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鳥取ループ・示現舎の差別扇動攻撃に抗し起ちあがった
 部落大衆の闘いを否定する
 東京地裁成田の差別判決を許すな!

           全国狭山闘争連絡会議




 
 九月二七日、東京地裁民事第一二部の成田晋司裁判長は、鳥取ループ・示現舎の宮部龍彦と三品純による「全国部落調査」復刻版出版事件に対して、①「復刻版 全国部落調査」の二五都道府県部分についての出版差止めとネット上でのデータ配布の禁止、当該データの二次利用の禁止、②原告らの大部分について一人あたり五五〇〇円から四四〇〇〇円の損害賠償(賠償の合計額は四八八万六五〇〇円)を命ずる判決を言い渡した。
 まず何よりも確認しなければならないのは、部落差別に抗して起ちあがった人たちをさらにネットで晒し差別攻撃が強められている今日、全国の被差別部落出身者二四八名が原告の代表となり、差別と闘う全部落大衆の先頭となって立ち上がった意義を確認しなければならない。
 そして、原告を先頭とした全部落大衆と部落解放同盟の差別煽動者宮部、三品糾弾の闘いに断固連帯した闘いに起ちあがろう。原告を先頭とした部落解放同盟の闘いは、部落差別を煽動する鳥取ループ・示現舎の宮部龍彦・三品純の「全国部落調査」復刻版出版と閲覧自由に晒されている被差別部落所在地データのインターネットへのアップなどを許さない広範な闘いに広がって宮部・三品を追い詰めている。
 新聞各社をはじめとしたマスコミ報道は、さらに宮部等による部落差別のヘイト犯罪は許されないこととして多くの民衆に知らされ、ネット上に溢れる差別書き込みする者に「差別書き込みは犯罪」であり賠償請求を負うという警告につながっている。


●東京地裁成田の差別判決


 原告団・弁護団声明で以下のように明らかにされている。
 「この判決は、①被差別部落の一覧表の公表が身元調査を容易にし、部落差別を助長することを認め、②『復刻版 全国部落調査』に関し、出版の差止めに加えインターネット上でのデータ配布禁止や二次利用の禁止も認め、人物一覧のデータ配布を理由とする賠償を認めたことなど、基本的に原告の主張を認める内容になっている。この点については、積極的に評価できる。
 しかしながら、判決は、③原告らが主張し、仮処分段階で様々な裁判官が認めていた『差別されない権利』の侵害を否定したこと、④プライバシー権侵害に関し、一度情報を公開した者は、本件の被告らの上記行為に対する承諾を与えていないにも関わらずプライバシー権侵害の成立を認めない旨の判断を行ったこと、⑤プライバシー権侵害に関し、『復刻版 全国部落調査』に現在の住所地・本籍地が掲載された原告のみ救済し、親族の住所地・本籍地や過去の住所地・本籍地が記載された原告の救済を否定したこと、⑥原告解放同盟に関する『業務を円滑に行う権利』の侵害を認めなかったこと、⑦差止めの範囲につき、『復刻版 全国部落調査』の全ての記載に対する差止めを認めず、一部の都道府県につき差止めの効力を及ぼさなかった点は、極めて問題であり、厳しく批判されるべきであると考える」。
 従って、裁判長成田の差別性を次のように確認しなければならない。
 ①厳しい部落差別の中、原告になった部落大衆のみならず全部落大衆に及ぼす部落差別の物理的・精神的被害に向き合うことなく否定し、現認されたプライバシー権侵害を限定的にしか認定しなかったことである。結果、損害賠償額一人一一〇万円請求に対して最高額でも四万四〇〇〇円と小額の差別犯罪への賠償金である。
 ②それ故、一橋大学院生自死事件裁判でアウティングは違法と東京高裁判決では認定しているにもかかわらず、カミングアウトとアウティングは違うということを理解せず、「差別されない権利」を認めず「プライバシー権の問題」に切り縮めた差別判決を下したのである。
 ③差別判決を下した東京地裁民事第一二部成田の前任、民事第四九部裁判長中村心が「京都にある被差別部落は多くの人に知られているからバラまいたところで違法性は無いのではないか」と述べ、更に許し難いことには原告の証人尋問で被差別体験を述べたことへ「あなたの青年の主張はもういいから」と茶々を入れ、弁護団から猛抗議されたにもかかわらず、その結果を尋問調書から削除した経過があった。この経過からすると、今回の差別判決を下した裁判長成田は、明確にこの中村の訴訟指揮内容を踏襲しており、「部落解放同盟員であることが公示の事実」である原告のプライバシー権侵害は否定したのである。結果、部落差別を容認する姿勢は徹底糾弾されなければならない。
 ④判決は「差別されない権利」の侵害を否定したことで、現在の住所地・本籍地に居住している原告のみの限定的救済に止め、部落差別の無理解で居住していない原告のプライバシー権侵害が否定された人や裁判途中で亡くなった人の一部都道府県について「復刻版 全国部落調査」の出版等の禁止を認めていないことは絶対に許されない。


●「全国部落調査」復刻版出版事件について

 二〇一六年二月はじめ、川崎市の出版社「示現舎」(代表・宮部龍彦)が、「全国部落調査」復刻版を四月一日から販売するとネットに発表し、予約の受け付けを開始した。
 この書籍は、戦前の一九三六年に政府の外郭団体が作成した調査報告書「全国部落調査」の復刻版で、この報告書には、全国五三六七の同和地区の地名、戸数、人口、職業、生活程度が詳細に記載されている。
 示現舎は、一九二〇年代の地名の横に現在の地名を書き加えて掲載した。部落解放同盟は「出版は差別を助長する悪質な行為」として横浜地裁に書籍の出版禁止の仮処分決定を申し立て、横浜地裁は三月二八日に出版禁止の仮処分を決定した。
 また、示現舎が復刻版のデータをウェブサイトに公表したために、部落解放同盟は横浜地裁相模原支部に削除を申し立て、相模原支部は四月一八日に削除を命じる仮処分を決定した。
 しかし、示現舎・宮部龍彦がネットへの掲載を止めないことから部落解放同盟と原告二四八名が四月一九日、示現者と宮部龍彦・三品純を相手取り、「全国部落調査」の一切の公表禁止を求め訴えを東京地裁に起こし、現在に至る。
 「学術的研究」をうたい文句に主張している宮部らは一方で「部落探訪」なる部落差別を扇動するサイトを立ち上げ、「全国部落調査」から得られた情報をもとに全国の被差別部落を動画撮影してネット上にアップしている。
 結審前宮部等は悪辣な嘘八百を並べたてたラムザイヤー論文を提出し、部落差別を原告らの「妄想」と決めつけるかのような態度を絶対に許してはならない。
 原告団・弁護団声明で明らかになっている「被差別部落の一覧表を公開することは、どんな都道府県が対象であっても違法」という判決で法務省に法的手段を取らせ、鳥取ループ・示現舎の部落差別扇動者宮部・三品を徹底糾弾で追い詰め、控訴審闘争勝利を勝ち取ろう。

 



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