共産主義者同盟(統一委員会)






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■『戦旗』1654号(3月20日号)4面

   

  
パレスチナ人民虐殺弾劾!
  イスラエル軍はガザから撤退しろ

                                小出一好






 二月二五日、アメリカ空軍兵士アーロン・ブッシュネルさんが、ワシントンにあるイスラエル大使館前で自らの身体に火を放った。これ以上イスラエルのジェノサイドに荷担できないこと、そして、パレスチナを解放せよ、と叫んでイスラエルの虐殺に抗議し、息絶えた。
 日本ではほとんど報道されていないが、焼身抗議はアメリカをはじめ世界に大きな衝撃を与えた。アメリカでは、彼に続き、退役軍人たちのジェノサイド阻止、バイデン政権の荷担を糾弾する行動が拡大している。
 あまりにも残虐なイスラエルの蛮行に、世界中は怒りに震えている。しかし、ガザ地区やヨルダン川西岸地区におけるイスラエルのジェノサイドを、止めることができていない。
 イスラエル史上最も極右の宗教シオニストが主要閣僚を占めるネタニヤフ政権は、まさにシオニズムの本性をむき出しにして、10・7「アルアクサの洪水」作戦を口実に、パレスチナ人民虐殺・追放に踏み込んだ。米帝も中東における帝国主義の死活的権益の死守し、前線基地イスラエルを防衛するために、イスラエルのジェノサイドを容認し、全面的に荷担している。イスラエルと米帝―バイデン政権は、パレスチナのジェノサイドの共犯者だ。
 パレスチナ解放闘争―シオニスト国家イスラエルの解体とパレスチナ人民の独立と自由の獲得こそ、現代世界の反帝国主義闘争の最前線である。われわれは帝国主義の世界史的打倒の一大決戦としてパレスチナ情勢を捉え、パレスチ解放闘争を闘わなくてはならない。
 パレスチナ人民、全世界の闘う労働者人民と連帯し、即時停戦とイスラエル軍の撤退、そしてパレスチナ解放を闘おう。


●殺戮と飢餓に直面するガザ

 ガザ保健当局の発表によれば、昨年一〇月七日以降死者は三万人を超え、負傷者は七万人以上となっている。死者の半数は子供だ。爆撃によって倒壊した建物の下には数千人の遺体が埋まっているといわれ、被害の全容は把握できていない。行政施設、学校、病院、インフラ施設などあらゆる建物が空爆によって破壊され、ガザ地区はもはや人が住むことができないまでに破壊されている。
 また、イスラエルによるガザ地区の封鎖によって、医薬品、食料、燃料、生活必需品など生きていくうえで必要となる物資が搬入できなないため、深刻な人道危機に直面している。ガザ地区の25%が飢餓に苦しんでいるといわれ、餓死者も出始めている危機的な状況にある。国連は、ガザ全域で、少なくとも五七万六〇〇〇人が餓死寸前と報告している。
 このような状況下で二月二九日、国際援助トラックに食料を求めて殺到する数千人の飢えた民衆に、イスラエル軍の戦車と兵士が発砲し、一〇〇人以上の死者と一〇〇〇人を超える負傷者が出た。イスラエルの信じがたい蛮行、残虐行為は絶対に許すことは出来ない。
 南部ラファにおいても、追い詰められた避難民たちに、イスラエル軍は無差別に空爆を繰り返し、犠牲者が続いている。イスラエル軍は、ハマス掃討を名目に、ラファへの地上侵攻を計画しており、地上戦が始まればこれまで以上の死者が出ることは明白だ。
 ヨルダン川西岸地区でも、イスラエルの虐殺は行われている。イスラエル軍に守られた入植者たちが、パレスチナ人の家屋を破壊し、農地を奪い、抵抗するパレスチナ人を殺している。
 ヨルダン川西岸地区においても、イスラエルのパレスチナ人追放の動きは拡大している。
 イスラエルは、まずはガザ地区のパレスチナ人をエジプト領へと追放し、ガザ地区の民族浄化―占領を狙い、次にヨルダン川西岸地区のパレスチナ人の追放と占領を狙っているのだ。イスラエルの最終目標は、ヨルダン川から地中海までのすべての土地を奪い、パレスチナ人を追放することだ。


●「アルアクサの洪水」作戦

 イスラエルのガザジェノサイドの発端は、昨年一〇月七日の「アルアクサの洪水」作戦の決行からである。この作戦は、イスラム抵抗運動(ハマス)の軍事部門アルカッサム旅団をはじめ、イスラム聖戦機構、イスラム抵抗運動、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)、アルアクサ殉教者軍団などの武装部隊が共同して行った攻撃である。三〇〇〇人の戦闘員が隔離壁を突破し、イスラエルに進攻し一二の軍事基地を攻撃し、多くの人質を確保しガザに帰還した。一〇〇〇人の戦闘員が帰還できなかった。
 この「アルアクサの洪水」作戦は、パレスチナ人民の民族解放闘争として決行された。それは決して「テロ組織のハマスによる奇襲攻撃」などでは断じてない。シオニズムによるパレスチナ占領、人民の民族浄化に屈せず、支配と虐殺からの解放をかけたパレスチナ人民の民族解放闘争である。パレスチナ解放闘争がイスラエルに対する軍事作戦を含む闘争として発展してきた歴史的意味をしっかりと捉えることが重要である。 イスラエルのパレスチナ占領は一九四八年以降一貫したものであり、これに抵抗するパレスチナ人民の追放、殺戮、そしてパレスチナ人民を支援してきたアラブ諸国に対する軍事攻撃も続いてきたのだ。


●ジェノサイドに荷担する帝国主義

 占領と殺戮こそ、一九四八年の「イスラエル建国」から一貫して追求されてきたシオニズムの本質だ。帝国主義の手先となって、アラブの団結と民族自決を破壊する前線基地として、シオニズムを前面に戦争と破壊、虐殺を続けているのだ。シオニズムは、歴史の捏造と民族排外主義に基づいた差別と抑圧の建国運動として、帝国主義の利害と一体化し、のさばってきた。シオニスト国家イスラエルの解体なくしてパレスチナ解放はない。
 パレスチナ人民をなぶり殺しにするイスラエルのジェノサイドに、世界中で怒りが充満している。しかし、米帝―バイデン政権は、イスラエルのジェノサイドに荷担し軍事支援を継続する一方、国連の場で即時停戦や和平案に拒否権を発動し、パレスチナ人民虐殺の推進者となっている。バイデン政権だけではない。米帝はイスラエル「建国」から一貫して、莫大な財政援助、世界最先端の武器へのアクセス、安保理における米帝の拒否権で保証される政治的免責、その他あらゆる形の援助が、これまでのイスラエルの占領継続・強化を助けてきた。
 そして、米帝、イスラエルのジェノサイドを容認し、国際的な圧力を妨害しているのが、イギリスやドイツなど欧州帝国主義諸国であり、日帝―岸田政権もこれに追従している。
 民主主義や言論の自由をもって西欧の優位性を誇示してきた諸国において、即時停戦の安保理決議反対、パレスチナ支援の妨害、各国におけるパレスチナ連帯運動に対する弾圧などが行われている。また、ロシアによる虐殺や、中国による新疆ウイグル自治区の民族浄化などを指弾し、人権だ国際法順守だなどと言ってきた帝国主義者は、これ程明確なジェノサイドに対し、これを容認し、支援すらしている。
 イスラエルによるガザ地区のジェノサイドは、西欧の民主主義の虚飾の剥ぎ取り、残虐な植民地支配によって富と繁栄を手に入れた帝国主義の本性を浮き彫りにしている。


●パレスチナ人民に連帯し虐殺をやめさせよう

 米帝―バイデン政権は、イスラエルに対する武器援助と同時に、空母打撃群をペルシャ湾やアデン湾も派遣し、パレスチナを支援しようとする周辺諸国に軍事恫喝を加えるとともに、イラク、レバノン、シリア、イエメンに対して空爆やミサイル攻撃を続けている。ガザ地区のジェノサイドに対し、怒りが充満するアラブ民族主義やイスラム世界の支援や共闘を破壊し、イスラエルを防衛しようとしているのだ。
 しかしこれに対し、武装勢力によるイラクやシリアの米軍基地に対する攻撃が開始され、米軍に屈しない頑強な武装闘争が起こっている。イエメンの武装勢力も、米英帝国主義の爆撃を受けつつも反撃し、アブデルマンデブ海峡を通過するイスラエルや帝国主義関連の船舶に対する攻撃を続けている。これによって、これらの船舶は南アフリカの喜望峰を経由する航路を取らざるを得ず、多大な損害を受けている。レバノンのヒズボラも、イスラエルの攻撃を跳ね返し、イスラエル北部への攻撃を続け、北部の入植地を破壊し、軍事的にも経済的にもイスラエルを疲弊させている。
 中東地域はこれまで、米帝とイスラエルによって政治的経済的軍事的に支配されてきたが、このくびきから脱出し、新たな同盟が形作られ、独自の外交や経済連携を模索し始めている。中国の仲介でサウジアラビヤとイランが国交回復し、対話と経済協力を始めていることは、その象徴だ。現代政界のもっとも需要な戦略資源・石油を独占するための、米帝の中東植民地支配は崩壊の兆しを見せている。
 これらの状況から、米帝の軍事力の優位性がなくなり、支配力は大きく後退している。米帝は、この紛争を調停することもできないし、軍事力で武装抵抗を鎮圧できる力も失っている。米帝の危機がはっきりとしてきている。米帝は中東全体をコントロールする能力を失いつつある。むしろ周辺諸国やグローバルサウス諸国のパレスチナ人民虐殺弾劾と包囲によって、イスラエルが追い詰められている。
 空爆に対し抵抗するすべを持たないガザ地区への残虐行為は、イスラエルの「ハマス」壊滅が予定通り進んでいないことの証左でもある。イスラエルは軍の被害状況を公表してはいないが、甚大な被害を被っている。戦死者は一〇〇〇人を超え、負傷した兵士も多数発生している。国内産業を支える観光業とハイテク産業は昨年一〇月以降大打撃を受け、経済成長は大きくマイナスとなった。予備役の戦争動員で労働力が不足する事態に陥っている。イスラエルから逃げ出す人間も多く、戦闘が長引けば長引くほど、イスラエルの経済は苦境に陥っていくことになる。
 帝国主義とイスラエルが絶望的に中東戦争を拡大していくことを絶対に許してはならない。パレスチナ人民、アラブ人民に連帯し、ガザ虐殺戦争を即時停戦させよう。
 全世界の労働者人民と連帯し、パレスチナ解放の反戦闘争を闘おう。

 



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