団結の力でもってはね返していこう!


●2章 東京五輪強行弾劾! 戒厳体制を許すな!

 七月一二日から八月二二日まで、東京に四度目となる緊急事態宣言が発令された。コロナワクチン接種は遅れ、「集団免疫獲得」達成ならず迎える東京五輪開幕を目前に控えた、なりふり構わぬ暴挙である。すでに疲弊しきっている労働者へのダメージは計り知れない。
 五輪開幕までに体裁を整えようと三回目の緊急事態宣言を六月に解除したとたん、東京の感染者数は一気に増加し一〇〇〇名を超え、変異ウイルスへの置き換わりも進んだ。緊急事態宣言の連発に、その効力が完全に疑問視されている。宣言開始後も変わらず街に人があふれ、「オリンピックはやるのに、なんで私たちは我慢しなきゃいけないの」と怒りの声が増していった。五輪で商売を見込んでいた人たちは負債だけを抱え、国威発揚ムードも失せ、「IOCバッハにNOと言えない日本」が苦々しく遂行する、史上最悪のオリンピック・パラリンピックとなった。
 そんな中でもオリンピック戒厳体制は着々と進められてきた。七月初旬より国立競技場の周辺は、住民への説明もないまま突如の道路封鎖等、異常な警備体制がしかれている。元は新国立競技場と関連施設建設の為に、平均年齢六五歳以上の高齢者住宅であった都営霞ヶ丘アパートが立ち退きを強制され、明治公園で暮らす野宿労働者も強制排除された場所だ。更に開幕間近を迎えると、ビジネスホテルに一時滞在中の生活困窮者・生活保護申請者が「部屋を空けよ」と退室を求められる事態が起きている。コロナ禍対応でひっ迫している医療現場から、医師・看護師を供給せよと言い、緊急事態宣言―無観客開催決定で流石に中止となったものの、児童・生徒の観戦動員も強行されようとしていた(パラリンピック期間中のことは未だあきらめていない)。
 某区では当初、コロナ感染対策のため飲食禁止―水筒を持たせずに移動・観戦させろとの通達があり、教職員や親たちから「子どもが死んでしまう!」と悲鳴が上がったそうだ。
 命をないがしろにし、強制動員をしていく。「平和の祭典」とは程遠い、まさに戦争である。
 防衛省は、東京オリンピック・パラリンピックの大会運営支援のため、自衛官計約八五〇〇人を派遣すると発表した。内約七六〇〇人は競技会場でのセキュリティーチェックや沿道警備にあたり、約三七〇人が開閉会式や表彰式での「国旗」掲揚を行なうという。医官や看護官も各会場に配置される。
 八五〇〇人の自衛官のもとで、動員されたスタッフ、医療従事者や大会ボランティア達が動くわけだ。まさに毎年の東京都総合防災訓練で目にしてきた光景ではないか。五輪後の惨状も見据え、しっかりと抗議の声を上げていこうではないか。命を守る闘いを共に!


 



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